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いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
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045 ひとり

2026/01/01 エピソード タイトル修正しました。

       一部文章修正しました。

ワゴンに戻り、ベッドの上に円形の魔道具を置くメトル。

ルースを抱きしめてサトリの術を使った。

二人の兄、姉、母と繋がるルース。

『いよう!ルース!褒めてやるぜ!間違いなく、お前がファルバン家の当主だ!だからアイツらに負けんなよ!』

『俺もだルース!お前の兄で良かったぜ! 羊の肉、美味かったな! ルミに愛していたって伝えてくれ!』

『ルース。ごめんなさい。一緒に居てやれなくて。

でも、私、楽しかった。【アレ】の街を救ってね。』

『ルース。相手は【ルベルのブラド】あの船の指揮官よ。

でも、そんな事はどうでも良いわ。生き延びて幸せになって。

愛しているわ。アナタお願いね。もう時間が無いわ』

『済まない!皆んな!・・・・・ルース! アーバインを救え!我が息子!』

メトルは、展開した青い光の陣の中にルースを投げ入れた。

その光から出れなくなるルース。

周囲から更に光が立ち上がる。

「何言っているの? 嫌だよ! 僕一人にしないでよ!一緒に行こうよ! 父さん!」

『愛して居るぞ。生き延びろ!』


三方から押し寄せたミサイルは、一つづつワゴンに襲いかかっていた。

押し返そうとする【遮蔽】の術。

だが、一つ、又一つと【遮蔽】を貫き、そして最後の一台も粉々に吹き飛び、炎を撒き散らした。


「はい。お仕事終了!映像と記録は取ってあるな。

何? 黒鳥がやられてしまって最後の映像は、この船からだけしか無い?」

「そうですよ。何せあの連中、ミサイルの到達前に、ドローン24機全部切り捨てていましたよ。

でも、まぁ他にあんなのが居るか調べるためにも、近くの街をちょっと突いておきますか?」

「そいつは、良い考えだ」

「でも準備があるんで、数日下さいね。

何せ、起きて居るのは三人だけだし、アンドロイドが動き回るとボーズが心配になりますから、自分でやるしか無いのでね」

「しょうがね〜なぁ〜」

「でも、どうしたんです?」

「何が?」

「急に『俺様はブラド!ルベルのブラドだ!』なんて、叫んで?」

「あん? そんな事言ったっけ?」

「言いましたよ。お陰でこっちは耳が、キンキンしています」

「そう言えば、『名を名乗れ!』って言われた気がしたな?」

「ルベルの司令部にいた時代に、どんな番組見ていたんですか? 

古いですよそんなセリフ」

「そうか? でも、かっこよく無いか?」

「はいはい、二人とも今ので放出ユニットに異常が無いか、見に行きますからサポートして下さい」

「おうよ! 次はどんな奴が居るかな?」

「ゲーム感覚ですね。じゃあ移動しますよ!」



地上では、聖地から程近い草原にルースが倒れ込んでいた。

遥か彼方に炎をあげて燃え盛るワゴンの残骸が見えている。

「どうして、此処に・・・・・母さん、兄さん、サーシャ、父さん・・・・・みんな!」

手を伸ばして呼びかける先を、あの船が去っていく。

「ルベルのブラド! いつかこの手で、お前達を八つ裂きにして見せる」

ルースの握りしめた拳には、様々な色をした魔素が立ち昇っていた。

怒りと慟哭で疲れ果てて眠っていたルースを見つけたのは、聖地から出て様子を見に来た獣人達であった。

こうして、ルースはルイスと名を変え聖地で暮らし始める事になった。


聖地では、この大事件について大騒ぎとなった。

ルースから聞く戦闘状況。

ゲーリンは、再び奴等は街を襲う。

そう判断して、足の速い獣人に避難を呼びかけに行かせた。

アレの街では避難所に、サイスの街の住人は【アレ】の避難所か、完成したばかりの【蔵の街の】避難所のいずれかに収容する事にした。

浜の村と丘の村には、聖地に籠る様にさせた。

しかし、やはり呼びかけを軽んじて逃げない者もいる。

【アレ】の街でも残した財産が心配で残る者、その財産を狙う者が現れて、街には灯りが煌々と灯っていた。

【サイス】では、サキアとマウアが【蔵の街】の避難所に向かっていた。

【アレ】では破門になった事も有るが、【蔵の街】では魔素を扱える術師が少ない事を、様子を見に来た肉屋から聞き覚えていたからだ。

肉屋は、彼らが避難所に姿を見せた時に、代官と共に喜んで向かい入れてくれた。

現場を調べて来た、猫の獣人から状況を確認する。

ファルバン家は、ルースを除いて全員行方不明。

同行していた護衛や術師、獣人達も一人残らず行方不明。

領主の街と同じ様に業火に焼かれて、骨も残らなかったのだろうという報告だった。

ルースは、かすり傷程度で聖地に収容されていた。

保護した場所と被災現場が余りにも離れているので【転送陣】で助けられたのだろう。

本人は、まだ茫然自失の状態なので、長とサトリの術者がついているとの事だった。

泣き崩れるマウア。

唇を噛み締めるサキア。

そのサキアに、ゲーリンからの手紙が渡される。

『今は、頼みだけを書く。

【遠見の陣】で戦闘状況を見ていた者からの説明から、戦闘手法から相手は軍人だ。しかも、冷静にこちらの力を測ってくる。残虐でも有る。

逆らわなかった一行を、焚き付けて反撃を誘って居る。

避難所に入ったら【遮蔽】に【偽装】の術を上書きしろ。

街には人ひとり残すな。

逃げる時に後を追われる。

逆らう奴がいたら殺せ!そう代官に伝えておけ。

死に絶えたくなかったらそうしろ。

老人は頑固で避難所入りを拒否するが、人が居れば、その家は壊されその周囲の家も焼かれる。そう脅してもダメなら殺してしまえ。

一箇所に集めて燃やして奴等のせいにする。そこまで脅せ! 

頼むぞ!ルース様の事は心配するな。ゲーリン』

代官と共に街に残っている住民を探しに警備兵が散っていった。

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