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いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
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032 盗賊

2025/12/31 エピソード タイトル修正しました。

      一部文章修正しました。

「では、報告させて頂きます。

先ずは、聖地の長との話し合いは順調に進みました。

主人様がお送りになった書状の要求は全て了解して頂きました。

予定は秋。麦の収穫後を考えています。

先方へは先触れを出します。

こちらから食糧や日用品は持ち込むことも、先方からご了解を頂いております。

かねてより長と術師が伝承に有る【氷室】を探しておられまして、幾つか見つけておられます。

これで食糧の保管も安全に行えます。

その食糧ですが、先に聖地出身の商人に頼みまして、日用品と共に追加購入してあります。

簡単ですが、聖地との決め事は以上です」


「主人様

丘の村のいくつかが、離村で無くなっているのはご存じでしょうが、やはり、重い税が課せられている様です。

サイスの村で使います塩の袋を作っているのは丘の村ですが、離村が相次ぎ充分な量が手に入らない様です。

サイスの村長が、嘆いているのを聴いております。

袋を隣の領から購入する事となりますが、価格がもう上がっておりました。

今後、塩の価格も上がると思われます。

今回、私が購入を頼んだ分は、先の商人に用意させた袋を浜の村に隠させておきサイスに渡します。

更に領主の街でも税が重くなっています。

門の出入りで払う税、商いで得た利益に係る税何も上げられました。

そして今まで年初めに払う『人頭税』が、同じ額を月初めに払う事になっています」

「なんだって!」

「それは、あんまりだ。子供を産む事も出来なくなる。もう、街を捨てるしかない!」

「その通りです。兵までが家族を連れて出て行ってます」

「奴ら何を考えているんだ。もう、この領が無くなっても良いと考えているのか?」

「更にアレの街と領主の街の間に盗賊が出る様ですが、商人達はコイツらが領主の手下の紅蓮隊で、こちらが手を出せば調査中の臣下だったと難癖をつけてくるから手を出すな。とまで警告してきました」

「そんな事をして街に物が入らなくなったら、それこそ街が滅ぶぞ」

「トルク。アレの街に獣人の余所者が増えていないか?」

「増えている。今は悪さをしないから巡回を増やすだけにしているが、心配事の一つだ」

「塩を倉庫に入れた際にも目にしましたが、明らかに怪しい倉庫が増えています。

これらは、領主と領主にl同調した先の当主の息子達の企みでしょう。

何かをきっかけにして、こちらを攻めてくる気だと考えています」

「馬鹿な事を、これで二つの街を潰す気なのか?」

「街にいる領主の私兵に知った顔が有ります。

昨夜、私達が館に入るのを見逃した連中です。

彼らに礼を言う事を名目に近づいて見ます。

彼らも、その事で領主から責めを受ける事を覚悟していて、逃亡を考えているでしょう。

金を礼として渡します。

色々と教えてくれるでしょう。

今メイルがツナギを入れています」

「彼らも追い込まれているな」

「領主の街から逃げてきた商人の家族が聖地に入った頃です。

聖地の獣人6人で守っていますから、丘の村跡周辺にいる連中も近づいても来ないでしょう」

「用意周到だな?」

「今の領主に代わった時から抜け道や、脱出方法を考えていたみたいですからね」

「見習う事ばかりだな」

「まったくです。それでは後ほど手配した物品の詳細と、今回の逃亡中に判明した地形や道を地図に追記しておきます。

奴らが、こちらを探す為に使った高台も無かったはずですから、こちらへの侵攻の為かもしれません」

「最後に、又一つ嫌なことを話しよって」

「冷静になったからでしょう。思い出してしまいました。

逃げる間は無我夢中でしたからね。」

「ご苦労だった。下がって良いぞ。・・・・・休まなくって良いのか?」

「休んだら、後を追う事ばかり考えます。ご心配しないでください。では!」

ゲーリンは、臣下の礼をして下がっていった。


「後を追うか・・・・・」

「・・・・・隊長なら、そうしかねません。

愛されていらっしゃいましたから」

「確かにな。あの歌声がもう聴けないのか・・・・・」


「入るぞ!」

ゲーリンは、警備隊の詰所の戸を押し開けた。

この戸には、人の有無を確認する為の開口部が無い。

だから、必ず外から入る時には一声かける必要がある。

慣れて終えばどうと言う事ないのだが、慣れないうちは室内でうずくまる隊員が出る。

一斉に立ち上がり礼をする隊員達。

命令を下す為の段に上がり、礼を返して楽にしろと手で合図する。

「俺たちが留守にしている間も街を守ってくれた事に礼を言う。ご苦労だった。

そして、我妻と子の葬儀を無事済ませてくれて感謝している。ありがとう」

ここで、一同を見回す。

中には泣いている者もいた。

「さて、聞いているかも知れないが幾つか伝えておきたい事がある。

ひとつ目は【黒い鳥、黒鳥】と呼ばれる機械と思われる飛行する物だ」

「機械だと!」

「鳥ではないのか?」

「空を飛ぶ機械なんて作れるのか?」

「続けるぞ。機械と解ったのは、メルル様が遠見の術で見られて、相手に心を感じなかった事で解った。

鳥であれば空腹感や周囲を探る時の猜疑心、必ず何らかの心の揺らぎがあるからな。そして、見つけても手を出すな。

良いか手を出すんじゃない。

これは当主様からの命令だ。良いな?」

「ハッ!」

「次は、ここ【アレ】の街と【領主の街】を繋ぐ街道に、盗賊が出没して商人の荷車を奪っているが、コイツにも手を出すな」

「隊長!それは何故ですか? 襲われたと思われる商人がいるのなら、我々が捕縛するのが正しいと思うのですが?」

頷く隊員達。

「そうだ、盗賊は捕らえるか場合によっては殺しても構わない。俺もそうして来た」

再び頷く隊員たち。

だが、続いて告げられた事実に隊員達は驚くのであった。


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