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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第一章 ルナリーナ、7歳 カルデア暦2378年 ミドルブルー
20/32

1-13 真白の少女、筋肉痛につきサボります

ちょっと日常編が想定より遥かにグダグダしたので無理やり締めたところがある。

次話からはメインストーリーのホントの意味での始まり。

十数話にしてようやくタイトル回収というなんとも言えない自分の不甲斐なさにはなんとも言えないね。


では、本編をどうぞ~

さて、ゴタゴタのあと、ルナはジルに呼ばれてきた治療士の女性に「ただの筋肉痛です、でも体をかなり酷使したようでマッサージをしても数日は起きれないかも知りません。魔法で治療するのは成長に影響をきたしますので、ベッドでちゃんと休ませてあげて自然に回復するのを待ちましょう。」という有り難いお言葉を貰った。

彼女は今、ティナに体を拭いてもらっている。

「んんぅん……ンゃううう~」こそばゆい感覚と筋肉痛の痛みに責められて自分では動けないルナは何とも悩ましい声で喘いでいる。拒否の言葉を口にしていないのはルナ自身が綺麗好きだからであり、もしも運動によって汗だらけになっていなければ間違いなく辞めさせたことでしょう。

まあ、そもそもの話としてその運動がなければこんな状況になっていないので自業自得としか言えないがね。


さて、そんな彼女だが、本来なら午後の授業を受けている時間だ。当たり前のことだが貴族の授業は礼儀とダンスだけという訳ではない。すべての授業を毎日受けるというのはいささか時間的に無理があるのでマキナ家の家庭教師五人の内、午前のファビエンヌを除いた四人は毎週一回、午後の四時間ぶっ通しの授業だ。今日は本来なら数学の授業だが、ご覧の通りルナのサボりによってエル一人の個人授業となった。

実はルナは数学の授業が嫌いだったりする。エルもルナ程じゃないが数学は嫌と思っている。

なのでルナは心の何処かでサボれる事に喜んでいるし、今授業を受けているエルはというと裏切り者のルナに今日二回目の呪いをぶつけている。


注意すべき事としては別にルナもエルも数学が弱い訳ではない。というよりも彼女たちはその賢さ故に簡単に様々な数学問題を簡単に解ける。では何故嫌いかというと彼女たちが賢すぎたせいで先生の方がついていけないのだ。

家の書庫で数学の本もあるが、彼女たちはルナが自学してエルに教えるという形で容易くもこの世界の一般的な数学理論を殆ど習得した。地球にも八歳で大学数学を学び始めている天才があるのと同じように。


カルデアの数学は最先端の理論こそ地球に遥かに及ばず、大学と大学院に当たる教育機関がないものの、高校に当たる高等学部のところまでは選んだ科目は地球に並ぶ程の教育レベルがある。勿論それは数学でも同じである。

でもカルデアの高等学部で数学を選ぶものはそういないし、本来なら子供の家庭教師にそんな知識などいらない。現にルナたちの家庭教師は中等学部までの数学知識しか持っていない。

中学で教わった知識は高校では誤っているもの扱い、地球で突っ込まれてきた事はカルデアでも通用する。現にルナたちは自分の家庭教師とは違うレベルにある。

結果はどうなのかというと正しくもあり、誤ってもいる答え合わせによって両方の歯車は噛み合わず、ルナたちは正しい答えをして、家庭教師は正しい答えをもってルナたちが間違っていると判断する。良い教師である彼はちゃんと掌握していないと思っているところを繰り返して教え、ルナたちにとって誤ちだらけの授業が繰り返される。正論と正論のぶつかり合いは二人が教師に高等学部の本を読むようにいう事によって終わったものの、結局の所二人はやっぱりその自分にとって間違っている答えを出さなければならないと教わった。

なぜなら選択や判断などの客観問題は理由を聞かないのだ。テストと現実が噛み合わず、数学が試験内容を出す者がどのレベルにあるのかを推測してそれに合わせた答えを出すという無理難題に変身した。

そんなどうしようもない数学授業が好きになるはずもなく、知識が増えるとか成長しているとかそういった満足感や獲得感も得られない。そうなれば数学の授業は最早拷問である。


そんな数学の授業から逃れたルナは体を拭かれてからベッドに寝込んでいる。そんな彼女の掛け布団の中には一匹の異物がいる

それは大きな黒猫、もふもふの毛もあってまん丸く見えるその猫の名前は「シロ」

黒いのに何故「シロ」?と突っ込むことなかれ、この子はもともと小さな白猫だった。それがアンナの謎の金細工で生み出された何故かウネウネと動くSANチェック待ったなしのカニカをとりこんでしまって大きさ可変、最大十メートル級になれる上に魔法をつかえる黒猫になったのだ。

でもその御蔭で自動浄化的な効果があるので、たとえ洗わなくともベッドに入れれるし、部屋やベッドを汚さない優れ物となった上にその時ほしいサイズに変化させて抱き枕や首枕だけでなく、それこそ猫の掛け布団や猫ベッドといった羨ましい事すらできるのだ。

現にわざと部屋の温度維持の魔道具を停止させた上に夏用の薄い掛け布団を使ってシロの体温ともふもふを思う存分堪能しているルナのなんと幸せそうな顔ときたら……

そこを変われ!

誰と?もちろん、ルナとだよ?まさかシロとだなんて思ってはいないよね?もしそんなことを思ったのならすぐに病院へ行ったほうがいいよ、または自首に行くのも良い。


「にゃぁ~」

「ん~~」

こんな一人と一匹のぐーだらの午後は苦しい数学授業を終えて看病に来たエルが来るまで続いたとさ。

「むキーーーー」

うん、心配して急いできてみたら当のルナがこの調子、エルが調子抜けた後ムカついて睨むのも仕方のない話だ。


暖かい晩ごはんをティナに食べさせてもらい、エルとリンナ、それにシロで親子三人と一匹で眠りにつくルナ。

彼女たちの顔は皆幸せに満ちている。

波乱はあれど平和の日常、たとえそれは一時的な物だと皆わかっているとしても、永遠に続いてほしいのはきっと当たり前の願いでしょう。

こうしてルナの少し普通じゃない一日は幕を下ろした。

覚醒の儀は来週、そこでもうひとりのルナが目覚める。新しい生活はもうすぐそこに迫って来た。

因みに私は猫派です

子供の頃、犬に噛まれそうになったこと数回、実際に襲われたこと一回、子供の頃の出来事なだけあってトラウマになった。

アニメとかで見る分には別に犬も可愛いと思えるが、ちょっとリアルに似すぎるやつとか、写真とか、本物のやつとかは無理です。


でもアレルギー体質なので本物の猫にも触れません。辛い。

そういえばアレルギー体質って獣人にも反応するかしら?

もしかしたら獣人のアレルギー持ちが自分にアレルギーして悲惨なことに?

うん、考えないことにしよう。


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