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ルナリーナの普通じゃない日常  作者: 脇野やく
第一章 ルナリーナ、7歳 カルデア暦2378年 ミドルブルー
10/32

1-4 真白の少女の日常 礼儀作法とダンスの授業

自分でも分かるほど、1-6.5までの文章はクオリティが低いのでいずれ書き直します。それまでの文章は殆ど日常だから飛んで問題ありませんので、初めての方は1-7から1-10までを見ていただいてから続きを読むかを判断してくださると嬉しいです。


天龍帝国は意外にも実力主義な所が多い。貴族だからといって勉強しなければ蹴落とされてしまう。

そんな厳しい世界に産まれたエルとルナ

そんな彼女たちの朝の授業は礼儀作法とダンス

三年の努力が妹に一年で超えられてグレないエルちゃん、強かです。頑張ってエルちゃん、ティナちゃん!もう少しでスパルタから逃げれます!

マキナ家の朝ご飯は殆ど七時半の前に終わる。

本来、騎士団の朝練は6時半には始まっているが、副団長特権によりジークフリードの出勤時間が8時となったからだ。うむ、お偉いさんとは実に汚いものだ。

まあ、実際のところそれにも訳があるが、そんな物知らなければ意味がない。


朝ご飯が終わってからは少女たちのお勉強の時間。

貴族のやる事が多く、天龍帝国の貴族は特にキツイ。

七億以上の人口を誇る天龍帝国は人材選抜のための官僚テスト【天の儀】を毎年行う。平民が天の儀で合格した場合、六等貴族になる。そして、貴族が天の儀で合格しない限り、貴族としての権力を自由に振るう事が出来ない。未合格の者が貴族の家を継ぐ場合、爵位に応じて帝国から見合う【補佐官】がつき、貴族の仕事は皆補佐官がやる。それだけでなく、それによる功績は補佐官のものとして扱われる。更に三代続きで合格者がいないと爵位剥奪となる。

そして、ちゃんとした教育を受けた貴族が一生その天の儀で合格できる比率はたったの二割。家の存続の為多くの子供を作って、長子ではなく最初に天の儀に合格した子供に家を任せるのは今や殆どの貴族の方針だ。それに例え家を継ぐ事ができなくとも、貴族の合格者は優先的に補佐官につくので、補佐官となって功績を作って陞爵する事が出来る。

とは言え、マキナ家はどうやら恵まれているようだ。子供二人共、ちゃんと合格出来るであろうと確信できるほど賢い。


冬のあったかい日差しの注ぎ込む部屋の中、三人の少女と一人の女性がいる。どうやらティナも一緒に授業を受けるようだ。

中年から老年に差し掛かろうとした外表、痩せている体に白髪混じりの金髪、ちょっと吊り上がる目元も合わさって厳か雰囲気を出すちょっと怖い女性。

シワのある顔ですが、パーツは皆程よい場所にある事から若いごろはかなりの美人だったかもしれません。美人でも年には勝てない、残念なことです。

そして、そんな彼女の背中はピンっと真っ直ぐで、所作からは優雅さを感じます。ちゃんとした教育を受けたことがあることが窺い知れる。

彼女はマキナ家が雇った礼儀作法とダンスの家庭教師ファビエンヌ・E・オベール。

ダンスとは意外にも体力の要るもの。

そして、集中力の欠けている状況こそが、礼儀作法が崩れやすい時です。

だからこそ子供のダンス授業は礼儀作法と一緒にやる。



さて、そんな彼女はいま、ルナとエルの出来を確認している。

軽やかなステップに従って踊る2人の少女

魔道具から流れ出る音楽は実に軽やかなものです。

よく見ると銀色の髪は優雅で滑らかなカーブを描いているのに対して、金色の髪は些不安定に揺れている。

少しずつ息が乱れていくエルと涼しい顔でそんなエルをリードするルナ、技術の差は一目瞭然。

注意すべきのは、無駄の動きがない上、身体能力も勇者スペックのルナ方がおかしいだけで、エルもその年にしては間違いなくトップクラスの実力をもっている。


暫くそれを見て、ファビエンヌは溜息を漏らして苦笑いした。

「どうやらルナリーナお嬢様にはもう、このわたくしが教える事がありませんようです。」そう言ってルナに自由活動を許す

どうやらチート勇者は既に礼儀作法とダンスを習得済みのようです。エルよりも二年遅れてのスタートの筈なのに、才能の壁は残酷です。

ファビエンヌ・E・オベールは礼儀作法とダンスの教師として有名な方である。

余りの厳しさとスパルタさで、本人の礼儀作法とダンスは帝国TOP5にも拘らずいまは三等貴族の子供を教えている当たり、それがどれ程のものか、お判りでしょう。

そんな彼女に合格を貰えるのは帝国TOP100の超一流クラス。ルナがその五人目となったのです。


でも、思い出してください。たった一時間前、この七歳は何をやったのでしょうか?

そう、走って食堂に入り、その後リンナの太股に座ったのだ。

能力を持ってもそれを生かせるとは限らない、その一例。

それを見過ごす辺り、意外にも緩いところのあるファビエンヌ。如何やら彼女はそれで良いと思っている模様。

良かった良かった。この子達がクソ固い貴族にならずに済んだのはきっとこう言うところが理由でしょう。良し悪しは人それぞれですがね。


「むううぅぅ」軽いステップで部屋を出ていくルナをむくれながら睨むエル。可哀想な事に、彼女には二時間のスパルタ授業が待っている。

「それでは、授業を続けましょう、エルリンナお嬢様、ティナ」

ファビエンヌの微笑みはきっとエルとティナにとっては悪魔の微笑みでしょう。何せ、合格の弟子によってファビエンヌのやる気がアゲアゲ、スパルタさもまたアゲアゲ。その上、一人少なくなった分、授業が集中するのだから。

因みに、ティナはドジる際の加減を学ぶのがメインなので、エルよりは楽だったが、ルナが抜けてしまったせいでエルの踊り相手を務めるはめになった。

二人の苦難は彼女たちが学園に入るまで続くでしょう。

礼儀作法とダンスは必要な場合で出来ればそれで良い。こう言った理解を持つファビエンヌは良い先生だと思います。


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