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魔眼姫戦記 -Record of JewelEyesPrincesses War-  作者: ひろすけほー
王覇の道編
94/336

第二十四話「裏切りの代償」(改訂版)

挿絵(By みてみん)

 第二十四話「裏切りの代償」


 「本当に勝算は在るのだろうな!?その策を成功させる根拠は在るのだろうなっ!?」


 臨海(りんかい)軍将軍、久井瀬(くいぜ) 雪白(ゆきしろ)によって赤目(あかめ)領”那原(なばる)城”が陥落してから二日……


 赤目(あかめ)領都”小津(おづ)”を放棄して東の僻地”那原(なばる)”にて臨海(りんかい)軍を迎え撃つと豪語していた鵜貝(うがい) 孫六(まごろく)が、その手勢ごと消息を絶ったことにより臨海(りんかい)赤目(あかめ)による戦の(すう)(せい)は決した。


 そして程なく、赤目(あかめ)の諸将は雪崩(なだれ)をうって臨海(りんかい)軍に降伏をしていった。


 「松長(まつなが)殿!聞いているのか?一度は降った臨海(りんかい)を裏切ったは良いが、我らが”鍬音(ここ)”で孤立するのではと、皆不安がっているのだ!」


 しかし、その流れに抗う者も確かに居る。


 赤目(あかめ)領土内、鍬音(くわね)城の廊下を早足で歩くこの二人の男、一度は臨海(りんかい)に屈服を余儀なくされたが、現在(いま)は混乱に乗じて蜂起した。


 「松長(まつなが)殿っ!!」


 片方の男が焦りも露わにもう一人の男にせっつく。


 「そう取り乱すな、荒井(あらい) 又重(またしげ)殿……無論、蜂起したからにはちゃんと手筈は整えてある」


 歩きながらも、その男に取りすがられる男は……

 松長(まつなが)と呼ばれた男は、特徴的な刀傷が眉間に刻まれた痩せぽっちの老将だった。


 「手筈?それは……」


 「”戸羽(とば)城”の楽道斎(らくどうさい)には既に書状を送り色好い返事を貰っておる、それに……」


 眉間に刀傷の老将は、呆れ顔で溜息混じりに足を止める。


 「有村(ありむら) 楽道斎(らくどうさい)に?では、では!”枝瀬(えだせ)”の荷内(にだい) 志朗(しろう)殿は?かの御仁はなんと?」


 「…………」


 安堵の表情を浮かべたのもつかの間、直ぐに新たな疑問をせっついてくる男に、眉間に刀傷のある如何(いか)にも不敵な老将……


 ”松長(まつなが) 平久(ひらひさ)”は心底鬱陶しそうにしながら首を横に振る。


 「”枝瀬(えだせ)城主”の荷内(にだい) 志朗(しろう)は我らと供に立つ気はないそうだ……臨海(りんかい)王、鈴原 最嘉(さいか)に忠義を示すと……そう返答がきておる」


 「な、なんと……くっ……」


 「…………」


 松長(まつなが) 平久(ひらひさ)荒井(あらい) 又重(またしげ)の落胆する顔を暫し眺めていたが、直ぐに口元に余裕の笑みを浮かべる。


 「なに、問題は無い。貴殿も荷内(にだい) 志朗(しろう)がそういう堅物だと知っていよう?我ら同じ赤目(あかめ)の家人であっても、そういう風に割り切れる男では無いと……な」


 「し、しかし……なんと愚かな……赤目(あかめ)の、いや、荷内(にだい)家は四十八家のひとつであるのだ!その自覚があるのか……い、いやそんなことより今は……それでは我らが計画は……」


 見る見るうちに色を無くす荒井(あらい) 又重(またしげ)の顔を眺めながらも、松長(まつなが) 平久(ひらひさ)の口元はそれでも余裕に角度を上げたままだ。


 「”枝瀬(えだせ)”は一時捨て置く、それよりも今の我らの課題は如何(いか)にこの赤目(あかめ)から臨海(りんかい)軍を追い払うかに尽きる……違うか?」


 自信たっぷりに笑う痩せぽっちの老将に、荒井(あらい) 又重(またしげ)は怪訝な顔を返す。


 「いや……しかし、”枝瀬(えだせ)”が呼応しない以上は、”鍬音(われら)”と”戸羽(とば)”の楽道斎(らくどうさい)のみで挙兵することに……それでは赤目(あかめ)全土を奪還するには……」


 「なに、問題ない。我らの蜂起には既に”赤目(あかめ)四十八家”の方々では我が主、多羅尾(たらお) 光俊(みつとし)様と他には貴殿の主、杉谷(すぎや) 善十坊(ぜんじゅうぼう)様の二家がついておる。後は厚かましくも我が領地に居座る臨海(りんかい)軍共を蹴散らせれば、臨海軍(やつら)に一度は屈服し、日和見を決め込む他の赤目(あかめ)諸将も動かざるを得ないだろうて……」


 「しかしっ!我らのみでは……如何(いか)に敵総大将の……あの小賢しい”ペテン師”鈴原 最嘉(さいか)が不在とは言え、”鍬音(くわね)”と”戸羽(とば)”のみでは……」


 どれだけ言葉を尽くしても不安を払拭できない荒井(あらい) 又重(またしげ)に、特徴的な刀傷が眉間に刻まれた痩せぽっちの老将は……


 「荒井(あらい) 又重(またしげ)っ!」


 一喝する!


 「っ!!」


 老将の突然の一喝に荒井(あらい) 又重(またしげ)は思わず息を呑んだ。


 「いや、荒井(あらい) 又重(またしげ)殿……貴殿は少し思い違いをしておるぞ」


 老将、松長(まつなが) 平久(ひらひさ)は激しい口調から一転、ニヤリと含んだ笑みを浮かべていた。


 「??」


 驚いたままの表情の荒井(あらい) 又重(またしげ)に、松長(まつなが) 平久(ひらひさ)は見栄えのしないコケた顔を左手で(さす)りながら今までで一番”含んだ”笑みを浮かべる。


 「この挙兵の後ろ盾は”赤目(あかめ)四十八家”の二家、我が主、多羅尾(たらお) 光俊(みつとし)様と貴殿の主、杉谷(すぎや) 善十坊(ぜんじゅうぼう)様……実戦指揮を執る同輩は”鍬音(くわね)城”の我らと”戸羽(とば)城”の有村(ありむら) 楽道斎(らくどうさい)に後は……」


 「……?」


 そして老将の……

 梟雄(きょゆう)と呼ばれし松長(まつなが) 平久(ひらひさ)の”含んだ笑み”は(こと)(さら)邪悪に歪む。


 「”小津(おづ)城”の宗三(むねみつ) (いち)である!」


 「なっ!!」


 まさかの名前……

 まさかの人物の名前に……


 荒井(あらい) 又重(またしげ)は大きく口を開けたまま固まってしまっていた。


 「ハァッハッハッハァーー!!どうだ?荒井(あらい)殿、大いなる勝算が見えて来たであろう」


 「し……かし、それは(まこと)の?俄には信じられぬ……」


 宗三(むねみつ) (いち)といえば臨海(りんかい)でも忠臣として特に名高い将だ。

 臨海(りんかい)領主、鈴原 最嘉(さいか)に絶対の忠誠を誓う側近中の側近……


 それは荒井(あらい) 又重(またしげ)も承知している事実だけに、その情報は如何(いか)にも信じがたいことであった。


 「なんにせよ、この”鍬音(くわね)城”は既に我らが乗っ取ってしまったのだ。後は”戸羽(とば)城”の有村(ありむら) 楽道斎(らくどうさい)が同様に万事上手く進めよう、ならば我らはもう後には引けぬ……」


 「そ、それは……たしかに」


 退路を断たれた状況で、荒井(あらい) 又重(またしげ)は頷くしか無い。


 「ふはは、いい加減に覚悟を決められい、赤目(あかめ)四十八家のひとつ杉谷(すぎや) 善十坊(ぜんじゅうぼう)様の右腕と呼ばれし荒井(あらい) 又重(またしげ)よ!その名が泣くぞっ!」


 締めとばかりにそう言い、眉間に刀傷のある不敵な老将、赤目(あかめ)梟雄(きょゆう)松長(まつなが) 平久(ひらひさ)は笑い飛ばしたのであった。


 ――

 ―


 ――”鍬音(くわね)”と”戸羽(とば)”で造反!


 その報は直ぐに”那原(なばる)城”を攻略したばかりだった久井瀬(くいぜ) 雪白(ゆきしろ)の耳に届いた。


 「お待ちください、久井瀬(くいぜ)様!久井瀬(くいぜ) 雪白(ゆきしろ)様!!」


 純白の佳人と称される名刀”白鷺(しらさぎ)

 城漆の鞘が美しい刀を手に、プラチナブロンドの髪が美しい少女がその場を発とうとしていた。


 「…………なに?」


 少女は短く応えて、不機嫌そうに振り向く。


 腰まである輝くプラチナブロンドをひとつの三つ編みにまとめて肩から垂らした美少女は、それと同色で大きめの瞳を、自分に(すが)る相手に向けていた。


 「……え……と、このまま”鍬音(くわね)”と”戸羽(とば)”征伐に向かうのは如何(いか)にも尚早です!敵の陣容も不明な事が多いですし、第一この”那原(なばる)”の地はどうされますか!?」


 彼女の臨時副官を務める木崎(きさき)という士官は、振り向いて自身に向けられる少女の美しい容姿に……


 不謹慎だと思いながらも、思わずドギマギと心臓を跳ねさせながら、少女の直情的な行動を(いさ)める。


 「…………さいかの敵は討つ……それだけ」


 白磁のようなきめ細かい白い肌。

 彼女の整った輪郭と、それに応じる以上の美しい目鼻(パーツ)が配置された容姿。

 白い肌を少し紅葉させた頬と控えめな桜色の唇と……


 白金(プラチナ)の軽装鎧を身に(まと)ったその少女は、紛れもない美少女だった。


 「で、ですから、先ずは敵の陣容を詳しく……」


 木崎(きさき)は頬を赤らめながらもなんとか食い下がる。


 「”鍬音(くわね)城”は松長(まつなが) 平久(ひらひさ)荒井(あらい) 又重(またしげ)。”戸羽(とば)城”は有村(ありむら) 楽道斎(らくどうさい)が乗っ取った……それらの黒幕は赤目(あかめ)主家でそれの主人達、多羅尾(たらお) 光俊(みつとし)杉谷(すぎや) 善十坊(ぜんじゅうぼう)とかいう雑駁(ざっぱ)


 「!?」


 木崎(きさき)は驚いていた。


 他人に興味の薄いこの少女……


 感情表現が少しばかり乏しいこの美少女が(そもそ)もこんな感情的な行動を取ること自体に多少の驚きはあったが、それよりもなによりも……


 自身が担当する戦場では無い敵将の名前をこうも覚えているとは……


 南阿(なんあ)の将軍時代に、自分の義父である久鷹(くたか) 是清(これきよ)の名を“これこれ?”と呼び、(まと)()に覚えていなかったという逸話がある彼女とは思えない。


 「さいかの邪魔をする者は斬る……それだけ」


 もう一度そう言って、彼女はまたも背を向けて歩き出そうと――


 「ま、待って下さい!久井瀬(くいぜ)様っ!!」


 「…………」


 そしてまたも呼び止められ、あからさまに不満そうな顔で、プラチナに輝く髪を揺らせて立ち止まった。


 ――これか……つまり最嘉(さいか)様のためなら……って、くそぉ……やっぱり羨ましいです最嘉(さいか)様っ!!


 その顔を見て、木崎(きさき)はそんなことを思う。


 「あ、あの……つまりですね、それはまだ全容では無いはずです。これだけ周到な相手なら他に裏で糸を引く輩があるやもしれません、今暫くはこの”那原(なばる)城”の守りを固めてこの赤目(あかめ)領内の要である宗三(むねみつ) (いち)様の”小津(おづ)”と連携を保ちつつ、天都原(あまつはら)領の尾宇美(おうみ)城に居られる最嘉(さいか)様に指示を仰ぐのが宜しいでしょう」


 「…………」


 木崎(きさき)の的確な進言に、流石の雪白(ゆきしろ)も足を止めたまま黙り込むが……どうもまだ不満な感じだ。


 「最嘉(さいか)様がこの場に居られたならきっとそう指示を出されると……」


 それ故に木崎(きさき)は、雪白(ゆきしろ)の行動理由であるところらしい最嘉(さいか)の名を使い、駄目を押す。


 「さいかが?……うん、そういえば……さいかなら……」


 それを受け、プラチナの美少女は何やらブツブツと呟き考え込んでしまった。


 「…………解った、真琴(まこと)の部下の木崎(きさき)。だったら、あなたはもっと詳しい状況を確認して。わたしは……ご飯途中だったから」


 そしてようやく考えが(まと)まったらしい美少女は、そういう丸投げ的な命令を出してから、彼女自身は自室に消えたのだった。


 「ふぅ……しかし」


 木崎(きさき)は一先ず安堵するが、疑問も湧いていた。


 「雪白(ゆきしろ)様、昼食はついさっき済ませたはず…………」


 あれだけ食べてどうやってあの完璧なプロポーションを維持しているのか?


 木崎(きさき)は”美少女という世界の神秘”に頭を捻りながらも……


 自身の仕事を進めるため、彼自身も忙しなくその場を後にするのだった。


 ――

 ―


 ――だが、それから半日も経ずに……


 状況は、急展開を迎えたのだ。


 「ほ、報告致します!依然”鍬音(くわね)城”は松長(まつなが) 平久(ひらひさ)荒井(あらい) 又重(またしげ)が、”戸羽(とば)城”は有村(ありむら) 楽道斎(らくどうさい)が占拠したままで……その、”小津(おづ)城”は……”小津(おづ)”を守る宗三(むねみつ) (いち)様は……」


 木崎(きさき)は伏し目がちに、震えた声で報告する。


 「赤目(あかめ)領土”小津(おづ)”にて……にて、宗三(むねみつ) (いち)様……謀反……」


 「……」


 それを聞く雪白(ゆきしろ)はいつも通り無表情で……


 報告する木崎(きさき)の方が動揺していた。


 「み、自らが治める領土を顧みず、議の無い戦に介入する鈴原 最嘉(さいか)の愚かな行為を捨て置け無い。よって、赤目(あかめ)領は滅びに向かう臨海(りんかい)から独立し、()れを守護すると宣言……つまり、(いち)様は……つまり……」


 「この機に乗じて赤目(あかめ)領土を我が物とし、独立するということ……ですなぁ」


 衝撃の出来事に、ショックのあまり声が震えて言葉が出てこない木崎(きさき)の代わりに……

 そこに居合わせた坊主、根来寺(ねごでら) 数酒坊(かずさのぼう)が勝手に報告を引き継いだ。


 そして、その報告を”那原(なばる)城”の謁見広間で受けた雪白(ゆきしろ)は……


 「…………」


 臨海(りんかい)の”終の天使(ヴァイス・ヴァルキル)”こと、赤目(かのち)にて新たに”殲滅将軍”と恐れられし久井瀬(くいぜ) 雪白(ゆきしろ)

 その衝撃的な報告を、美しい容姿をイチミリも変える事無く聞いていた。


 だが、木崎(きさき)の……いや、他の将兵達全員の動揺は尋常で無かった。


 ――あの宗三(むねみつ) (いち)様が!?


 ――他の誰が離反しようとも、鈴原 真琴(まこと)宗三(むねみつ) (いち)だけはそれは無いと思われていた、鈴原 最嘉(さいか)の双璧が!?


 それはこの場に居る誰もが思いもよらなかった凶事、”青天の(へき)(れき)”であった。



 「まぁ、あれですなぁ……正しい進言をしたにも(かか)わらず諸将の前で叱責され、恥をかかされては……()もありなんかと」


 ――っ!!


 空気を読まない生臭坊主の言に、その場の兵士達が(にわか)に殺気づく。


 「貴様に何が解るっ!!この(なま)(ぐさ)がっ!」


 「最嘉(さいか)様と(いち)様の絆を貴様は!!」


 (りん)(かい)の将兵はいきりたつが、実際には根来寺(ねごでら) 数酒坊(かずさのぼう)の言は的を射ている……

 とは言えなくても、遠からずだろう。


 宗三(むねみつ) (いち)がその程度のことで心服する主に矛を向けるなどあり得ないと言っても、それは既に現実のものとなったのだ。


 だから半ばそれは最早、八つ当たりだと自覚していても、

 長く臨海(りんかい)に仕え、供に時を過ごした将兵達はその言葉を看過できなかった。


 「これは失敬……とはいえ、主君が理に沿わぬ事を選択し、自身の意見、ひいては存在そのものを軽んじたとあっては……」


 首元に大きな数珠を幾重にも巻いた坊主はいつも通り、通常の倍はあろうかという酒壺を肩に抱えた格好で、自身が作り出した殺気立つ空気の中でも平然と続ける。


 「根来寺(ねごでら) 数酒坊(かずさのぼう)殿……(いち)様は真面目な方なんです。そして、しっかりとした矜恃を持たれた筋の通った方、ですから皆が信じられないのも無理は無いのです」


 言葉を震わせながらも、木崎(きさき)枝瀬(えだせ)城から使者の役割を担って来たばかりの客将である坊主に答える。


 「…………真面目故に起こる悲劇もあるであろうに、」


 「か、数酒坊(かずさのぼう)どのっ!!」


 ああ言えばこう言う、遂に木崎(きさき)さえも感情を爆発しかけた時だった。


 ――ヒュン!シュバッ!


 「なっ!?」


 「お、おぉ……!」


 副官と坊主はその一閃に目を見開く。


 ズッズズ…………ガシャン!!


 そして、その光の軌跡が消失して一呼吸後、

 中央に鎮座してあった玉座の背もたれが斜めにスライドして、上半分が石床に落ちた。


 「…………」


 「…………」


 そこにいた将兵達も一瞬で言葉を無くして立ち尽くす。


 「お、おぉ……なんと刹那で鋭利な、(まさ)にこれは”神速剣”」


 「……雪白(ゆきしろ)……様……」


 数酒坊(かずさのぼう)木崎(きさき)もその元凶である少女を見ていた。


 そして、()()には……


 「…………」


 最早”ひと”が御することができるとは思えないくらいの覇気を(まと)った美しいプラチナの髪の美少女が居た。


 ――細みの刀身に(しな)るように切っ先まで突き抜ける流麗な刀影(シルエット)

 ――零れ入る光を直刃(すぐは)刃文(はもん)が白く内包する白雪の刀身


 真に映える見目麗しき純白の佳人と称えられる氷の刃を抜き身に下げた美少女。


 いや、”抜き身”なのはそのプラチナブロンドの美少女自身も同様だろう。


 「斬るわ……それだけ」


 そして幾万の星の大河を内包したプラチナの双瞳(ひとみ)に殺意を()めた臨海(りんかい)の”終の天使(ヴァイス・ヴァルキル)”は……


 赤目(あかめ)領”那原(なばる)”の地に降臨した。


 第二十四話「裏切りの代償」END 

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