第1章 0話 人生の始まり
「っっっっ…!」
謎にぐっすりと眠っていた感じと、
ベッドがだいぶ高級そうになっていること、
そして、体がだいぶ小さくなったことが感じられる。
(俺ってこんな小さかったか…?)
身体の大きさは昨日までの3分の1。
少し柔らかくなっているこのベッドと枕。
…何かが……おかしい…
「あっ、起きたんだ〜!おはよう逢来君!」
ん? 今、逢来君って言わなかったか?
って、えええええええ!!!!!!!!
お、俺、赤ちゃんになってる〜!?
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(嘘だろ、おいっ……!
昨日まで21歳の大学生だったじゃねえか!
何やってんだよおい!
けどどうにも出来ねえ!)
「も〜、なにしてるの逢来君。何かあった?」
この世界での母親(仮)はそこら辺の芸能人にも勝るのではないかというほどの美人だ
どうしたらいいんだ!この状況!このまま普通に喋ったら、変な子扱いされてしまう!
「えへへへへへ」
(とりあえず、笑っときゃなんとかなるだろ。)
「今日はお父さんの職場までお散歩するからね〜」
(え、お父さん?)
「じゃあ、いこっか!」
そうして逢来が連れてこられたのは、帝城大学医学部附属病院。
(俺が行きたかったとこじゃねえかあああ!)
院長室に入るとイケメンで、かつ威厳のある、theお父さんな人がいた。
「なにをしにきた。」
(え、まさかのこの人が俺の親父?)
「も〜。別にきたっていいじゃない。院長せんせ。
母親(仮)がそっと微笑むと、向こうも照れたのか
「そ、その呼び方はやめろっ。」
と、パソコンに向かった。
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ここでこの世界の状況整理とするか。
・この世界の父親は帝城大学附属病院の院長、母親は、看護師。
また夫婦共同で、医療サービスの提供をする会社を経営している。
・転生前の記憶、学力などは健在
・今住んでるのは東京都港区のタワマンの最上階。
ということだ。
一番のハンデは学力…か…
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逢来はすくすくと成長し、小学生へとなった。
入学時に、
「逢来君、中学校受験しない?逢来君だったらどんな中学校にも行けるよ?」
そりゃそうだ。前世の記憶が残ってるから、大学受験並みの学力を6歳にして持っているからな。
「お母さん、いろんな中学校のパンフレットもらってきたんだ。」
そういって10校ほどの国私立中のパンフレットが出された
「海聖学園中は日本で一番賢い子が集まる中学校なんだって。他にも、東京学院大学附属中学校とか、いろんなとこがあるんだけど…」
逢来は意を決した。リベンジすると。
「海聖学園中がいい!」
そう答えるとともに、過去の苦しさが蘇っていた。
ここからが、俺の本当の人生の始まりなんだ!