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私は、あの時の約束を叶えたい!

作者: 七瀬





___私がまだ5歳だった時に、親戚のお兄ちゃんと約束した事が

あったの!



 それはね! 私は凄くお兄ちゃんの事が好きだったの!

お兄ちゃんも、私の事を凄く可愛がってくれていたわ!


『___ねえねえ、お兄ちゃん!』

『___ううん? どうしたの? みこちゃん?』

『私ね! 大きくなったら! “お兄ちゃんのお嫁さんになりたい!”』

『・・・えぇ!? みこちゃんは、僕のお嫁さんになりたいの?』

『うん!』

『じゃあ、みこちゃんが大きくなったら、僕と結婚しようか!』

『わーい! みこ、嬉しい!!!』




___私は、子供ながらに真剣だったわ!

本気で、お兄ちゃんと大人になったら? 結婚したいと思っていたからよ!








___あれから、20年が経ったわ!

私は、ずっとお兄ちゃんへの想いが何一つ変わらなかったの!




・・・だけど?

あの時のお兄ちゃんの歳は、、、?

既に今の私と、ほとんど変わらないぐらいの歳だったわ!

今なら、40歳を超えていると思うの、、、。




 それでも、私はお兄ちゃんに会いたい!

お父さんに聞いたら? まだ、お兄ちゃんは“独身”と聞いているし!


 まあ、結婚はしていたんだけど、、、?

奥さんと上手くいかなくなって、離婚したらしいの!


 それにね? その元奥さんとの間に、一人娘がいるとも聞いているわ!

今は、4歳か? 5歳ぐらいなんだって! 

まだ、私はその子に会った事もないんだけど、、、?

その頃の、私を思い出すわ!

 







___私が、まだ子供の頃は、、、?

親戚同士でよく集まっていたの! そこには、いつもお兄ちゃんがいたわ!



・・・だけど?

私が小学校の高学年ぐらいになると、、、?

お兄ちゃんと会えなくなったの!



親戚同士の集まりに、お兄ちゃんを見ることがなくなったのよ!

その頃、、、お兄ちゃんは彼女がデキてこの集まり来なくなったの!








___そして、あれから始めてお兄ちゃんと会う機会ができたのよ!



・・・だけど?

最悪な形でね! 私のお父さんが病気で急に亡くなってしまったから...。

お通夜で、親戚一同が集まったの!



 1人、泣いている私にお兄ちゃんが優しく話しかけてくれたわ!


『___みこちゃん? 大丈夫?』

『・・・お兄ちゃん? お兄ちゃんなの?』

『あぁ、凄く老けたけどな~! みこちゃんは、凄い綺麗になったね!』

『お兄ちゃん! 会いたかったよ!』



___私は、あまりにも嬉しくてお兄ちゃんに抱き着いてしまったわ!


『いろいろ大変だったね! おじさん、以前から病気だったの、、、? 

ごめんね! お見舞いにも行けなくて、、、。』

『・・・ううん、いいの。』

『___今は、前の嫁とは別れてね! 娘と二人暮らしなんだよ!』

『・・・あぁ、そうなんだ!』

『___みこちゃん、元気出して! 良かったら? 今度、遊びにおいで!』

『___えぇ!?』

『みこちゃんが会いに来てくれたら! 娘も喜ぶよ~!』

『うん。』






___私は、早速! お兄ちゃんの娘に会いに行く事にしたわ!

娘ちゃんにも、私の事を気に入ってもらって! 私はお兄ちゃんとの

約束を果たそうと思っているのよ!


【ピンポン】


『___はーい! どなたですか?』

『あぁ! 風羽ちゃん? お姉ちゃんはお兄ちゃんの親戚の、、、。』

『知ってるよ~さあ~入って! パパ、お姉ちゃんが遊びに来てくれたよ~!』

『___おーう! いらっしゃい!』

『・・・ううん。』




___お兄ちゃんの娘は、明るくて元気で人懐っこい、凄くいい子だったわ!

 それに、お兄ちゃんと顔がよく似ているの!



 お兄ちゃんが、女の子だったら? 風羽ちゃんみたいな感じになるんだろう

と直ぐに、そう思ったわ!



 風羽ちゃんは、私がお兄ちゃんの事を好きなんじゃないかと思ってたらしいの!


『___ねえねえ、お姉ちゃん? お姉ちゃんはパパの事、どう想うの?』

『・・・えぇ!?』

『___もし、好きなら? パパと結婚していいよ!』

『・・・風羽ちゃん?』

『わたし! お姉ちゃんの事、好きになったの~! パパを幸せにしてあげて!』

『・・・えぇ!? でも?』

『___お姉ちゃんが、新しいママになったら? 風羽! 嬉しいなぁ~!』




___風羽ちゃんは、私と初めて会った時に、そんなことを言ってくれたの!

どこか? 私に似ている風羽ちゃんの事を私も直ぐに好きになったわ!







___それからというモノ。

毎日のように、、、! 私は風羽ちゃんに会いにくという口実でお兄ちゃん

の家に行っていたの!




___そして遂に! 私はあの時の“約束”の話をお兄ちゃんにしたのよ!


『___ねえ、お兄ちゃん? 覚えてる? 私との約束!』

『・・・えぇ!? 約束?』

『そだよね? 忘れてるよね? 私がお兄ちゃんのお嫁さんになる

って約束よ!』

『___ううん、もちろん、覚えているよ! でも? みこちゃんが覚えてる

とは思ってもみなかったよ!』

『___あの時から、私のお兄ちゃんへの気持ちはなんにも変わってない

んだよ!』

『・・・20年も経つのに、、、? みこちゃんは凄いな~』

『___だから、改めて! お兄ちゃん! 私と結婚してください!』

『うん! いいよ!』

『___ありがとう。』





___私は、あの時のお兄ちゃんとの約束を果たしたわ!

今はね? お兄ちゃんと私の愛する娘! 風羽ちゃんと3人で仲良く

暮らしているの!


 結婚式は、挙げずに、、、。

三人だけの、式を挙げたわ!


 これからは、二人が私の大切な家族。

ずっと、想い続けた想いが20年後に叶ったの!


 夢は、持ち続けていれば必ず叶うモノなのね!

幸せとは? “今” なのかもしれないとつくづく思ったのよ!



最後までお読みいただきありがとうございます。

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