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ボクの不幸を見知らぬ人が笑っていた。

(・・・・・・・・・・・ )


 なにも考えられなかった。

 身体は疲れ切って頭が真っ白で、家は瓦礫・・二次元に圧縮された廃材に成り果ている、こんな時にヒトは何を考えればいいだろう。


・・ケケケッ「ひっでぇ有様だなぁオイ、この辺ぜんぶ整地されてるじゃねぇかよ。笑えるよなぁボウズ、救いは自分家だけじゃねぇって所か?」


 嫌な事を言う人がいた。

 確かに自分1人に降り掛かった災いなら、耐えられ無かっただろうけど。


「自分1人じゃねぇ[周りの皆と同じ]で、同じ痛みと苦しみを共感出来る仲間がいる、ってか?

 集団心理ってのはやっぱり悪だよなぁ。


 皆と同じ!皆がやってるから!皆がそう言ってるから!

 ぎゃはははは!

 笑えるぜ!なぁオイ、そいつはただの思考放棄と相互依存じゃねぇか」


「それは、、、まぁ・・・?誰?」家を潰されたオレを笑いに来たのか。


「それは?なんだよ、言って見ろよ」

 振り向くと、目付きの悪いヤツが座っていた。


 睨むような鋭い目は腐った魚のように濁り、開いた口から鮫のような尖った歯。 

 病人のように白い肌とは対象的に、光沢のある真っ黒の髪を腰の辺りまで伸ばした・・・美少女?少年?のようなナニカ。

 そいつが車椅子に座り、ニヤニヤ笑っていた。 


「なんだ?オレの姿に惚れたか?ジャリ餓鬼が。

 一人前に発情しやがって、最近の餓鬼は精通が早ぇぇのか?」ギィシャシャシャ!


 なにを言ってるのかは解らないけど、笑われているのは解った。

そしてそれは後で解る事だが、普通にセクハラだ!


「うるさいブス!お前なんかに惚れるか、後のお姉ぇさんを見てたんだよ!」


 キラキラ光る金と銀の髪、透き通るような蒼と碧の目、白い肌と桜色の唇の・・胸の大きな美人の優しそうなお姉ぇさんは、邪悪な顔で笑うそいつの車椅子の後に立って微笑んでいるように見えた。


「んあ?・・へっ、馬鹿餓鬼が、まあいい。

 お前がここの瓦礫のガキで、ノマ・シンイチでいいんだよな?

 々の写真と同じ顔だが、別人って事は無いよな?

 々 英次のガキで間違いないよな?」


「・・・々 英次はオレのオヤジだよ、、、アンタまさか・・」

 オヤジの隠し子か?って事は後のお姉ぇさんはまさか!


「オレ達は英次の隠し子でも愛人でもねぇよ、ただの依頼人と依頼者だ。

 お前のオヤジにちょっと探し物を頼んでたんだが・・・その報酬がお前の保護。

[自分が居ない間の、息子 シンイチの衣食住の安全と管理]だったんだよ」


 チッ面倒な事だ、舌打ちしたそいつはオレを睨み、そしてため息を着いた。


「んで、その探し物が見付かる前に、ガキにおっ死なれたかと思ってな。

 面倒くせぇが出張って来たんだよ、それがまさかこんな愉快な事になってるとはな、笑えるぜ」

ケケケ。


 笑えると言って本当に笑う人間を始めて見た、ヒトの不幸を笑う・しかも被害者本人の目の前で笑うとか、鬼かよ。


「オレは鬼じゃねぞ?お前らの言う所の・・・悪魔だな」

 なに言ってんだ?こいつ?・・・ああそう言う設定の。。。


 14歳くらいになるとそんな事を言い出すらしい、多分きっと目の前のこいつもそうなんだろう。

(良く見たら、それくらいの年齢・・・なのか?)


「中二病じゃねぇよ!ガキが!

 オレはマジモンの・・まぁいいか、この姿だもんな。

 面倒だが論より証拠を見せてやるよ、ナナ」

 そいつが視線を後のお姉ぇさんに向ける、お姉ぇさんはナナという名前らしい。

 彼女は小さく頷き、ゆっくり前に進むと瓦礫になったオレの家の前で止った。


「ふが」

 瓦礫を掴み、謎のかけ声を掛けると家の屋根を持ち上げてぶん投げた!


 ペチャンコになっても家の屋根だ、車一台分ほどの重さはあると思う、それをぶん投げて次々と柱や壁を持ち上げて投げ飛ばしている?!


ブンッ!ガsyアァァァ!!ブ

 ンッ!ゴワシャァ!

 明らかに人間離れした力、体格は普通の女の人の見えるのに、重機のような腕力で次々とオレの家を・・・・!


「まった!ちょっ!まって待って!」壊れていてもオレの家だよ。

 次々と解体されてますけど!


「ふが?」

「っと、ナナさん?一応オレの家なんで、通帳とかカードとか・・埋ってるから」

 埋ってると思うから。


 これから家も無く、1人で生きて行く事になるんだ、金になりそうな物を探す必要があるんです。


「無ぇよ、々 シンイチ。

 諦めろ、見ての通りただの瓦礫だ瓦礫!

 鉄クズ屋にでも持って行くくらいにしか価値はね・・・?なんだこの気配は。


 ナナ、そこまでだ。ちょっと待て」


・・・・・・・・・


「ガキ、まずはオレの質問に答えろ、その答えしだいで今後の方針を考える、いいな?」

 急に真面目な顔と鋭い視線を向けてくるそいつ、今後の方針って・・・


「黙れ、オレはお前が質問に答え無ければ放置する、ガキは1人で生きて生け。

質問がオレの望む答えに有って無くても放置だ。

 依頼人の家がこうなったんだ、オレの方の依頼が果されるかどうかも不明になったからな。

 

 当然、質問の答えを質問でして来てもアウトだぞ!

 テストで質問文を質問文で返せば0点なのは世界の常識だからな」


「・・・解った」なにかさっきから違和感が、、、


「最初の質問だ、オレは疑問があると夜眠れないタイプなんでな。

 さっきいお前、なんて言おうとした?」

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