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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第二章 覚醒の儀ともうひとりのルナ カルデア暦2378年 ミドルブルー
31/32

2-11 物語の始まりへ

ぐう、抑えろ我が右手よ!

バトルは、バトルはもうすぐだ!

ベルダと別れてから数分、エレベーターでコアタワー一般公開階層最上階、コアタワー150階中心・「スカイガーデン」

標高1000メートルのこの階層は五十メートルの階高を誇る有料観光エリアだ。半径25キロメートルのミドルブルー全体を一望できるここの料金はかなり高いが貴族や高ランクの冒険者には無料で開放する。理論上、ここは最も都市魔法陣の中心に近い場所でもあるので覚醒の儀の効果が最も高いかもしれないとも言われている。


現在時刻10時28分

そう示す大きな時計が魔法によって階層の天井に投影されている。祝日には付き物のイベントショーが中心で盛り上がる中、少女達は土の様なもので作られた容器に入っている飲み物を飲んでいる。

その店が土属性の魔法使いを専門に数人も雇って量産された容器は魔力が尽きるまでしか持たない代わり、原料代ゼロな上ゴミなどを残さない優れ物だ。勿論、飲みきれずに持ったままにしたら悲惨な目に合うので三時間以内に飲むべきだがね。

ハイレベルの土属性魔法使いはこの世界で引っ張りだこなわけだ。ゴミ捨て場すらいらない使い捨て食器があるおかげでそういった仕分けをせずに直接食べ残しを食器と一緒に捨てても問題ないからなーー最もこの世界にリサイクルとかはないし、ゴミなどダンジョンに捨ててしまえばいいから最初からいらないけれどね。


「もうすぐ、ですね」

「ん」

「緊張しますね~」

ワクワクドキドキと口で言いそうな少女達を優しい目で見ながら自分の時のことを思い出してか、監護者達もまた懐かしそうに目を細める。


『さあ!さあ!覚醒の儀まであと一分です!このミドルブルーで一番高いスカイガーデンに高い入場料を払って入ってきた皆さん!キュートで可愛い、その上歌もうまいこの私、ミリアちゃんと一緒にカウントダウンしましょう!

スタッフ~秒針をさっさと出して~

そうそう、それでは!

一緒に行きましょう!

四十!

三十九~

三十八~

ほらほら、一緒に言って!

三十五~』

『「「三十四」」』

『「「「三十三」」」』

……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

騒がしくなっていく150階で顔をしかめて不愉快そうにする一つの集団がある。魔法によるものか、そのものたちの存在感が何故かとても薄い。

「フン、忌々しい猿どもが笑っていられるのも今の内だ。

それにしても大賢者様も人使いが荒い。何もこのハイエルフである私をこんな所に駆け出す必要など無かろうに」

「閣下、準備は整えました。」

「ああ、ご苦労だった。

さて、もうすぐだ、もうすぐこの忌々しい都市の猿どもが絶望に満ちた叫び声を上げて死に絶える。

我らエルフの力、その身で味わうが良い!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヘルゲ・S・ドラゴンスレイヤーは今空を飛んでいる。闘気で足場を作り、法律によって規定された最高速度である0.95マッハぎりぎりで飛ぶ彼は残像を残しながらもその顔に焦りを浮かべている。

たった数十分でミドルブルー主なる冒険者ギルドを廻り終えた彼は今、南を目指してミドルブルーを出ようとしている。

『南のダンジョンに異常あり、但し大した問題ではないゆえ覚醒の儀を終えてから対応する』

何が大した問題ではない、だ!どう考えてもこの時期での異常など問題大アリだ。

(間に合ってくれよ!マアンナ!)

先に出発したパートナーにして妻であるマアンナを思い浮かべながら、彼はもうすぐ戦場となるであろう南のダンジョンへ急ぐ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「「「『ゼロ!』」」」


莫大な魔力が空に浮かぶ都市魔法陣から流れる。キラキラと輝く魔力光が降り注ぎ、まるで雪のように、でも建物であるコアタワーの中に入っていく。

最も中心に近いゆえか、スカイガーデンは目を開けることすらできない程の魔力に埋もれている。

覚醒の儀は今この時を持って始まった。運命の時はもうすぐだ。

そんなわけで次話は1/11の夜から新作として投稿します。

うん、主人公の登場まで三十話かかるのは流石に我ながらこりゃ駄目だと思ったからね~

投稿したらこちらでもお知らせを書きますので、宜しくお願いします~


1/11日追加:

申し訳ありません!

本っ等に申し訳ありません!

リアルで用事があるので、来週一週間と2月初めの二週間小説を書けません。

それにより、もしも今週で新作を上げた場合、ストックが足りず毎日更新を続けられない上、変な所で更新停止する事になります。

ですので勝手ながら、一週間延期させていただき、1/18からストックも合わせて投稿後毎日更新を維持する事にしました。

期待している方、誠に申し訳ありませんでした。

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