表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

第一話「急展開は突然に」

いつも通りの時間にいつも通りの格好でいつも通りの道をいつも通り登校する。高校一年生……「華の」とついてもおかしくないが、現在の時刻である六時三一分、高校の制服であろうブレザー姿で住宅街を歩いている少年、唐須風斗からすふうとにとって、約二ヶ月の間毎朝つくられる現在の状況はもう「いつも通り」と化していた。

だが、今日はいつもとは違う事は二点あった。一つ目は、「いつもは六時間取っている睡眠を取っていない」という事だ。これはまだいい。滅多にしないが、風斗も徹夜くらいした事はある。とはいっても、勉強のためなどではない。読書とテレビ視聴だ。内容は……今は置いておこう。そして二つ目は……

ーーおい風斗、なんで止まっているんだ?

「横断歩道だよ。カゲデイであっただろ?今あそこにいたらトラックに轢かれるぞ」

自分の脳から直接響く声に、風斗は落ち着いて答えた。この状況を見られたら良くて独り言、最悪不審者だと思われてしまうだろう。だが風斗は不審者でも中二病でもない。正確には、中二病だった時期もあった。しかし、その事に気がつかないまま……「恋がしたい」とも思わないまま中二病を卒業したのだ。

結論から言うと……風斗の身体には神が宿っている。別に「頭の中の友達」みたいな架空の存在ではない。本当に存在する「神」なのだ。

ーートラックなどこの儂「オーディン」の力で吹き飛ばせばいいじゃないか。折角オタクで落ちこぼれなお前を融合者にして力をやったんだ。有効活用しようとは思わんのか?

「神」がまた風斗に話しかける。今の言葉でわかるように……「神」は北欧神話の最高神である風神「オーディン」だ。そしてその依り代……オーディンの言う「融合者」である風斗がオタクかつ落ちこぼれで、オーディンによって力を与えられた事もわかる。

ーー融合者だとバレたら大変って言ったのはあんたじゃないか。それに昨日の話では力は温存するって聞いたぞ。というか昨日の夕方に融合したばっかりなんだからまだ使えないだろ。

そう、風斗がオーディンの融合者となったのは、昨日なのだ。昨日…六月の第二水曜日、二人……いや、一人と一神は出会った。そしてなんやかんやあり、なんやかんや家に侵入し、なんやかんや話した後、なんやかんや風斗はオーディンの融合者となった。その後もなんやかんやあり寝ずに過ごし、なんやかんや今に至る。

風斗とオーディンの会話を「なんやかんや」と称したが、本当に「なんやかんや」である。

オーディンの今までのざっくりとした経緯、北欧神話の知識、融合者の必要性、融合者になるメリット、メリットとなる「力」について、そして風斗を選んだ理由と目的。これらについて昨日話し合った。詳しい内容は……今は置いておこう。

横断歩道がいつの間にか青になっている事に気づくと、風斗は慌てて足を前に出した。その刹那……轟音とともにトラックが突っ込んできた。

急展開だが、ありえない話ではない。朝なのだから、眠気を感じている人も多くいるだろう。風斗もその中の一人だ。だから居眠り運転がいるのも仕方ない……が、人とトラックが激突したらどうなるかなど明白だ。生憎風斗は加速できるコマンドも使えないし、瞬間移動もできない。つまり風斗には……逃げ出す方法など、無かった。そしてトラックは風斗の身体に突っ込んでいった……。



用語解説②〜オーディン〜


オーディンとは……

北欧神話の主神かつ最高神かつ風神かつ戦神かつ……とりあえず凄い神。

知恵を身につける為に左眼を失ったり、文字を知る為に首を吊ったり、違う意味でも凄い神。

ここからは自己解釈になるが、かなりの効率厨でもあると考えられる。その証拠に戦死した兵士を蘇らせ戦争ラグナロクに備えて使いまわしたり、変身能力を駆使して人の酒を飲んだりした。

嫁はフレイヤ(フリッグ)だが、不倫しまくった結果、息子がたくさんいた。けどフレイヤも愛人がいたからお互い様だよね☆

オーディーン、オージン、ヴォーダンなど様々な名前があるが、ここではオーディンに統一します。


詳しくはウ◯キを参照。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ