ロボとスマホと異世界と世界線?
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世界はいま、科学技術の壁にぶつかっている。
宇宙に手を伸ばしてはその場で足踏みし、核融合を求めては実用化はまだ遠い。
量子コンピューターを開発しては、その計算力は現在のPCに劣る。
重力・反重力・未来予測・臓器再生・人間と同等の人工知能・・・
多くの人間・多くの若者が夢見た未来の科学、それが後1歩の所で足踏みしているのが現状の科学技術だ。
だがそれよりも先、未来の先にある本物の未来科学はある。
それに指先を伸ばす者、それこそは本物の[天才]
電信を広め世界に通信システムを目覚めさせたベル、蒸気で機械を動かした者ジェームス・ワット
そして電気演算を創り上げた者、彼らは人類史における技術の特異点だ。
卵が先かニワトリが先か、その答えに『未来から来たニワトリが卵を産み落として帰って行った』など本来はあり得ない答えだが。
「今の世界に連続性を失った未来人が、自分達の世界の消滅を避ける為にドラを送り込んだ。
そう考えた時、ノビはある時ある瞬間に目覚める[晩成型の天才]
そう未来の科学が分析した結果、世界で唯一選ばれた者だとすれば。
ノビの基本スペックにも納得出来る」
?「ノビって勉強もスポーツも出来ない・顔も人並みでドラが居なければただの役立たずで、ジャイが野球に誘ってもヘマばかりする能力は平均値以下だって・・・」
たしかそんなイメージだよ。
「・・・一見はな。
ただ[一瞬で眠れる能力]・[射撃の腕]・そして[あやとりの技術]などもある。
一瞬で眠れると言う事は、素早く脳を休ませる能力で才能だ。
優れた兵隊には休む才能・身体を休ませる能力が不可欠。
酷使した脳を休ませる才能は研究者に必要とされる能力の一つだろう、ましてや現在存在しない未来の道具を一生かけて再生させようって研究者になる男ならな」
・・・・・・・
「世界戦争になっても生き抜く事の出来る銃の腕、手先の器用さもある。
そのうえ初対面の人間・動物に嫌われないコミュニケイション能力もある。
未来では会社を興したという記述も残っているんだ。
これがただの無能な人間の子供がもつ能力か?」
そんなノビが家族であり友達・・親友を目覚めさせる為に一生を賭ける。
そして勉強と研究と没頭の末にドラを目覚めさせる。
それまでに培われ、積み上げられた理論と研究の成果は未来の科学の欠片だ。
ノビが眠りに着き、・ドラが未来に帰っても、残された未来科学の欠片がドラの居た未来に続く光明となるだろう。
・・・・・・・ヤバいな、藤子神はそこまで人の未来を考えていた?
『人が思い・考え・夢見た事は未来で現実になる』そう誰かが言った。
そして『極限まで発達した科学は魔法と大差ない』とも言う。
時間移動みたいな事が可能な未来、彼らは今の科学の進歩を懸念し、計画を練ったとしたら。。。。
「まて契約者、ネットの考察情報に欺されるな。
この・・・人型が言っているのはただの都市伝説に過ぎない」
情報とは楽しそうなテーマパークであり危険な罠であり、麻薬のような快楽と依存を与える形も無く見えない猛毒。
真偽を見抜く事が出来ない者がそこに入れば、簡単に欺され・依存して身を滅ぼす可能性があるらしい。
「契約者よ、詐欺師とは全くの嘘は付かず、本物らしい言葉の中に薄めた嘘を混ぜ、権威者・聖職者・教師・見識者・友人・恋人のような顔で話す」
・・・「おっ、うす」
ip850の言葉は、その渋い声も含めてシンイチの頭を切り換えさせる。
「ただの都市伝説、そうであればいいのだがな。
オレはただモンスターキングに命令された事をやるだけだ、怒らせると怖いからな」
愉快痛快モンスターくんはモンスターランドのプリンスだった、彼は一時期日本に居を構えて友達もいたらしい。
怪・・モンスターランドに戻りキングの座に着いた後も日本の事を思い出し、色々と観ていたらしい。
プリンスだった頃の親友、彼が老衰しその子供や孫の時代になっても日本を見守っていた。
そんな時、ある噂がキングの耳に届く。
『[地球破壊爆弾]が未来のロボットの手によって持ち込まれた』
『そのロボはマウスを退治するためだけに、ソレを取り出した事がある』らしい。
壊れた機械が自分の思い出の地を破壊するかも知れない、そう考えたモンスターキングが一番暇そうにしていたベルを呼び出した。
『お前暇だろ?ちょっと調べて来い、もし事実なら地球破壊爆弾を破壊してこい。
いいな?命令だぞ』
という感じでモンスターランドからやって来たベル。
解った事は機械の名前はドラ・未来から来たらしい、そして青くて猫型?のロボが収納しているらしい。
「あの方が怒るとな、念力でピキピキされてドカン!なんだよ!!
たちまちおつむ[頭]が大噴火なんだぞ!!!」
頭を吹っ飛ばされるのか・それともキングの頭がぶち切れるのか、それを見た者はいない。
耳に入った情報では、見た者全てが死んでいる・消滅したとか噂されるくらいらしい。
・・・・?なんかおかしい?どこか2人の話には・・
「齟齬がある、か?」
そうそれだ、ip850はその情報を不確かな物としてオレを引き留め、ベルは殆ど事実のように警戒している、そんな事ってあるのだろうか。
「そこのアンドロイドは」「iPhonだ、間違えるな」
あんまりその話しを蒸し返してはいけない、iPは商標登録されているかもしれないんだから。
「・・・そこの大男は多分、この世界とは別の未来の世界線で開発された・・ipだ、この世界ではまだ人間はネットに支配されていないし、iPhoneは大型・人型化はしない」
「そうなのか?おれはてっきり」
ポケットに入れて座り辛いなら、自分で着いて来て自分で充電して自分で検索してくれたら楽じゃね?
って感じがアメリカ的じゃないか、とか思ったんだけど。
スマホ執事とかいうアプリもあったし、音声認識もあるし、あいも?とかいうのも2018年に製造されたって。
「少年、そこは『本で読んだことがある』です。そう言ったら大体OKですよ」
・・・・うしろは後で何を言ってるんだか解らない、やはり悪魔は油断できない。
「検索・別の世界線・・・検索結果 ダイバージェンス 世界線変動率値
検索結果現在の世界でスペースネットが人類を支配する可能性は68、24・・・%、2030年までにスペースネットで世界が滅ぶ可能性は・・・7%以下」
「そうだ大男、この世界線をα世界線とするとお前の作られた世界はβ世界より遥か向こうの世界、異世界と言って良いだろう」
なんだか難しそうな話しをするベル、α世界線???
「・・・回答の続きを頼む」
「つまりお前は異世界未来の世界で製造されやってきたのだろう、原因は多分 々 英次だ。
アイツは直感で求めている物がどの方向にあるかが解る。
息子に与える携帯を探している間にお前を見つけたんだな」
(それがまさか、世界線のほつれとか切れ間の場所まで見つけるとは思わなかったがな。
それと多分オレの依頼が混じってる感じか?
異世界未来のロボット・・アイツには、オレが探しているロボは青色・猫型と言って置いたのだがな)
なぜか急にむつかしそうな顔をするベル、眉間に深いシワが。。。
「異世界探偵事務所スーパー所長、黒井ベル!
探し物から浮気調査、猫探しから殺人事件まで名探偵が直ぐさま解決!
そいつがオレの今の立場だ。
こ・の、広~い世界で、キミと巡り~会いなんてな。
無数の平行世界を奇跡のような確立で一体のロボを探す、笑えるよな・・・はぁ。
・・・とほほほ・・マジ死にそう」
ベルの目が死んでる、乾いた薄ら笑いがより悲壮感を漂わせてなんともな感じだった。
「ふがっ」
うな垂れるベルの頭を支えるナナさん、この人達も苦労してるんだなぁ・・って思った。
あと実際にトホホとか言う人も始めて見ました。
私らしい物語が出来てきました、こう言う混ぜ混ぜ物語を書くのが楽しくて仕方無ありません。
読まれている方々は楽しんで戴いているでしょうか。