〜始まり1〜
初投稿です。誤字脱字報告、感想は随時お待ちしてます!
「お母さん!お母さん!お母さんとお父さんはどうやって出会ったの?」
台所で夜ご飯の準備をしていると、今年の春中学生になったばかりの娘にそう聞かれた。
「なんでいきなり、そんなこと聞くの?」
と娘に尋ねてみた。すると娘は
「圭くんのお母さんに聞いてみなって言われた!」
と答えた。やはり娘も年頃の女の子。そういう話は大好物なのだろう。しかしわたしは
「恥ずかしいからやだよー」
と言った。しかし娘は
「お願い!お小遣い2ヶ月なくていいから!」
と言ってきた。
そう言われたら観念するしかないと諦め、
「しょーがないなぁ。あれはね…」
わたしは高校生の時を思い出しながら話しはじめた。
高校生1年生の時のわたしはとにかく平凡で、あのアイドルがカッコいいだの、ひとの恋バナが大好きな一般的な女の子だった。奇妙な幼馴染がいることを除いて。
「綾ちゃん、俺と付き合って!」
わたしの幼馴染の傑は、小さい頃から毎日のようにわたしに告白してくる。累計1万回は余裕で超えてるだろう。告白してくれることは嬉しいのだが、わたしはどうしてもその幼馴染を異性として見れなかった。
高校に入ってはじめての夏休みを終え、2学期最初の登校日、わたしはいつも通り傑を迎えに行き、
「綾ちゃん。俺と付き合う気になった?」
「今日も傑は元気だね。」
といつものように傑の告白を躱し、いつものように登校した。
教室に入ると、
「綾香、おっはよう〜!」
と人一倍明るい親友の麻弥の声が聞こえた。
「いつも通りあんた達はラブラブだねー」
「もうっ!そんなんじゃないってば!」
といつも通り親友に揶揄われた。
麻弥と雑談していると、1時間目のチャイムが鳴り、ホームルームが始まった。
わたし達が通っている高校は1学期と2学期と3学期に分かれており、それぞれの学期でクラスの役割を変えることになっていた。そして今日の最終授業の時間がそれ決める時間だった。
そしてその時間になると学級委員などはすんなり決まった。しかし2学期だけある特別な役割の学祭実行委員だけが決まらなかった。なんて言ったって学祭実行委員はとても忙しい、だからだれもやりたくないのは明白だろう。
時間だけが過ぎていたその時、
「じゃあ、立候補がないならくじで決めようか!」
担任は突然そういうと、どこから持ってきたのかビンゴで使われるガラガラを持ってきた。
「いまから、このビンゴで出た出席番号のやつが学祭実行委員な」
この学校の出席番号は男女混合になっており、わたしは浅倉なので、出席番号は1番だった。わたしは1番が出ないことを必死に神に祈っていた。しかし神は無常だった。
ガラガラ、ポン!
「えーと、まず1人目は1番!1番は、浅倉か!よろしくな!」
わたしの日頃の行いが悪いのか見事当選してしまった。そしてすぐに2人目の抽選が始まった。
ガラガラ、ポン!
「えーと、2人目は〜16番!おー、田宮か。田宮よろしくな!」
その名前を聞いた瞬間わたしは頭の中で神に土下座しながら感謝した。なぜなら、学年一のイケメンの田宮悠岐くんと同じ役員にしてくれたからだ!
初投稿です。誤字脱字報告、感想は随時お待ちしてます!若干の謎解き要素があります!物語を通して父親がだれなのか予想してみてください!