私は、あの時の約束を叶えたい!
___私がまだ5歳だった時に、親戚のお兄ちゃんと約束した事が
あったの!
それはね! 私は凄くお兄ちゃんの事が好きだったの!
お兄ちゃんも、私の事を凄く可愛がってくれていたわ!
『___ねえねえ、お兄ちゃん!』
『___ううん? どうしたの? みこちゃん?』
『私ね! 大きくなったら! “お兄ちゃんのお嫁さんになりたい!”』
『・・・えぇ!? みこちゃんは、僕のお嫁さんになりたいの?』
『うん!』
『じゃあ、みこちゃんが大きくなったら、僕と結婚しようか!』
『わーい! みこ、嬉しい!!!』
___私は、子供ながらに真剣だったわ!
本気で、お兄ちゃんと大人になったら? 結婚したいと思っていたからよ!
▼
___あれから、20年が経ったわ!
私は、ずっとお兄ちゃんへの想いが何一つ変わらなかったの!
・・・だけど?
あの時のお兄ちゃんの歳は、、、?
既に今の私と、ほとんど変わらないぐらいの歳だったわ!
今なら、40歳を超えていると思うの、、、。
それでも、私はお兄ちゃんに会いたい!
お父さんに聞いたら? まだ、お兄ちゃんは“独身”と聞いているし!
まあ、結婚はしていたんだけど、、、?
奥さんと上手くいかなくなって、離婚したらしいの!
それにね? その元奥さんとの間に、一人娘がいるとも聞いているわ!
今は、4歳か? 5歳ぐらいなんだって!
まだ、私はその子に会った事もないんだけど、、、?
その頃の、私を思い出すわ!
*
___私が、まだ子供の頃は、、、?
親戚同士でよく集まっていたの! そこには、いつもお兄ちゃんがいたわ!
・・・だけど?
私が小学校の高学年ぐらいになると、、、?
お兄ちゃんと会えなくなったの!
親戚同士の集まりに、お兄ちゃんを見ることがなくなったのよ!
その頃、、、お兄ちゃんは彼女がデキてこの集まり来なくなったの!
*
___そして、あれから始めてお兄ちゃんと会う機会ができたのよ!
・・・だけど?
最悪な形でね! 私のお父さんが病気で急に亡くなってしまったから...。
お通夜で、親戚一同が集まったの!
1人、泣いている私にお兄ちゃんが優しく話しかけてくれたわ!
『___みこちゃん? 大丈夫?』
『・・・お兄ちゃん? お兄ちゃんなの?』
『あぁ、凄く老けたけどな~! みこちゃんは、凄い綺麗になったね!』
『お兄ちゃん! 会いたかったよ!』
___私は、あまりにも嬉しくてお兄ちゃんに抱き着いてしまったわ!
『いろいろ大変だったね! おじさん、以前から病気だったの、、、?
ごめんね! お見舞いにも行けなくて、、、。』
『・・・ううん、いいの。』
『___今は、前の嫁とは別れてね! 娘と二人暮らしなんだよ!』
『・・・あぁ、そうなんだ!』
『___みこちゃん、元気出して! 良かったら? 今度、遊びにおいで!』
『___えぇ!?』
『みこちゃんが会いに来てくれたら! 娘も喜ぶよ~!』
『うん。』
___私は、早速! お兄ちゃんの娘に会いに行く事にしたわ!
娘ちゃんにも、私の事を気に入ってもらって! 私はお兄ちゃんとの
約束を果たそうと思っているのよ!
【ピンポン】
『___はーい! どなたですか?』
『あぁ! 風羽ちゃん? お姉ちゃんはお兄ちゃんの親戚の、、、。』
『知ってるよ~さあ~入って! パパ、お姉ちゃんが遊びに来てくれたよ~!』
『___おーう! いらっしゃい!』
『・・・ううん。』
___お兄ちゃんの娘は、明るくて元気で人懐っこい、凄くいい子だったわ!
それに、お兄ちゃんと顔がよく似ているの!
お兄ちゃんが、女の子だったら? 風羽ちゃんみたいな感じになるんだろう
と直ぐに、そう思ったわ!
風羽ちゃんは、私がお兄ちゃんの事を好きなんじゃないかと思ってたらしいの!
『___ねえねえ、お姉ちゃん? お姉ちゃんはパパの事、どう想うの?』
『・・・えぇ!?』
『___もし、好きなら? パパと結婚していいよ!』
『・・・風羽ちゃん?』
『わたし! お姉ちゃんの事、好きになったの~! パパを幸せにしてあげて!』
『・・・えぇ!? でも?』
『___お姉ちゃんが、新しいママになったら? 風羽! 嬉しいなぁ~!』
___風羽ちゃんは、私と初めて会った時に、そんなことを言ってくれたの!
どこか? 私に似ている風羽ちゃんの事を私も直ぐに好きになったわ!
*
___それからというモノ。
毎日のように、、、! 私は風羽ちゃんに会いにくという口実でお兄ちゃん
の家に行っていたの!
___そして遂に! 私はあの時の“約束”の話をお兄ちゃんにしたのよ!
『___ねえ、お兄ちゃん? 覚えてる? 私との約束!』
『・・・えぇ!? 約束?』
『そだよね? 忘れてるよね? 私がお兄ちゃんのお嫁さんになる
って約束よ!』
『___ううん、もちろん、覚えているよ! でも? みこちゃんが覚えてる
とは思ってもみなかったよ!』
『___あの時から、私のお兄ちゃんへの気持ちはなんにも変わってない
んだよ!』
『・・・20年も経つのに、、、? みこちゃんは凄いな~』
『___だから、改めて! お兄ちゃん! 私と結婚してください!』
『うん! いいよ!』
『___ありがとう。』
___私は、あの時のお兄ちゃんとの約束を果たしたわ!
今はね? お兄ちゃんと私の愛する娘! 風羽ちゃんと3人で仲良く
暮らしているの!
結婚式は、挙げずに、、、。
三人だけの、式を挙げたわ!
これからは、二人が私の大切な家族。
ずっと、想い続けた想いが20年後に叶ったの!
夢は、持ち続けていれば必ず叶うモノなのね!
幸せとは? “今” なのかもしれないとつくづく思ったのよ!
最後までお読みいただきありがとうございます。