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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第一章 ルナリーナ、7歳 カルデア暦2378年 ミドルブルー
9/32

1-3 真白の少女の日常 朝食の続きと陰

自分でも分かるほど、1-6.5までの文章はクオリティが低いのでいずれ書き直します。それまでの文章は殆ど日常だから飛んで問題ありませんので、初めての方は1-7から1-10までを見ていただいてから続きを読むかを判断してくださると嬉しいです。


大事な日に限って仕事がある、それが警察や軍人などの職につく者の哀れな宿命。

可哀想なジークフリード

君のこと、多分第一章終わりの時には既に忘れるでしょう。

賑やかな朝ご飯は続く。

変わったことはと言えば、当主夫婦が来た事とルナの座る場所。

そう、抱きつかれた後ルナはそのままリンナの太ももに座ることとなったのだ。

それでは食事が出来ない?

ご心配要りませんとも。忘れる事なかれ、例え精神が二歳児であってもここにあるのは我らがチート勇者。そう、彼女は気配を感じながら食事のペースを調整し、御両親が来るタイミングに合わせたのです。扉が開いた時、それすなはち彼女の食べ終わった時。我慢も自重も知らない我儘な子、でも可愛いので許せちゃう。

そのことに気づいたジル爺さん、どうやら彼は一日の殆どを苦笑いのまま過ごさなければならない模様。


チラ、チラ……

こっそりとその光景を盗み見る者、約二名

我も我もと心の中では思っているものの、しかし恥ずかしくて言い出せないエルとジークフリード。奇しくも盗み見るタイミングがシンクロしている当たり、血のつながりとは面白いものだ。

でも実はこの2人、自分がどのポジションに入りたいのか、自分でも分かっていない事すらも同じ。

果たして彼らはルナを抱っこしたいと思っているのでしょうか?はたまたはリンナとのスキンシップが欲しいのでしょうか?

もしかすると、その両方かも知りません



チラ見の中で食事が進む。

我慢しきれず沈黙を破ったのはジークフリード。八歳児よりもせっかちな「クール系」イケメン、実に残念な奴。

「そ、そう言えば来週だったよな?」しかもどもった、カッコ悪い

まあ、イケメンへの嫌味はともかくとして、彼の言う話題は実はかなり大事なことだったりする。


毎年の2月1日、それはとある儀式を行う日。その年で八歳となる子供に行う【覚醒の儀】

覚醒の儀を経った子供は半人前として扱われる。それによって子供の人権の大部分が認められる事となる、とっても大事な儀式。

半人前の子供が見習い職人などについて働いている場合、給料を貰う権利を持つ。

でもそう言った事よりももっと大事なのは、覚醒の儀を持って【存在が固定する】事だ。

そう、実は覚醒の儀を経たない限り、その者は世界にとっては【生まれていない】扱い。

無論、それは肉体的の話ではなく、霊的の話。

覚醒の儀とは魂と肉体の連接を固定する儀式である。そして魂が固定される事によって魂と肉体がより強く干渉し合う。

その結果として魂は肉体を通じて、マナや生命力と共鳴することによって世界を侵食する魔法や闘気といった現象を引き起こせるようになる。

また魂に起因する特別な力【ギフト】を授かる者も稀に存在する。

魂の質が上がることによって侵食がより強くなり、強い力得ていくことも可能でしょう。

その他にも様々な意味を持つが

いずれにせよ、覚醒の儀とはスタートラインである。

そしてエルとルナの覚醒の儀、それは来週に控えている。

本来ルナは翌年の覚醒の儀を受ける筈だったが、同じ月に産まれた子供は今や彼女一人なのと、彼女の存在が不安定なために早く固定した方がいいと言う状況が合わさって、特例として今年にした。


「はい、旦那様。

ご心配要りません、準備は既に済ませております。」

「ああ……

悪いなエル、ルナ

折角の晴れ舞台なのに一緒に居られなくて」

そう、そんな娘たちの大事な日、しかしジークフリードは一緒にいてあげることが出来ない。

何故なら

(くそ、何が勇者覚醒祭だ!)

今年は勇者が八歳になる年でもあるからだ。

しかも、第1227王子にして勇者でもあるルイゾン・P・ドラグーンと第1207王女シャルリーヌ・P・ドラグーンもある。

王女の方はともかくとして、勇者で王子、全国から腕のいい者を集めて警備に当たることになるのも当然のことだった。

ジークフリードは娘の大事な日、出張して働かないとならない。哀れ。

余談だが、覚醒の儀は祝日なため、一般人は休憩日です。ホンットに哀れ。


「いえ、わかっております。勇者様の警備はとっても大事なお仕事ですから、私たちは、ちゃんと我慢します。

お父様こそ、お仕事、頑張ってください」

そう言ったのはエル。

そして、それに合わせてうんうんと頷いたルナ、別に(これでお母様と一緒に寝れます、やったー!)だなんて思っていない。いないったらいない。

因みに、彼の旅立ちは数時間後、だからこそ昨晩夜遅くまでにゃんにゃんしてた。

「団長とカリウスが残っているとは言え、ミドルブルーの警備が手薄になることに変わりはない。

……ジル、分かっているよな?」

「勿論で御座います、旦那様」

どうやらこの平和な日常にも影が差しているようだ。少し考えて見れば分かる事だが、ジークフリードが離れるとミドルブルーの守備が弱くなる。その上、そのジークフリードの家族が儀式のために襲いやすい状況になるのだ、事件が起きない方がおかしい。


賢いエルは八歳でありながらそれに気づいて、心配げな表情になる。

そんな姉を見てルナは立ち上がって頭を撫でて慰める。

「大丈夫?」

「う、うん。お姉ちゃんは平気ですよ?」

「ならいい」

何もわかっていないような無表情の幼い妹を見て心配させまいと心の中で誓うエル、出来た姉だ。

でも問題があるとするとそれは

(ちゃんと守るから大丈夫)

そう、ルナが事情を理解しているだけでなく、自分の方が姉より強いと言う確信を持って守ろうとしている事でしょう。

ああ、いえ、それだけではなく、喋り終わったら自然にリンナの太股上に戻る事も問題と言えるかもしれない。

ルナは欲望に忠実の二歳児精神の持ち主。そんな者に理性や力だけを与えるとこうなるんだろうね~(遠い目)


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