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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第二章 覚醒の儀ともうひとりのルナ カルデア暦2378年 ミドルブルー
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2-1 ルナと覚醒の儀 屋台巡り メロンパンマンの頭の丸焼き

展開が遅すぎると自分で言っておいてまだまだ覚醒の儀には遠い当たり、もはや自分でも呆れるしかないぜ!(ごめんなさいね~)

大事な儀式といえばお祭り、お祭りといえば屋台巡り!

そして屋台巡りといえば謎料理!

そんなわけで、屋台巡りだ!

それでは本編をどうぞ~

時はカルデア歴2378年2月1日、朝七時ぐらい

ミドルブルー中央北部の貴族街はいつもの静かな光景はどこへやら、今日に限ってとても賑わいている。

覚醒の儀は多大なる魔力を要するので、ミドルブルーでは一部の公共交通用大魔天輪を除き、魔天輪は機能停止状態にある。だからこそいつもは魔天輪を使う貴族であっても魔導車というこの世界で最も一般的な都市用地面交通工具を使う。

流石にそれのためだけに魔導車を持つのもおかしな話と貴族たちも魔導車を自分で持つ事はそういないので、今日に限って魔導車を運転手込みで雇うのは最早習慣となっている。

そしてそれだけでなく、天龍帝国最も大事な儀式とすら言えるこの日は勿論祝日であり、貴族たちは皆屋敷を離れる故料理などを含める仕事も必要ではない以上、僕達も最低限の警備と付き人を除き、貴重の休日を得るのだ。


特別の日だからと今日に限ってなら平民でも貴族街に入りやすく、天龍帝国最大の都市であるミドルブルーの貴族街という観光スポットを見るために他の国の者は揃って見に来る。

それに加えていつもより多い見回りの兵士と騎士、ちゃっかり屋台を出す貴族たちの僕達となんとも賑やかになる。

勿論、屋台を出してもいいのは貴族たちが許可した者のみだが、これはある意味宣伝でもあったりする。

何々家の僕達の出した店はとってもすごい!あの家の料理人は腕がいい!あの家のメイドのセンスがいい!

そういったことが自慢話に繋がり、貴族たちの交流の場でのネタになるし、貴族のしもべに付くにはどれ位の腕がいるのかというものを一般市民に伝えて腕のいいものに自分の方が腕が良いと自信を着かせて、腕の良い人を雇うキッカケにもなる。そしてそれは逆に言えば屋台を出す僕達の危機感を刺激する意味合いもある。

成功すれば名が売れる、失敗すればもっと良い人材を見つけるキッカケとなる。最初にこれを考えた者が誰かは今や記録に残っていないが、それでもこれは伝統として続いている。


さて、そんな屋台を見回っている少女の集団がいる。ルナにエル、それとティナとシロの三人一匹だ。エルは将来マキナ家を継ぐため付き人を貴族の子供から選ぶ必要があるので、いまは付き人がいない。そのため、今日はルナと一緒にいなければならない。

貴族街の屋台を見回ってははしゃぐ彼女たちは勿論朝飯抜きである。腹を空かせて屋台巡りで満たそうというなんとも子供らしい発想だ。

時間制限は九時まで、それまでなら貰ったお小遣いを自由につかえる!

何を食べようかな?何を買おうかな?ワクワクドキドキの三人

そして、当たり前の事だが影から見守っている護衛が四人。独り身であるこの四人は哀れな事にリア充共に仕事を押し付けられたし、子供の祝日だと言われた断れる筈もなく血涙を流していた彼らはしかし、今は紳士の顔をしている。三人の楽しそうな姿を見てすっかり和んでいる彼ら、果たして目覚めたのは父性か、はたまたはお巡りさん案件のナニカか?もしも後者なら速やかにお巡りさんこちらですと言いたいものだ。


「ううう~あれもお美味しそう

でもでも、あのクレープも

悩むうううう」

「……(キラキラ、チラチラ)」

「きゅぅぅ」

「なァァァ~」

悩みただ漏れでブツブツ言うエル、無表情でありながらキラキラした目で屋台をチラ見るルナ、昨晩からご飯を我慢したせいで貧血気味で目を回しているダメイド(ティナ)とルナの頭に乗っけて彼女の髪の毛で遊んでいるシロ。平和である。

そして連れ二人がダメダメである以上、何を食べるのかを決めるという大事(?)な責任はルナの物となった。

まあ、勇者のご都合主義があるルナが選んだものなら他の二人よりも良いのもまた当然だからある意味最優の配置とも言える。


「あれがいい」

「え?何々?あの見たこともないパン(?)の様な物?

まあ、ルナが言うなら試しに買ってみよう!」

そんな偉大なるリーダーが最初に選んだもの、それはパンのようなナニカ。

でもそれを売っている屋台には何故か人が並んでいない。他の屋台は皆人がいるのにもかかわらずだ。

「これ、なに?」

「おう!お嬢ちゃんは目がいいな!こいつあ『メロンパンマン』っていう魔物の頭だ

買うってんなら焼くが、いるかい?」

「うん、一つ頂戴」「ちょ、え、魔物の頭?ほ、ほんとに買うのルナ?え、ちょ、え?」「きゅぅぅぅ」「にゃああ~」

混乱しているエルを無視して勝手に『メロンパンマンの頭』を一個買うルナ。

魔物の頭の丸焼きというなんとも言えない物を買いたい者などそうはいない、ましてやよく見るとそれが貴族街の屋台でもとびっきり高いのだ。

『メロンパンマンの頭の丸焼き』を手に入れたルナはご機嫌にエルに聞く

「いる?」

「えええええ、わ、私は絶対に食べませんからね!」

「ティナ、いる?」

「きゅぅぅぅ」

「はい」

パク「あむ、あ、おおいひい!」

「ん、あむ」


……あらやだ、なにこの子、今、さり気なくティナに毒味させたよ

そしてお美味しいという返事を得たらすぐに回収して自分で食べるルナに「呆れたぜ」というように頭に手(?)を当てるシロ。

「え、ええ?お美味しいの?ほんとに?じゃ、じゃあ私にも食べさせて!」

それとエルよ、三十秒前の「絶対に食べない」宣言はどこいった?

「はえ?なにが起こったの?」更にはようやく目が醒めたティナが慌てる姿が加え、なんともカオスの三人一匹の屋台巡りはまだまだ続く。


余談だが彼女たちが食べる姿を見て、まずは罰ゲームとしてやらされた者数人がメロンパンマンの頭の丸焼きを食べ、それが意外にも超がつくほどのお美味しさだと広まり、またたく間にメロンパンマンの頭が売り切れとなった。

更にはそれがキッカケでメロンパンマンの頭の値段が上がり、冒険者たちがこぞって狩りに行き、それによって更に広まるという形でメロンパンマンの頭がブームとなったとか、なかったとか。

メロンパンマンとは頭がメロンパンのような魔物。

意外にも手強いやつで、ドロップアイテムはメロンパンマンの頭。レアドロはシルバーメロンパンマンの頭。スーパーレアドロはゴールドメロンパンマンの頭。ウルトラレアドロは奇跡のメロンパン。

因みにノーマルドロップの味は一般的なメロンパンよりも数倍良く、ゴールドともなれば最早麻薬に似た幸福感を得られる。奇跡のメロンパンはなんと、食べるだけで寿命が一年延びる上、筋力小アップ・永続と手足一本ぐらいまでの部位欠損の治療効果がある。

まあ、そもそもの話としてはこの世界の食材のウルトラレアドロ皆寿命を伸ばせるけれどね。


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