五芒星の悪魔。
「最近のガキはオーメンもエクソシストも見ねぇのかよ!
悪魔ってのはTVから出てくるヤツだけじゃねぇんだぞ!」
怒られた。
全く心外だな、そんなの知る訳ないだろ。
「今時の子供はTVなんか見ないんだよ、だから今の貞子さんはスマホから出てくる時代なんだぞ」
あとここ数年、TVでホラー映画はやってません。やってるとしても子供が寝ているa.m1:00以降だよ。
「そんな小さい女のなにが怖いんだよ!ばかじゃねぇのか!
画面は8インチか?それとも14インチかよ!」
スマホの画面から出てくる白ワンピースで黒髪の怨念・・・シュール。
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだ、知らないか?」
「・・・馬鹿白知無能脳無し呆け間抜け・・・」
小さき声で罵倒するベル、聞こえると聞こえ無いのギリギリの声で。
「聞こえてるからな」子供は耳がいいんだよ、外部の情報を頭に入れて知識を吸収する為にね。
子供は目も耳も鼻も味覚も大人より敏感なんだよ。
そうやって五感で情報を受けて、親の与えた知識と組み合わせて美味い物・綺麗な物・良い音楽を判断するようになるんだ。子供の成長ってのは身体が大きくなるだけじゃないんだぞ。
「ジョンでは無い少年、オレが教えてやるぞ」
シュワルツっぽいiPhon?が近づき、渋い声で見下ろして来た。
「・・・あっ・・うん、よろしくお願いします」
このiPhon、声も迫力あるけど近づいて見たら超デカい!
あと何か熱い!これが世界有数の筋肉が放つ熱か?!
ブィン!
シュワルツっぽいiPhonのサングラスから光線が走り、シンイチの前2mの所に二次元画面の立体映像が!
・・・・エビ反りになって階段を降りる少年・ベットの上で浮かぶ子供・カナキリ声で叫び動物園のガラスを割る子供・・・
「って!映画かよ!こんな古い映画6歳の子供が見るかよ!R14だろ!」
コレ見て育った子供の成長が怖いわ!THE辛いわ!
「・・・突っ込み5連、、、切れは今一ですが、最後THE・蠅Ⅱを掛けたのは悪魔的に+20ッ点」
なぜか悪魔の好感度が上がった・・20点?
「悪魔の好感度を上げてどうするんだよ!
お前がそいつを祓うんだ、ヤツの名を利用しろ、悪魔は名前を知られる事で縛る事が出来るんだ・・・」強化も出来るが。
最後の方、小さい声で呟くベルの声、聞こえてますよ。
「・・・名前・・・え~~と、、父と子と精霊の名において・・名前を・・悪魔よ、名前を教えて下さい」
聖書とか十字架とか変な水は無いですが、取りあえず真似てみる。
「相手に名前を聞くなら自分から、それが社会常識ですが・・・相手は子供、そして私は少年がシンイチだと知っていますので。
始めまして悪魔[カラビア]と申します。
あちらの世界の魔神達からは、五芒星の悪魔と呼ばれていますね」
両手をそろえて一礼、静かに頭を下げたカラビアがゆっくりと身体を戻し、静かな瞳でシンイチの顔を見た。
「あ・・うん、ありがと・・えっと、々 しんいちです」
「素直で良い反応ですシンイチ、+10点」
・・・・・・
????「貴様、一体なんの用で出て来たんだ?魔界の軍団長は暇なのか?」
魔界から現われる悪魔、彼らは基本的に人間を陥れ世界の破壊と混乱・崩壊させるべく動く。
神が作ったとされる世界を憎み、神が作ったらしい人間に罪を犯させ堕落させ、魂を穢し地獄に送る事が悪魔の本性。
他にも特定の人間の魂・人間を勧誘する為の物品の入手・上位の魔王から任務を与えられている場合など色々あるが、基本的に悪魔は人間の敵対者だ。
「・・・・・」
(なんかこっち見てる・・)この状況、オレが聞くのか?
質問するベルを無視し、シンイチの方を向いて微動だにしないカラビア。
無表情で考えている事を読まさない目はまばたきをせず『じ~~~』とシンイチを写してた。
「えっと・・あんたの目的は」
「カラビアです、以後間違えないように、次ぎからは減点しますよ」
カラビアの目が光る、よく解らないけれど減点は良くない気がする。
「カラビア・・・さんは悪魔なんだろ?人間を・・オレの魂を奪いに来たのか?」
悪魔の目的は人間の魂を地獄に持って行く事、オレの方ばかり見てくるって事はそう言う事なんだろう?
「・・・ウフン?」前屈みになって髪をかき上げる悪魔、一体何を・・・
「残念、誘惑失敗、魂は奪えませんでした」
「6歳児に何を期待してんだよ!少し美人だからってそんなので魂取られて堪るか!」
お姉ぇさんみたいな美人でも、無表情で疑問符付きの棒読みのセリフで誘惑される分けないだろ!
「美人・・・容姿を誉める事は良い事、シンイチ+5点」
なんだろう、凄く地雷臭のする美人だと思った。
「そっそうですか、それで・・カラビラさんはなんでここにいるんですか」
どこか怖い悪魔女にはさっさと地獄に帰って貰う、その為に悪魔の目的を聞き出すんだ。
「・・・仲魔探し・・・でしょうか、こっちには知り合いと遊びに来たのですが」
いつまで経っても友人?が待ち合わせ場所に現われないので、自分から探そうかと思い始めたカラビラ、だが動きまわれば当然[生命エネルギー]生体マグネタイトが必要になる。
友人がどこにいるかも解らない状態で、魔素の薄いこの世界をウロウロするのは危険、そう考えながらふらふらと浮いている所に現われた不思議な男達。
男達のうちの1人、汚れた手帳を持った人間が片言ながら交渉をしてきた。
「たどたどしくとも、人間が悪魔の言葉を使う、非常に珍しい事です、50点」
その手帳を持つ男は、こちらの話しを聞き終えると背後の人間と言葉を交わし、白髪の人間がこの身体を見せて来ました。
『この身体があれば悪魔はMGの消費は抑えられる、魔素の薄い世界でも自由に行動できるだろう』と。
確かに探し者をするのには丁度いい体です、ですがそれでも私はこの世界の事を知りません、道案内が必要でした。
『・・・ボク達はまだ探し物があるので同行出来ません、ですが息子ならきっとお役に立つと思います』
『旅をするなら面白い者が良いじゃろ?ワシの孫は・・・』
「絶頂期のサマーズ三村氏と黄金時代のダウンタウン浜田氏を悪魔合成し、若返らせたような子供、そう紹介されました。
私からみればまだまだですが、人間の成長を考慮すれば・・・私が良い方に導いて育成すれば可能であると判断しました」
「オヤジィィィ!!!&ジジイィィィィ共めぇぇぇ!!!
悪魔になんて紹介をぉぉぉ!!
あのジジイども!自分の孫を悪魔に売りやがったぁぁぁ!」
自分の都合で可愛い孫を悪魔に紹介するとか!
「うん、その2人、間違いなくオレの爺ちゃんとオヤジだよ」
ほかにそんな人間、ぼくは見た事がないから。
ソロモン72柱の魔神、序列69の悪魔デカラビアさん、片目隠れ目で五芒星の魔術を操る女の子に。