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【完結】天ノ恋慕(旧:太陽の少年は月を討つ)  作者: ねこかもめ
第二章:破壊
50/180

2-32.国王からの贈り物

その翌日。


もろもろの準備を終えた二人は、最後に再び王城へ。

二人が不在の間に、宿に手紙が届けられていた為だ。


差出人はニューラグーン国王であり、四班を含めて簡単な送別をしたいとの事である。


前回とは違い、晴れ晴れとした気分で廊下を進む。


「こちらです」


案内人に指示された部屋へ。

取っ手を押して扉を開く。


「ああ、ご足労頂きありがとうございます。どうぞ、こちらへ」


「この度は、大変お世話になりました」


先導のアインズが王の姿を確認して言った。

彼の周囲には見知った顔──四班の面々が立っている。


「お世話になりました。本当に」


「こちらこそ。お二人の功績で、我が国に蔓延する不安や不満は次第に解けるでしょう。本当に、ありがとうございます」


城へ至る道中においても、東に異物は確認できなかった。


「突然お呼び立てして申し訳ない。本日は、お礼をしたく、機会を頂きました」


「お礼なんてそんな」


「いやいや、お二人がニューラグーンの騎士なら、即時昇進させるレベルのお話ですよ」


幾ばくかの言葉を交え、話は本題へ。


「さて、あまりお引き留めも出来ませんでしょうから、早速お礼の品をお渡ししますよ」


「すみません」


入ったばかりの部屋を出て、城の裏口から外へ。

手入れされた芝生の庭が広がっている。


「こちらを、お二人に贈らせてください」


「こ、こんな立派なものを?」


「すごい……」


王が示したのは、ニューラグーンの紋章が刻まれた馬車の座席車一台であった。

ブライトヒルの物に引けを取らない絢爛な逸品である。


「お役に立てましたら、何よりです」


──ちょうど良かった


同行者が一人増える予定の二人にとって、これほどマッチした贈り物は無い。

危うく、野宿の際に床か地面で寝る除け者が生まれるところであった。


「よし、これで引けるっすよ」


ブライトヒルの馬車に牽引させる形で接続が完了。

見送りを兼ねて作業を手伝った四班に、再三の礼を言う。


「何から何までありがとうございます」


「いえいえ〜、お気になさらず」


「……では、また会いましょう」


「そうですね」


「ええ、ぜひ」


「アインズさん、今度食事に──」


「では、これにて失礼します」


「とほほ……」


「またね、ユウキ君」


「はい、ユリアさん。また」


各々手を振るなど、別れの挨拶を交わした。


アインズが馬を走らせる。


馬車はゆっくりと動き出し、王や四班の面々が遠くなってゆく。

別れを惜しむような彼らの表情に、ユウキは温かさを感じた。


初対面とは違う、確かな信頼が感じられたのであった。




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