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村に

「帰ってこれた……」


 洞窟で死を覚悟して、魔獣が壁に消えてから命を拾ったと安心していたが、やはり道中気が気でなかった。こうして村の入り口を見るまでは木のざわめきがいつもより怖かったように思う。いつかあの魔獣も相手にできるようにならなければと思うが、今は無理だ。ただで殺されるつもりはないが僕は戦士ではないから……。

 安心したからか、疲れを自覚する。自然と歩みも遅くなる。だが、ここまでくれば大丈夫だろう。村の周りにある魔獣避けの花が間近だし、入り口にいる見張りの兵士も視認できる距離にいる。もし襲われてもリュックを盾にすれば助けが間に合う距離だ。ゆっくりとだが着実に入り口に近づく。


「よぅ、帰ってきたか、もう魔獣が出る頃だから心配したんだぞ」


 見張りをしているコンラッドさんがにこやかに話しかけてくる。そんなことも帰ってきた実感を高めてくれる。


「あはは、つい身が入りすぎちゃいまして……気になるところはあったんですけど時間を見て引き上げてきたんですよ」


 頭をかいて没頭していたことを恥じる。僕は大抵いつも気になることがあると他の事を忘れてしまう。そのせいで危険な目にもあった以上どうにかしたいとは思うんだけど、変えられる自信はない。

 にこやかに対応してくれたコンラッドさんに、洞窟でのことを話そうか迷う。もしかしたら魔獣の動き方に変化が起きてるのかもしれない。あの固体だけが特別なのかもしれないが、注意をするに越したことはないだろう。ただ、なんとなく、あの魔獣は他と違う気がする。これこそ気のせいかもしれないし、馬鹿な選択かもしれないけど、もう少しだけ洞窟の調査をしてから伝えようという気持ちがある。

(無闇に騒ぎを起こすわけにもいかないしな……)

 この村は魔獣避けの花と木製の柵で外敵を排している。正直、花が効かない魔獣が現れれば気の柵なんて大した時間稼ぎにもならないと思う。今まで襲われてないからこそここの人達は暮らしていられるだけで、異質な魔獣が現れたなんて事になれば極度の緊張状態になるのは容易に想像できる。


「もうそろそろこの村を出て行くって聞いたんだが、本当なのか?」


「そうですね。今探索している洞窟の調査が終わればそろそろ他の場所に移ろうと考えています」


 この村にはもう3ヶ月ほどお世話になっている。遺器を探す旅の道中によった訳だが、今迄で一番長居していると思う。遺器の在り処なんて、噂は眉唾物だし、魔獣の多さや魔素溜まり、不自然な天候や人が行きづらい場所など、「何かがおかしい・何かあるかもしれない」というただそれだけの推測に期待して探すものだ。同業者には、無さそうでも探索する者や、すぐに他の場所に移る者がいる。僕はどちらかというとじっくり探してみるタイプで、ここの人達ともそれなりに打ち解けたと思う。


「そうか、寂しくなるな……こんな村だしあまり外から人が来ることはなくてな……あんたなら定住してくれても歓迎するんだが」


「ありがとうございます。そう言ってもらえるのは嬉しいんですけど、故郷に帰る約束をした人がいるのでここで旅を止めるわけにはいかないんですよ。ただ、ここは良い所だと、故郷に土産話を持って帰ろうと思います」


「はっはっは、そうか、引き止めるようなことを言ってすまんな。婚約者がいるってんなら仕方ないな」


「なっ、あいつはそんなんじゃないですよ!婚約とかそういうんじゃないです!」


 確かに待たせている人に一応は女性に分類される奴もいるが……ただの幼馴染の腐れ縁であって婚約者なんかでは……。


「はっはっは、あんたのその反応は珍しいな!しかし、そうかそうか、やっぱり待たせてるのは女だったか、だったら早く帰ってやらないとな。早く休んでさっさと調査を終わらせなよ」


 くっ、不意打ちにやられて誘導に引っかかってしまったか……別にあいつのために帰るわけじゃないんだが……今違うと言っても余計笑われるだけだろう。よほど僕の反応が面白かったのだろうけど、背中を叩いてくるのはやめて欲しい。これ以上刺激するわけにはいかない。


「では、僕はもうそろそろ村長の家に向かいますね」


 今は村長の家に泊めてもらっている。あぁ、今日はいつもより遅くなったからまたミリーに怒られるんだろうな……。家に入れてくれるかな……。


「おう、引き止めてすまんかったな。おつかれさん」


「コンラッドさんも、見張りお疲れ様です。では、また明日」


「おう」


 適当な挨拶を交わして、村の中心にある村長の家に向かう。

 コンラッドさんと話をしたからか、幾分疲れがマシになった気がする。迎えられるっていうのは安心するものだなと思う。

 さて、村長にだけ魔獣の事を伝えておくのもいいかもしれないが、どうしようか……。それと、僕、今日寝られるのかな……。

 怒ったミリーの事を考えると、さっきまでとは違う理由で足が重かった。

さてさて、約一年ほっといた小説もどきに続きを書いてみました。

プロットなんてなくて行き当たりばったりでかいてます。というか、主人公より先に名前が出る兵士って……。

人物の外見や村などの外観を書かないのは、私の実力不足です。

どうもいきなり説明が入るのって不自然な気がするんですけど、会話中などで出すのも説明キャラになりがちで不自然な気がするという、おそらく小説を書いてる人の誰しもが通る道で躓いています。

まぁ、次は主人公のことを知っているミリーという人物がでてくるので、そこである程度明かせればと思います。

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