はじめましてBクラスへ②
前回の続きから始まります。
さっきまで騒いでいた教室が一瞬として静かになるのが感じられた。そうだ。多分先生だろう。扉が開き入ってきたのはまさしく予想通りである担任となるであろう教師だった。
「皆、おはよう~」
担任の先生が挨拶をしてきた。俺を含めクラスの皆はすぐに自分の席に座った。
「あ...皆、そのかしこまらなくてもいいぞ。逆にやりにくいからな。」
この一言で何となくわかる。この先生はこの静かな空気が嫌なんだろうな。
「じゃあまずは俺の自己紹介をしょう。俺の名前は高橋真奈斗だ。これから一年間お前らB組の担任になるがその...堅苦しいのは嫌いだから気軽に真奈斗先生と読んでくれ、頼むわ。」
何か凄い先生だな、男の先生だが何というか気軽に話しやすい先生かも。
「それでは、君らの自己紹介といきたいところが一つだけ言いたいことがあるからよく聞け。この学園のシステムについてだがこの学園では自主性を求めている。つまりだな、君ら一人一人の選択によってこの学園の制度が変わると言うことだ!」
先生の発言した言葉には理解することができた。つまり俺らの選択により全てが変わる可能性があり得ると言うことなのね。
「あーそこの君、沢田麻耶さん、君はこの制度についてどう思うか聞かせてもらおう。」
真奈斗先生がいきなり生徒に質問してきた。それに対し沢田さんは動揺しているが少し経って落ち着いたのか答える態勢になった。
「わたしは、この自主性を求める制度は良いと感じます。理由は単純です。この学園では他の学園と違って教師達ではなくわたし達生徒が運営しているみたいなものですよね?」
その沢田さんははっきりとして自分の意見を答えた。
「正解だ。沢田。君はもうこの学園の一部を理解していると言うことだな。流石だ。」
『 学園の一部?』と言う言葉が出たがそれはどういうことだ?と疑問が生じる。
「悪い、長話してしまったな。じゃあこれから自己紹介をしてもらう。順番ずつ進んでいくからまあ皆の自己紹介期待しとくな。」
真奈斗先生は笑い顔でそう呟いた。自己紹介ってつまり前に出て自分の紹介をするってことだよな(当然の事)に何故か今は緊張する。その緊張は男であったときはこういう場面ではこないが女になってしまった俺はドキドキと心臓が鳴りまくる。
ああ─ヤバい色々とヤバい。どう自己紹介しょうか迷う。まず一人称だが『俺』は駄目だな。さっきまでは無理に『わたし』って使ってたけど.....う~ん、ここは女の子になりきった言葉で行こう。
「えっと、俺の名前は榊大道と言う。趣味は機械弄りで特技がダンスだ。俺は皆と仲良くなりたいから一年間よろしく頼むわ。」
一人の自己紹介が終わり拍手が鳴る。榊.....珍しい名字だな。余り聞かないが、容姿は身長が高く格好いい生徒だ。
「次はわたしね。わたしの名前は佐藤千秋です。趣味は歌を歌うこと、特技はピアノが引けるってことかな。皆よろしくね。」
佐藤千秋という女子生徒はとても明るく可愛らしい生徒だった。。特に髪型はツインテールに結び2次元キャラだと『ツンデレ』という分類に入るだろう予感がしたのは俺だけだろうか。
「僕の名前は、鳴海蒼汰です。趣味は読書。特技は特にありません.....よろしくお願いします。」
この生徒は眼鏡をかけていて何というか暗い?感じな生徒かな?
「九条蓮だ。このクラスの中には俺のこと知っている人がいますね。まあ言います。俺はこの学園の理事長の息子です。俺は中等部出身だから知っている人と知らない人がいますね。それはさておき趣味は人助け。特技はスポーツ全般、よろしくお願いします。」
九条さんの自己紹介だが衝撃の事実。理事長の息子と言うことだ。後、説明するの忘れていたけどこの学園の生徒数が多いのは中等部・高等部があり中等部組からの人と高等部からの人がいる。俺は高等部からだ。
「ぶっ飛んだ話ししたわね蓮。次はわたし、名前は神崎彩香です。趣味は裁縫、特技は特に無いね。わたしも中等部組だから知ってる人はまたよろしくとはじめての人はよろしくね。」
九条さんと仲良くしていた生徒─神崎彩香と言う名前らしい。中等部か.....九条さんとどういう関係なんだろう。
ん.....神崎は手をこちらに向かってふってきた(笑顔で)俺は会釈した。
「わたしは、沢田麻耶です。まぁ中学の時は委員長的なことをしていたけれど皆よろしくお願いしますね。」
沢田麻耶──先程、先生が話していたこの学園について理解しているであろう生徒だ。俺が見る限りとても怪しそうな生徒だと感じる。
「俺は真島貴斗。中等部組だ。趣味や特技は企業秘密だ。よろしく頼む。」
この男子生徒真島貴斗──こちらも何というかよくわからない生徒だ。九条さんと神崎さんと仲良い?の人だが何を考えているんだろうな?
「よし、次はそこの君だ。」
ん?考え事をしている間に俺の番が来てしまったようだ。考え事をしていたお陰で緊張がいつの間にか解けていたらしい。
教壇の前に立つ。
「お...わたしは、綾瀬葵と言います。趣味はゲ...じゃあなかった絵を描くことです。特技は特に無いですね...あっ小中学では剣道をしていました。皆さんよろしくお願いします。」
ふぅ~何とかやりきった。危ない危ない、ゲームと言おうとしたし特技はあるけど言いたく無かったのでその代わりに剣道していたことを言って乗りきりましたよ。わたしがんばりました。
それからも自己紹介は続き終わった。
「それじゃあもうやることは無いが今から選択制で授業を書いてもらう。プリントを配るぞ。」
この学園の制度の一つ、選択制で授業をすることか。これは学校のパンフレットに書いてあったな。
「それを書き終わったら解散だ。」
これでようやく学園1日目が終わる。長くは無いのだけど長く感じてしまった。一様、このプリントに数学、現国、化学、英語、美術、家庭科と入れておこう。
「じゃあ帰るか。」
今日、一日券、色んなことがあったけど新たな出会い、新たな生活、沢山楽しいことが待っているのかも知れないが俺にとって一番悩むのはこの姿には触れないでおこうと思うのだった。
今回は主要人物の紹介や学園の一部について触れましたが次回は家に帰った後の話になります。
次回もよろしくお願いします。