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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第二章 覚醒の儀ともうひとりのルナ カルデア暦2378年 ミドルブルー
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2-5 ルナと覚醒の儀 ヘルゲ・S・ドラゴンスレイヤー

護衛がいないセヴェーラは流石に一人にはできないので、ヘルゲたちについていくしかない。

さて、そんなヘルゲ一行の入る店それはなんとメイド喫茶!

センスの悪さは一級品だね、残念イケメンくん。どう考えても子供とリアルメイドを連れて行く場所じゃない。

一応のフォローですがこの店はヘルゲの冒険者知り合いが引退して作ったもので、内密の会話に意外にも適している。

コアタワー十四階層、高級商業エリア北にある人気店『カフェ・リュアレイ』。そこはいわゆるメイド喫茶である。

迷いなくそこへ踏み入るヘルゲはなるほど強者だ。そもそもの話としてこの店を選んだのも彼だしね。ジトッとした目でそんなヘルゲを睨んでからリンナは店に入る。

それに続いて全くここがどんな場所か理解していないルナ、エル、そしてさっき護衛を失ったばかりのセヴェーラが入っていく。うむ、純粋の子供とはいいものだ!

ティナとアンナのリアルメイド二人がちょっと嫌な感情を顔に浮かべながら入っていき、最後はマキナ家の護衛たちがちょっぴり興奮気味で殿を務める。

最後に入ってきた護衛たちにメイドズがドン引きしてゴミの見るような目をしたのは気の所為ではないでしょう。明日にでも彼らの悪評がマキナ家のメイドネットワークに広まることでしょう、ご愁傷さま。


「「「いらっしゃいませ、ご主人様~♪」」」

「やあ~来たぜマイハニーちゃんたち♪♪」

ミニスカのメイドたちに迎え入れられて喜び満載の顔でウザい挨拶を返す残念イケメン(ヘルゲ)を最早氷の様な視線で見るリンナとリアルメイド二人。なぜでしょうか、ロングスカートの二人のほうが偽物のメイドになった気分。

流石の少女(お嬢様)たちもこの店に入ったらリンナたちの反応の理由に気づいたのか、今や女性陣全員がジト目となった。


「人の趣味にとやかく言うつもりはありませんが、それでも一言言わせてもらうわ、貴方、店を選ぶセンスがないわ、ヘルゲくん」席についたあと、我慢しきれずリンナがツッコミを入れる。因みに二人は他のメンバーとは別の席、相談があるからだ。

「ひどいなあ~私のセンスのどこが悪いと言うんだい?リンナ先輩~」

どうやらヘルゲはリンナの後輩のようだという事はさておき、センスの悪さについては同感だ。こういう店に入る時は子供を連れるべきではないと思うよ、キザ男くん。ましてやリアルメイトを連れるとそれこそ最悪だ。

「はああぁぁ…(どうせ言っても無駄でしょう)まあいいわ。

それよりも、貴方はどうしてここに来たの?」

「そりゃ勿論可愛いマイハニーちゃんたちn「惚けないで」…」

「やれやれ、せっかち過ぎるとモテないよ先輩~」

「…で?」うっわ~いつもは優しいリンナさんからピクって声が聴こえそうです。それにしても人妻にこういうセリフを言うのは流石にドン引きものです。

「わ、わかったわかった、モテる男は辛いぜ」

「遺言はそれだけかしら?」

「ちょ、ま、喋るから、喋るからその魔力を収めてくれ、な」流石にからかいすぎたと感じてようやく本題に入るヘルゲ、残念過ぎる。


いつの間にか二人の周りに人がいなくなっている。

「簡単に言うと勇者の教師役だ」妙な静けさが囲むなか、単刀直入にヘルゲが爆弾宣言をした。

「え!?…勇者の教育は帝都の中央国立学園が担当じゃ無かったかしら?」

「リスクの分散だとさ」

「まさか、また(勇者が暗殺された)?」

「そのまさかだ、でないと流石にジークが呼ばれる事も無かったしな」

「……それで、ミドルブルー国立学園?」

「そ、んでそこの子達の同級生な訳さ」

「何人が来るの?」

「さて、そこはまだ決まっていないだそうだ」

「入学式まで三ヶ月なのに?」

「そ、覚醒の儀次第だってさ」

「…エルとルナの事、貴方に頼めるかしら?」

「…できる限りの努力はするが、ワリィな、流石に保証はできないぞ。」

「…それでもありがとう。」

「ホントに悪いな、相手がかなりの手練でな。」

……

しばしの沈黙の後、空気を変えようとヘルゲが話題を切り替える。

「にしても、ルナちゃんか~」

「…」沈黙を示すリンナを見て、ヘルゲは続く

「あの娘、今の勇者全員なら総掛かりでも一瞬で捻り潰せるぜ。あの戦技はやばい、あれを使えこなせるなら火力で俺を超えられる上に防御であの竜騎士団団長の防御と互角になるぞ

もしも勇者ってんのが全員あれ以上なら俺たちはすぐに時代遅れになっちまう程だ。だがもしあの娘が勇者以上なら、わかるよな。」

「…ええ、何が起きても私達はあの娘達を守ってみせるわ。」

「ならいい。それと俺が暇の時ならあの娘達に剣と簡単な実用魔法ぐらいを教えてやってもいいぞ」

「その時はちゃんと連絡するわ。」

又もや沈黙が訪れた。シリアスの話題から抜け出せないヘルゲに、今度はリンナが切り出す。

「そういえば貴方の息子はどうするの?」

「ああ、俺に付いてきてミドルブルーだな」

「二年から転校?」

「いや、今月からだ」

「そんな中途半端な時期に?」

「ああ、帝都の家を売り払うからな、それに時期をそらさんと(無差別テロ)攻撃されかねん。」

「勇者のためにそこまでするの?」

「ああ、エルフの連中かなりやばいぞ。今日は帝都が間違いなく襲われちまうだろう。」

「ミドルブルーまでも、というのはないでしょうね?」

「それは…いや、俺は走ってきた、つーことは連中は俺がいるのを知らねえ筈だ。」

「…つまり連中にとってはミドルブルーを襲う最高の機会でもあるってこと?」

「「……」」

「どうして貴方、走ってきたの?」

「いや、走ってこなけりゃ今ここについていないからどっちかつうとマシな方だと思うぞ」

「警備、してくれるかしら?」

「…わかった、冒険者の知り合いにも頼んでおく。」

「料金は私が払っておきますわ。」

「おう、そんじゃまた」

「ええ、家庭教師の件は改めて連絡する。またね、ヘルゲくん。」

なんと!残念イケメンが子持ちだった、だと!?

それはそうとして、フラグをこれでもかと立てる会話だったね。

私は無用なフラグを建てない主義なので、この会話のフラグは全部回収すると思ってください。というよりもプロットを見てフラグを立てているのだからプロットが変わらない限り回収する。

でももしかすると私の意図しないフラグモドキがあるかもね。


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