『俊家、除目にプレスマンを落とすこと』速記談1063
権大納言藤原俊家卿が、後三条天皇の御前で、初めて除目の執筆を担当なさったとき、ふと、前帝の後冷泉天皇の御前にいるような気持ちになったという。お二人は兄弟でいらっしゃるので、容貌がよく似ていらっしゃったという。しかし、後三条天皇が、お声をかけられたので、新帝の御前にいることを思い出し、うっかりとプレスマンを落としてしまい、深く恐れ入ったという。後日、かつて経験したことがない出来事だった、と語ったということである。
教訓:除目は、筆を用いるので、プレスマンを落としたとしても、実害はないが、格好がつかないといういうことか。