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いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
261/928

261 アーバインからの転校生

京都東山の『京優学園』

元は中等部、高等部の一貫校として設立された、いわゆるお嬢様学校で近年、国文学部だけの単科大学まで設けた。

来年には初等部、中等部に男子も受け入れて共学にする事に、高等部は特別に設けたコースだけに男子を受け入れる。

初等部、大学に保育科と看護科を追加し、付属の幼稚園と初等部から高等部に特別コースまで新たに設立する申請が出された。

看護科の協力病院には、地元の大学病院が協力する事で届けが出される。

もちろん、入学にあたっては厳格な審査と面接が課せられる。

優先されるのは、萩月一門の子女の安全と教育。



定期的に京都御所にお戻りになる【上】に、萩月常義が巴様と岩屋友嗣、若菜を連れて殿中にあがり、アーバインと地球に迫り来る災いを奏上させて頂いた。


その席上、沈黙が続く。

そして発せられた御言葉。

「アーバインを助けましょう。友を助けなければ、地球も滅びます。

【天上書庫】への出入りを許します。

巴様。貴女の勝ちですね?」

「よくご存知で・・・・・」

「巴様が【顕現】されたと聞いて調べただけです。裏高野の一光様も入室を許可します。

殿守(でんのもり)】には申し伝えておきますが、その際には私に【式】を送ってください。

【式】を飛ばしてみてくれませんか?」


【上】は、少し離れた場所に立たれて声をかけられた。

「巴殿は、何を使われます?」

「【子狐】では、如何で?」

【上】の肩の上に、拳程の白い子狐が現れ、巴の肩にも黒い子狐が現れた。

白い子狐が「巴に御座います」と囁いた。

【上】が、すぐにお気づきになり

巴の肩に乗った黒い子狐が「成程、念話を伝えるのですね?」

と声を出した。

周囲にいる者に会話を聞かせる時にはこうして、【式】を交わす事にした。


「常義は何を使います?」

「私は【燕】を使います」

皆の腰の高さを一羽の、白い燕が飛び【上】の直前に降り立ち大きくなって見せた。

「ほほう、大きさを、この様に変えてみせますか? 人も載せれそうですね?」

「はい。もしもの時には躊躇なくお乗りください」


「友嗣は何を使います?」

「私の(しるし)も、鳥でございますれば」

友嗣の指先から飛んだ一羽の鳥が、数多くの白い鳥となって【上】の身体を守る様な動きをしたかと思うと、一羽の鳥に戻った。

「我が身を隠し守る【千鳥】か!面白い!」


「さて、若菜は何を送ってくる?」

「私もファルバン家に嫁した身で、印は鳥になります。

印は白鳥になりますが【式】となれば、これは如何でしょうか?」

若菜が差し出した指の先に、一羽の白い丸っこい鳥が現れた。

「これは【シマエナガ】ですね!可愛いですね!

でも、『北の魔女』が、この鳥で『ラッパ』を鳴らすと聞きました。それは勘弁して下さいね」

「よく、ご存知で・・・・・ 」

思わず首をすくめた若菜に、『その()()()()()()()を頼みます』と申し付けられ、ますます驚かされた。


その後も、いくつかの話を済ませて【天上書庫】への立ち入りを求める際には【式】を送る事を再度申し渡された。

その後、奥へ戻られた【上】をお見送りして、お付きの方々と話し合い、専用の【転移陣】を館林の屋敷と数カ所に置く事で話が済んだ。


後日、学園の変更申請について、すぐに承認が降り京優学園に隣接した国有地も払い下げられた。

「【上】は、まだ力を有している様じゃの?」

「色々な方々が、お力添えされます。

ただ、いずれ世界に向けて発表をされる際の根回しで、お手数をお掛けするのが心苦しいのです」

「大国の連中が我先に抜け駆けをしようとするじゃろうし、陰陽師の力を隠したこの国を責めるだろうな。そして、その未知の力を欲する。あるいは、滅しようとする。それを、古き大国の力で抑え込む。違うか?」

「そうなります」

「それに、【京都御所】に移られる様だな? やっと【籠】をお出になるか・・・・・」

「・・・・・」


学園には既に、中等部に九鬼友恵と藤田真奈美、高等部に萩月智美[初代:巴様]と立浪 晶を先に編入させている。

中等部と高等部の四人には、長谷山家が設立している鹿児島の私学から男性教員を移し特別コースの責任者にした。

四人でホームルームを受けた後は、一般の生徒に混じって授業を受ける。

真奈美と晶は京都市内の他校からの転校で、色々と情報が漏れて来ている。

どれもが、急に性格が変わったとの噂が駆け回る。

友恵も横須賀から転校して来た。

同じ様に思われている様だ。


智美(巴様)は、周囲の意識を改変してしまった。

以前からこの学園に居たけど、余り記憶に無い。

その方が楽らしい。

この四人は、問題無く馴染んでいった。


そして、いよいよ初等部に転入させる聖地からの子供達がやってくる。

日本で暮らす上での『社会常識』は聖地で身に付けさせているが、細かな不都合を取り繕う為に全員を特別コースに入れた方が良いだろうし、皆が皆、何らかの【能力持ち】だ。

朝から渡してある【魔石】の状態を確認しておく必要がある。

教員資格を持ち教員の経験が有る女性を、二名出して担当にした。

一人は両角寿美の従姉妹にあたり、貴子のことを考えて看護資格を持つ女性をあてる。


人数も増えたので、当面は少女達は館林の館、男子は萩月の寮で暮らす事になる。

五月の連休明けには、館林家の敷地に建設中の寄宿舎も完成しこちらに移る。

白美には当面は女子の生活を見てもらう事にして、男子は一矢 仁が見る事になった。

寄宿舎に移れば仁はお役御免になり、白美に誰か人をつけて見てもらう。


やはり、白美はどの年代でもどうしても怖がれている。

何しろ、智美すら、いかに怒らせないかを常に考えている節がある。


藤田姉妹は、自宅となった萩月のマンションで暮らす。


サランが若菜と篤から、出来の良い娘と息子の記憶を貰って日本での生活や、その気質、生きていく上での処世術を選択して子供達に伝えて教育をしていた。

更に慎一からも同じ様に記憶を貰って、ちょい悪の子供の事も教えておいた。

「何? ・・・・・あなた・・・・・案外ウブだったのね? そりゃ、一条の女に手玉に取られるのも無理は無いわね」

「・・・・・」



古家(ふるや) 純一(じゅんいち) ジュン [10歳]   

記憶師 知識が豊富。

安里(やすさと) 亜美(あみ) アミ  [9歳]

身体強化 熊の獣人の血を引く。 

無手格闘術を習っている。努力家。



※岩屋 脩 (いわや しゅう) シュウ  [10歳]

多才 イバとサランの息子 【転移術】はイバを唸らせる。 

サトリ、 ファルバンの継承者

※東條 桜 (とうじょう さくら) サク [11歳]

サトリ、収納を習得中。サランの一番弟子。

サランに似ている。 本人もかなり意識している。

ジャリムの娘

一矢(ひとつや)桜と名前が被ったが、ルースから貰った日本の絵葉書の桜に愛着を覚えて【桜】にした。



西郷(さいごう) 卓也(たくや) タクト  [11歳]

身体強化、剣士、珍しい【電撃使い】

12歳だが、ダイと同じで11歳で戸籍作成。

タカの兄。長谷山のお気に入り。

長谷山と木場は、医師に進ませるのはこの子と考えている。

安里(やすさと) 美玖(みく) ミク  [11歳]  

身体強化、予知能力、解析力がジュンといい勝負 アミの姉

熊獣人の血が流れている。



五十嵐(いがらし) 亮太(りょうた) リョウ [11歳]

創芸師、傀儡師、機械いじりが好き、剣士。

西郷(さいごう) 貴子(たかこ) タカ  [9歳]

実際に何歳なのかは不明。 

治癒士。本人が病弱なのだが・・・・・



春日(かすが) 大輝(だいき) ダイ [11歳]

実際は12歳 シュウのライバル。パワータイプ。

だが頭は良い。創芸師。

熊獣人の血が流れていて獣化する。

安里(やすさと) 涼子(りょうこ) リョウ [11歳]

ミク、アミの従姉妹。身体強化。

創芸師。獣医師希望。

熊獣人の血統



東條(とうじょう) 和也(かずや)ロキ [9歳]

ジャリムの子 ルースが見込んだ多才の子

聖地ではルクアに預けていたが、あちらこちらに手を出している。

食に対しての異常なまでの執着は、友嗣が送った食事にある。

春日(かすが) 尚美(なおみ)ナオ [9歳]

剣士、無手の使い手アミに感化されて無手をも使う。

ムードメーカー。 ダイの妹。

ただのムードメーカーじゃ無いのは、成長してアミと築き上げる伝説が物語る。

    

    

星里(ほしざと) 光一(こういち)コウ [9歳]

ジュンと同じ記憶師だが、サトリの力も持つ。

対人交渉に優れている。

青山(あおやま) (あお)アオ [9歳]

実はミクとアミの従姉妹。

安里と名をつけていたが、ルクアと話し合う蒼に憧れて名を変えた。

完全に理系の女の子。創芸師ではあるが探求型。

日本名を付けるときに、蒼に直談判。

青山の名を頂き名前のリストから、光一に選ばせて碧にする。

もう、【名変え】済ませちゃったよ。

暴走タイプ?



そして、

岩屋(いわや) 咲耶(さくや)サヤ [9歳]

サランとイバの子。

許嫁を持たずに、日本に転移する事を決めた。

サトリでやはりサランに似ている。


藤田(ふじた) 恋歌(れんか) レン [7歳]

歌姫 サトリ、遠見、

藤田真奈美の妹として戸籍作成。

他の子供達よりも先に青山秋子と一緒に暮らして、日本に馴染む様に生活を開始している。

秋子が不在の際は、タカさんが家で面倒を見ている。

後に萩月のマンションで四人で暮らす。


五十嵐(いがらし) 香澄(かすみ) カイラ 

創芸師。

青い髪の少女。

長身で母親から受け継いだ美貌とプロポーションを持つ。

傀儡使いでもあるが、その独創的な感性で聖地の守りを強化した。

リョウの姉。


西郷(さいごう) 亜里沙(アレタ) アレタ

心理師。サトリの術を学ぶか思案中。

弟と妹が日本への転移第一陣に選出された時には悔しかったが、カイに誘われて一念発起。

特に日本にライラと暮らした経験が、強烈でカイと日本で学びたいと相談した。


香澄、亜里沙は、自分達で日本について学び、篤からも推薦を受け実力試験で中学生の年齢ながら、高校生相当の学力を持っているとわかる。

聖地の子で、このまま中等部に入れても浮いてしまうと高等部に入れる事にした。

認識阻害のペンダントは必須携帯。

何せ、目立つプロポーションの二人で目を引いてしまう。




※岩屋 沙羅(いわや さら) サラン  

友嗣とは離婚したことになっているが岩屋の名を使う。


岩屋(いわや) 美耶(みや) ミーフォー 

日本での戸籍は、友嗣の姉の立場。

岩屋(いわや) 瑠維(るい) ルイ

男子 友嗣の子供の中で一番友嗣に似ている。


揉めたのがルナ

岩屋を名乗りたがったが、流石に友嗣をバツニにする訳には色々と問題が有り

ルースの日系名

ルース・(あずま)・ファルバンを使って

※ルナ・東・ファルバン

※メルカ・東・ファルバン

※イリス・東・ファルバン を名乗る。


メルカとイリスは次年度以降にするが、この二人も許嫁を決める気がない。

周囲がイバとルナの息子と娘と言うことで、引いてしまっている。


館林源蔵 (ルクア)の妻 リーファとその娘達も地球に移住する計画で日々を過ごし始めた。


他にもノアや

ルースの二人の妻

兄達にも戸籍を準備する事になる。

アレの領主だったキヌクとその妻や娘達も、領主としての経験を受け継ぐ為にも、日本で学び復興にあたりたいと思っている。


こうして、京優学園の特別コースが新年度よりスタートする事になった。

初等部

一年

二年 藤田恋歌

三年

四年 東條和也、星里光一、

   安里亜美、西郷貴子、春日尚美、青山 碧、岩屋咲耶

五年 古家純一、岩屋 脩、

六年 西郷卓也、五十嵐亮太、春日大輝

   東條 桜、安里美玖、安里涼子


中等部

一年

二年

三年 検討中: (木場 昴、フィン・ファルバン)


高等部

一年  九鬼友恵、藤田真奈美、五十嵐香澄、南条亜里沙

二年  萩月智美、立浪 晶、

三年



その他、門人達の子女が普通科に入学して来る事になり、急ピッチで寄宿舎が準備される事になり完成までの間、京都市内に長谷山が所有する、ちょっとばかし古いホテルが丸ごと借り上げられた。

全国から集められた萩月一門で、陰陽師としての能力の開花を待つ子女はここで暮らす事になる。


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