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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第一章 ルナリーナ、7歳 カルデア暦2378年 ミドルブルー
13/32

1-6.5 とある朝の一シーン ルナとルーペルトの出会い

自分でも分かるほど、1-6.5までの文章はクオリティが低いのでいずれ書き直します。それまでの文章は殆ど日常だから飛んで問題ありませんので、初めての方は1-7から1-10までを見ていただいてから続きを読むかを判断してくださると嬉しいです。


子供が自由に騎士団支部を歩くのは悪目立ちするものです。

そんなルナがちゃんと受け入れられるのはある意味、ルーペルトのおかげ。

これは未熟で社会を知らないルーペルトだからこそ出来た事かもしれません。

少し過去の話をしよう

軍人たちのルナに対するは最初、副団長の娘だからと偉そうにしている小娘。

そんなルナがここに溶け込めたきっかけ、それはとあるバカだった。そのバカ、名をルーペルト・F・ナイト。

その日の光景を未だ多くの団員が覚えている事でしょう。



其れはルナが初めてルーペルトに出会う時、確か、2377年7日2日午前10時20分位だった筈だ。


まだまだここに溶け込めていない少女、ルナ。彼女は今、三回目の騎士団地下支部探検を行っている。

キョロキョロ、キョロキョロ

忙しなくその首をあちこちへ回すルナ。綺麗な銀髪は妖精のようにそれに合わせて踊り、好奇心が見え隠れる虹色の目はぐるぐると辺りを見回し、ジャンプ混じりのステップと無表情の顔がギャップを作って面白い。彼女のはっちゃけようは天井知らずの様です。

そんなルナの背中を追う2人の護衛はストレスによるものか、青ざめた顔をしており、不自然な冷や汗が頬からダラダラと滑り落ちていく。彼らはたった数分にして如何にも死にそうな顔をしている。そんな彼らが武器を取り上げられていないのは果たして副団長の身内故か?はたまたはこんな頼りなさそうな姿から別に取り上げなくとも暴れれば簡単に抑えられると判断されたからか?

そしてそんな三人の歩む先には如何にも強そうな装備をしている騎士たちがモーゼの奇跡のように両側へ割れるてゆく光景、実にシュールだ。

実のところ、ルナは前の二回の探検でその類稀な空間把握能力と気配察知能力を用いて既にこの支部の基本構造や常駐の騎士を粗方把握している。


突然、少女の歩みが止まる。

そんな彼女に危うくぶつかる頼りない護衛、正直言って首にしても良いレベルの間抜けさ加減です。

「お、お嬢様、い、いかがなさいましたか?」どもっているの無論、NGです。が、それよりも護衛対象よりも危険への察知が遅いのは最早言い訳不可能なレベルです。よく今までくびにならなかったものだ。

「おい、そこのてめえ!」そう睨みながらルナに近づいてきたのは一人の男。身長は騎士の中では低い方でしょう、幼さの抜け切れていない顔は些か怒りに歪めているものの、情熱的な顔作りはそれ好みの者にはかっこよく見える事でしょう。万人向けとは言えないが上の下レベルのまあまあの顔だ。よく鍛えた筋肉、そして来ている青い訓練服の肩の部分に入っている緑色のラインから見るに、彼はどうやら見習い騎士のようだ。このバカの名前はルーペルト・F・ナイト、今日で就任二日目の新人だ。


ハラハラと見守っている騎士たちに囲まれながら「なに?」コテンっと頭を傾げて聞き返すルナ、無表情の顔も合わさってお人形のよう。

それが更に気に障ったのか、男の機嫌が更に悪くなった。

「てめえが何処のお嬢様だかは知らねえがよお、ここは騎士団の訓練場だ、子供が興味で来る場所じゃねえ。分かったらさっさと帰れ!」

『女子供』ではなく『子供』な辺り、彼の声を掛ける理由は意外にも子供の心配かもしれません。

この時、周囲の騎士たちは思った(こいつ、死んだな)っと。でも同時に(誰かこいつを止めろ)と(関わりたくない)とも思った。ジークフリードの親バカっぷりは最早騎士団周知の事実であり、だからこそ巻き込まれると洒落にならない。

でも、

「いや」

「なっ!」

それを一蹴するルナ。その迷いなく姿を見て流石のルーペルトも言葉が出ない模様。数瞬後、はっとして我に返るとそのままプチっと聞こえそうな感じでキレた。

顔をさらに赤くして、威圧を出し、ルナとの距離を詰めるルーペルトを見て騎士たちは焦る。焦っているだけで止めに入らない辺り、巻き込まれたくない意識がヒシヒシと伝わる。否、ルーペルトが新人でありながらそれにそぐわない強さを持っているため、その威圧で怯んだせいと言うのも理由かもしれません。

強まっていく威圧をルナは無表情なまま受け止め、そのまま真っ直ぐ見つめ返す。

空気は最悪だ。一触即発とすら言える。


しかし、

『パタン、パタン』と言う声がそれを破った。それによって一瞬だけ、威圧が爆発的上がった後、はっと治まった。その間、もう数回似たような声がきこえた。

最初の声たちの元へ視線を逸らすと、如何やら其れは間抜け護衛二人組が地べたにへたり込む声のようだ。その尻の下からの水溜りや匂いには触りたくない。汚い。

そしてそんな惨状を作ってしまったルーペルトも流石これはヤバイと青ざめている。特に一つ目の声のせいで手加減を誤ってしまい、一瞬とは言え本気の威圧を出したのは不味い。其れは傍観している騎士の中の弱いやつが腰を抜かしたことからも分かる。

(不味い不味い不味い…………………………)もしもそんな威圧でルナが気絶、いや、漏らしてしまえばどうなるか、解らない彼らではない。

焦りながらどこか祈りめいた気持ちでギギギっと言う声が聞こえそうなぎこちなさで首を回し、視線をルナへ戻す騎士たち

そんな彼らの目に映るのはやっぱり無表情なままのルナ。

(た、た、助かったぁーー)ルーペルト含め、彼らの心の中がシンクロした瞬間だ。

如何やら彼らはジークフリードに殺されずに済んだようだ。


「わ、わりぃ、ちょっときつく言い過ぎた」それでも素直に謝れないルーペルト、今度こそ周りの騎士たちが(このバカ!)と思った。

「?別に。」そう言うルナはきっとこの時、騎士たちの目には天使のように映った事でしょう。

「そ、それよりも、あ、案内、いるか?」あ、話題を逸らそうとした

「ん、いいの?」

「ぅ、うん」

「よろしく」

「じゃ、じゃあ、ついてこい」


そういいながら焦りを隠そうと歩き出すルーペルト

そんな彼の背中を迷いなくついて行くルナ

腰を抜けたままの騎士数人と冷や汗をかいたままの騎士たち

そして誰も触ろうとしない間抜け二人

たった数十秒で作り出されたこのカオスな光景こそがルナが騎士団に溶け込めた切っ掛け。

情けない護衛と比べられながらルナを褒め称える騎士たちによって騎士たちはルナの底知れぬ器の片鱗を知り、彼女と徐々に交流するようになっていく。


これによってルナは一部の当事者からは天使とすら呼ばれることになったりならなかったりすることやルーペルトに『バカのルーペルト』の異名がつくこと、それとこの件を知ったジークフリードによる『おはなし』などは、また別のお話。

護衛のメンツの為に言っておきますと実はこの世界の『威圧』とは霊的のものでもあり、実在する現象である。

ルーペルトの威圧は一般人レベルならショック死し兼ねないレベルです。最年少で騎士団入団できるだけの実力はあるのです。

相手がルナで良かったな、ルーペルト君。でなければ多分、相手が死にかけて打ち首になった事でしょう。

それと、この時は彼も慌ててしまっただけで、この後ちゃんと謝ったよ?何の事か解らないとルナに一蹴されたけれどね。


また、護衛が首にならなかってのは代わりが見つからないからです。強いやつは騎士になった方が稼げる、強くない奴の中ではこの2人は意外にも強い方です。

パワーインフレが酷いファンタジー世界では、これはもうどうしようもない事ですね。


それと、この世界では魔法や闘気と言う魂とマナの共鳴によってもたらされる力があるので、性別の力量差は少なく、生理も魔法で抑えるから『女子供』と言った言い方は差別用語もいいところ。どちらかというと女性が魔力、男性が闘気を多くもつが、其れは総体的のもので、個体としては人それぞれです。


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