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いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
557/929

557 何でも屋 2-34 再訪問

通話の魔道具が呼び出し音を出した。

相手は予想できたし、真弓に出てもらう。

「はい。見終わりました。ミサさんは大丈夫です。はい。お待ちします」

ミサが、膝から降りて真弓がいた場所に座る。

香織が、キッチンに入りお茶の準備をする。

見終わったらイバさん達に伝わる様になっていた様だ。



「ミサ君の、身体の中の魔石だがね。

もしかしたら、【黒魔石】になっているかも知れない」

イバさんが話し出した。

「何ですって!」真弓が叫ぶ。

「色々調べてみた結果だ。

もうミサさんは、この術を使ったのが君の父親という事には気づいているよね」

「えぇ」

「彼は、他でもいろいろなことをしている。

実はファビオ、ダンテそしてマインにも術が体内に組み込まれていた」

黙り込むミサ。

洋樹が、ミサを抱きしめる。

「マインのは、ブラフだと思われる。

転移ができるようになったら、ルナとミリアさんが向かう。

そしてミーフォーと木場直さん木場昴さんが、ファビオとダンテに検査をコンナを呼んでやらせる。

そのまま手術に入るかもしれん」

「なんて事を」

「ファビオとダンテも、魔石に見せかけた石に陣を掘り込んでいるだけかもしれん。

それも調べさせる

コンナは、優秀で脳精神外科でもある。

さらに、心臓の外科手術もこなしている。

このまま日本に居てほしいくらいだ」

「家においでになって、よく父と外科手術の話をしていらっしゃいます。

私には、とんと理解できないんですけどね」

「それは専門職の話は理解はできないさ。

さて、話を戻そう、

彼がやった術でわかっている事は、先程見た映像でもわかる様に【魂】の何処かに何かをきっかけとして発動する術師を越えた存在にする事だ。

無人攻撃機のせいで中の様子は解らなかったが。その代償は魂の喪失つまり死だろう」

だけど真の目的は、やはり【黒魔石】の製造だ。

アシの一族から情報を得たんだろう。

彼の親か、そのまた先祖か。

そして、この地に空から脅威がやってきたら、それはアーバインと同じような人間が操っている機械だと教えたようだ」

「それで空人なんですね」

「何処かでルース様の事を知り、その後継者となった私の名も騙っていた」

サランが眉を顰める。

「で、力を得る事。

アシの一族の娘を嫁にもらうことを条件に、黒魔石の作成を代々やったようだ。

記録では彼の父が、ダイアの娘から偽物と散々馬鹿にされた黒魔石もどきを作ったと思われる。

杖の裏に、彼の父親の名があるし型が古い。

ヘルファの加工もその頃の物だ。

コレも、地球で調べるよ、残留思念を掴める人がいるからね」


サランが代わって話し出す。

「私達も、ミサが暴走したらどうなるか予測できなかった。

同じ様に暴れて、人に危害を加えて魔石を破壊してそして死んでいくと思って居たわ。

でも、目的が違ったのよ。

ヒドラの目的。そう、最大の目的。

【黒魔石】の生成。

ミサが暴走すれば【黒魔石】が完成し、アシに捧げてその見返りにアシの娘を嫁にする。

アシは、長い長い寿命を持つ。

死んでも、その魂がポアーザとして残る。

アシの娘と結ばれたら、アシになれるとでも言われたのでしょうね。

でも、その望みは叶わなかった。

ダイアの夫は人のままよ。

だけど、アシの娘は二人。

この聖地にいるわ。

ごめんなさい。ミサ。

ヒロとの時間を大事にして。

あなた守れるのは、その人だけよ」


「で、アシの娘が、ミサの体内から【黒魔石】を抜きに来るかも知れない」

イバがことも投げに言う。

「それは危険では!」洋樹が問い返す。

「もしそうなっても、私達には止められないんだ」

「彼女達が眠っている筈だが、こうしている間にも、様々な場所に現れていることがわかっている。

前から目撃情報があったんだ。

でも信じなかった。

そりゃそうだろう、ウルマのハンのところでペルシア猫と遊んでいた。

その次は、ルースの岩場に腰掛けていた。

先程は、完全閉鎖している合同訓練場で、二人で追いかけっこしている姿が式で捉えれれていた。

【黒魔石】から魔素を吸って元気になったらしい。

だから、距離も盾も効かないんだ。

ここに今入ってきても不思議じゃない。

だからダイアには、一緒に居て貰って『ミサの命を奪うな』と言い聞かせさせている。

今は、眠っているそうだ。

実際に、姿を消したらしい。

偽物だから壊して砂にしたみたいだが、元は光魔石だったよ。

アシは、魂の存在を認知している。

ポアーザは【魂】そのものと考えていいそうだ。

だから、あのような術を編み出した。

彼女達が、なぜ【黒魔石】を欲するかはわからない。

だから、この今から君はミサのそばから離れるな!」

「あの〜それって『おトイレ』もですか?」

「ミサに任せるが?」

「じゃあ、その時は、ドアを開けて外で背をむけて座っていてください」

「あぁ、絶対離れない。

良いな信長さん。

場合によっては【峰打ち】しても構わん」

「難しい事を言うな?〜

できるかどうかわからんぞ」

「あぁ、頼む。ミサは俺が守る」

「決まりね」


一行は、魔石板を回収して去って行った。

ミサは、洋樹の膝で横抱きにされて首に腕を回して泣いていた、

怖いに違いない。

明後日には、試射を迎える。

サランさん達に言い含められて、明日の夕方には香織と真弓はウルマに移る。


「ねえ。洋樹。

昨夜も言ったけど、私達、今子供が出来やすい状態なの。

だから抱いてくれない」

真弓が、当然だとばかりに言ってきた。


ミサの腕が、ぎゅっと締まる。

それは、ミサも思っている。

もしかして暴走して【魂】を焼き尽くして死ぬか、その前に、アシの二人が突然現れて魔石と術を身体から抜きにくる。

その時に助かるかどうかは、わからない。

でもタダでは済まないだろう。

ならば、今この身が在るうちに抱かれたい。

そうミサも思っていた。

でも、それを言ったら二人に悪い。

ヒロは残って暴走を止め、あのアシの二人からも守ろうとしている。

どうなるかわからない。

「私も抱いて欲しいです。

でも、私は洋樹さんとミサさんを信じてウルマで待ちます」

「でも!それじゃ!」

「真弓さん!いいえ帰蝶様。

私達を、ここに集めた御堂の意志。

きっと、何かを考えている。そう信じます。

私達が望むものは、今だけの幸せだけじゃないと思うんです。

子供を授かったとしても、洋樹さん無しじゃ辛すぎます」

「・・・・・そうであった。

私も殿が死んでも生き続けた身を恥じた事もあったが、やはり死んではならぬ」

「真弓。洋樹を、殿をミサを、信じようではないか?」

「仕方ない。でも今夜も一緒に寝るし、アリアの下着とネグリジェだ」


こうして、また夕食に出た。

今度は、ミサが、お姫様抱っこされた。

帰りは、真弓だそうだ。

腕と腰が鍛えられる。

四人の祖父祖母に囲まれて、ミサも香織も真弓も楽しそうであった。

予め準備されていて、次々に料理が出る。

今日も酒は飲まなかった。

又、あの酒が渡された。

『我慢我慢』

ジッちゃんが笑っていた。

やっぱり。そういう効能がある様だ。


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