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英雄の条件  作者: TomSmith
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私はどちらかというと犬派です

 放課後。

「で、どうすんだよ。なんか当てでもあるのか?」

「そうねぇ…。とりあえず、あんた服を脱ぎなさい。それからこれもつけてもらうわよ」

 と、姫川が取り出したのはとげの付いた黒革の首輪とリード…。

「俺、お前がそんな趣味があるなんて思わなかったぞ。見損なった」

「べ、別にそういうのじゃないわよ!!この変態!!狼化して犬のふりをしてもらうだけよ!!」

「なるほど。でもなんで俺が犬になる必要があるんだ?別に人のままでいいだろ?一応毛だらけとはいえ恥ずかしいものは恥ずかしいんだぞ?」

「うるさいわね。バカ犬は私のいうことに従っていればいいのよ」


 そんなこんなで街へ繰り出すことになった。

 狼化を限界まで高めているので姿は完全に狼だがしゃべることができない。そして皮の首輪とリードのせいで姫川に逆らうことができない。くそ。こんなみじめな目に合わされるとは。しかも問題なのは…。

「あれ桃花ちゃんじゃない?」

「ほんとだ!!桃花ちゃんが犬連れて散歩してる!!さ、サインください!!」

「いいわよ、はい、これ。頑張ってね」

「は、はいっ!!ありがとうございます!!」

「うお、あれ姫川桃花じゃね?」

 とこのように彼女は人を寄せ集めてしまうほどの有名人だということである。多くの人に全裸をさらされるこの感覚。あぁ、早く終われ。

「このわんこかわいいですね!!名前なんて言うんですか?」

「ヒデ、っていうのよ。ちょっとある事件を調べるためにちょっと知り合いから借りているの」

「触ってもいいですか!?」

「えぇ、ヒデも喜ぶはずよ」

 何言っているんだこの女は。喉元触られてもうれしくなんか…なにこれ、結構気持ちいい。うわ、頭撫でてもらうのすっごくいい。なんかもう幸せだなぁ。

 俺は無意識のうちに地面に腹を見せて寝転がっていた。…いけないいけない。何やってるんだ俺は。

「今日はなぜこのあたりに来たんですか?ヒデくんの散歩?」

「最近ヒーロー狩りって多いでしょ?さっき言ってたとある事件というのはヒーロー狩りの事ね。で、それについて実際に襲われた人がいないか探してるの。見つけたらいろいろと聞かせてもらうつもりでね」

「あ、なら私の友人でヒーローやってるやつがこの前襲われたとかなんとか」

「本当?じゃあ、その子に詳しくお話を聞かせてもらいたいからその子の都合のいい時を教えてくれないかしら?」

「はい。彼女にあなたに直接電話をかけさせたいので連絡先教えてもらえませんか?」

「お安い御用よ。はい、これね」

「ありがとうございます!彼女あなたの大ファンなのできっと喜ぶと思います」

「そう、じゃあそのこによろしく伝えておいてね。行くわよ、ヒデ」

 俺はリードを引っ張られて無理やり姫川の後について行った。おそらく、その子と会うときにも俺は連れ出され犯人の匂いをかがされるのだろう。狼の嗅覚は鋭い。なかなか頭が回るもんだなとか思いつつ俺は町中を歩いて行った。

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