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いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
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466 開拓団2-23 ボール遊び

数日後、少年少女は、医師の診断を受ける。

『コイツ嫌なんだよな!いやらしい目付きしているし、胸に触るし・・・・・・』

「生理は?」

「安定していない。今月はまだ」

少しは、話せるようになって来ていた。

「三人共か?」

「そう」

「食事の質をあげよう。それと運動もできるようにしよう。

寒くなるから室内になるが、ボール遊びを教えておこう。

それと体温計だ。

これを、朝起きて寝たまま舌の下。

ここだな。

ここに、当てて測れば良い。

ピッと鳴ったら終了だ。

鼻で息をするんだぞ!」

三人の少女は何の為だか解らなかったが、食事の質が上がると聞いて喜んだ。

しかも、室内で遊ぶ為の靴や衣類も貰えた。

男の子も、同様だが体温計は無かった。


暖房の効いた、広い室内の部屋に行く。

医師が、二人現れて球を三つくれた。

持っていても、良いと言われて投げて遊ぶ。


隠れていた聖地でも、孤児から取り上げた人形を投げて遊んだ事はある。

妹の形見だと泣いていたが、それが又面白くって遊んでいたら【空人】達が飛び込んできた。

黒い棒が吠えたら、おじさんが血を吹き出して倒れた。

逃げ回った。

私が放り捨てた人形を拾った男の子を盾にしたお父さんが、やはり血を噴き出して倒れた。

お母さんも倒れた。

空人達が、両手を上にあげる様にポーズをして来たから同じ様にしたら、殴られてうつ伏せにされて身体中を弄られた。

悔しかった。

その後は、思い出したくない。


『なぁ、コイツら遊ばせるのか?』

『あぁ、男は春になったら軍が一緒に同行させて、火山の麓にある竪穴の洞窟に隠れている原住民の捕縛に通訳として連れていくらしい』

『女の子は?』

『知らないよ。まぁ、手を出しちゃいけないとは言われている。見るだけなら良いんじゃないか?』

『だから、こんなに暖房が効いているのか!』

『汗をかく、くらいなら半袖になるだろう?』

『了解!だから、軍の連中は追い出しておいたんだな?』

『チョーカーもハマっているんだ。逃げれないからな!』

「オーイ、医務官が呼んでいるぞ!子供達は外から鍵閉めておくから遊ばせておけっとさ!」

「聞いた通りだ。遊んでいろ!」

若い医師達は出て行った。

又、あいつらの話声が聞こえた。

普通に話されていたら、半分も解らないのに時々全部解る。

だから、みんなに言葉を教えているが、皆んなには半分程度しか分からないフリをしておけと良い含めてある。

これは【サトリ】の力。

あの術師が連れて来た、汚れたチビ犬がそう言われていた。

いつも、こっちを見て哀れみを帯びた目で見ていた。

『あなたもサトリ』と言われた時には薄気味悪かった。

友人には、そんな奴はいない。

もし、あのチビ犬と一緒と思われたら仲間外れにされてしまう。

それは嫌だ!

よし!

ボールを持って男の子の一人トクにぶつける。

コイツは、私のことが好きだから、大抵の事は見逃してくれる。

「ワッ!」

「やったな!アイズ!」

「なんで、わたしよ!」

トクが、他の女の子にぶつける。

たちまちボールが飛び交った。

『・・・・・・サトリの娘聞こえる?』

又だ。女の声が、私にだけ聞こえて来る。

振り払う様に、ボール遊びに興じた。


「ダメね。答えてくれないわ」

サランが、軍の農園から病院に移された少女の中にいるサトリの娘に声をかけているが答えてくれない。

今日もルナが心配して、【遠見の陣】で見ていた。

「急に、待遇が良くなったわね。

働く事もしなくて良くなったし、病室で寝かせていてばかりじゃ体にも良くないからね。

成長期だしね」

「美沙緒、時々でいいから、この子達もお願いね」

「うん解った。でも、もうしばらくしたらクー達を交代させてあげないと」

「普通の式とは違って睡眠もするからね。この子達は

不思議よね。寝続けるか、起き続けるかどっちがだものね」

「眠りが長い子の方が能力が高いから、睡眠が関係しているのは間違いないわ」

「じゃあ、バッフィムさんのドームに集めて、そこで眠らせましょうか?」

「それがいい。

この子達は、【魔素】も好物だからアソコなら大丈夫。

月夜石も、お父さんに言って置いて貰って」

「解ったわ。

でも困ったわね。【転移】が得意な人は全員向こうに居るし、【管狐】を転送で送っても、何かあった時に帰って貰うには、一個一個【陣】を辿って、最後にアシから空を飛んでもらった方が安心なんだけど。

私もルナも巴様も、この距離は難しいからね。

一旦、誰かに帰ってもらって、往復して貰うしかないわね」

「ワシが行こうか?」

「ルースおじいちゃん!

ダメよ!木場先生から止められたでしょう?」

ルースは、腰を痛めていた。

「それに、飛行術苦手でしょう?」

「それを、言われるとな」

「私が行くわよ」

いつの間にか、咲耶が姿を見せた。

「確かに貴方なら飛べる距離だけど、でも今日は〜、あ〜」

「忘れていたでしょう?

もう、久しぶりに娘達が帰ってきたので【柳葉】に行く予約入れていたのよ?」

「あはは〜いや〜佳境でね〜」

「聞いたわ。でも迂闊すぎるわよお母さん。

それに、先に三郎とメルカを返してあげなさい。

月が寂しがっているわ。それに王室もカンカンよ。

真も帰さないと、アソコはまだ新婚なんだから。

おじさん達だけでもういいわ」

「おじさんは、酷いわね。

じゃあ、帰還を指示するわ。一緒に帰って来る?」

「ううん。私も1日泊まってみるわ」

「それが本音でしょ?」

「そうね。久しぶりの実戦。敵の真っ只中」

「手を出しちゃダメよ」

「解っているわ」




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