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藤吉郎におまかせあれ  作者: ヤブ医者
信長 尾張の小大名時代編
6/35

稲生の戦い2

第1章決着


信行軍 本陣


「何っ?勝家が負けた?」

信行の元にその報せが入った。

「はいっ、勝家様は現在こちらに引き返している模様です」

「何故じゃっ、勝家の軍は1000人いたのだぞそれがたかだか350人に」

「落ち着いて下され、先の戦で信長軍も相当な損害が出たはずそれにまだ我々がいます」

林秀貞は信行を諌めた。

信行は

「そっそうじゃな」

信行は苦笑いを浮かべた。


信長軍 本陣


俺は考えていた。

どうにか勝家軍は退けたでもこの戦いで損害が出たのは敵だけではない我々にも相当な損害が出た。

俺は陣の中に設けられた作戦指揮室的なテントのなかをうろうろしていた。

まだ数の優位は敵にあるか。

戦は数ではないと言うがそれは軍師が優秀な場合だ大抵は数で決まる。

果たして俺は優秀な軍師か否かそれはこの戦で決まる。

負けられない負けたら歴史が変わってしまう。

ふぅとため息をつく。

でもさっきの戦で分かったことはあるそれは敵の兵士は驚く程の豆腐メンタルだということだ、敵の兵は何かあるごとに怯えていた。

つまりこの戦でも何か起こせば敵の士気は下がり俺たちにも勝機が見える。

だがそのアクションがなかなか浮かばない。

そこに信長が入ってきた。

「どうだ調子は?」

信長は聞いてきた。

「やるべき事は分かりましたでもやり方がまだ…」

「やるべき事とは?」

「やるべき事は敵の士気を下げる事です」

信長はなるほどという感じで頷きながら

「確かに信行の軍は心が弱かったな」

「はい、士気さえ下げることが出来れば」

信長と俺は黙った。

ふと信長が顔を上げた。

「声はどうだ?」

「声?」

「そうだ、声には言霊というように不思議な力が宿ると言うし先ほどだって俺が叫んだら逃げて言ったしな」

声か確かにいい策だけどそれだけじゃ弱い何かあと一つ敵をびびらせる事が出来れば。

その時信長が

「だがいくらなんでも言霊など敵も信じて

いないか」

言霊?魔術!そうだあれしかないちょっと強引だけど信長の兵ならできるはず。

俺は信長に

「今から大急ぎで敵との戦場所になりそうな所に今から言う仕掛けを施して下さい」

俺は信長にそう頼みテントを去った。


信行軍 本陣


「伝令っ!信長軍こちらに向かって進軍中っ!!」

『ついに来たかぁ』

武将たちの士気は明らかに下がっている。

だが信行は

「はっついに来たかっ!返り討ちにしてやるわっ!!」

と士気が上がりまぐっていた。

「林秀貞お主に勝家軍の生き残りを授ける勝家と共に信長を討ち取れっ!」

そう声高に叫んだ。


稲生原 戦場


両軍は向かいあった。

またも藤吉郎は邪魔という事で陣で留守番させられていた。

林秀貞は腕を天高く上げる。

次の瞬間秀貞は叫んだ。

「全軍突撃ーっ!」

『うおーっ』

秀貞軍は信長軍に突撃を開始した。

だがそこに信長は居なかった。

その時

「信行の弱兵どもよっ!」

誰かが叫んだ。

「お主らに俺は討てないっ!」

『だれだっ?』

敵は歩みを止めた。

声は続く。

「なぜなら俺の部下は強いからだっ!お主等のような腰抜けとわ違う今もこの様な素晴らしい策を考えてくれたっ」

『信長?』

『信長じゃないか?』

辺りはざわつく。

次の瞬間

「今だぁっ!逆賊信行を討てー」

ずどぉーん

二ヶ所で大爆発が起こる。

『なんだー』

その煙の中に誰かがいた。

その影は敵に向かって歩いていく。

その影は

『信長だー』

『どういうこどだ!』

『一瞬でこっちに来たというのか』

『きっ鬼道だっ!』

辺りは大混乱

信長は

「全軍突撃ーっ」

全軍に突撃を命じた。

「ふふっふははははっ」

信長は高笑いした。

あの策の仕組みは実に単純なものだ。

まず事前にこの戦場に簡易爆弾を置いておき導火線をなるべく遠くまで伸ばす。そしてその爆弾の近くに人一人入る位の溝をほり、そこに信長を寝かせるここは平野だから見つけにくい、そして戦が始まったら信長に何か叫ばせる信長は馬鹿デカイ声の持ち主だ案の定辺りによく響いた、あとは爆弾を爆発させたと同時に信長は立ち上がり煙の中に瞬間移動させたように見せたのだ。

敵はもう既に戦意を喪失していた。

信長軍は逃げ惑う敵に猛攻撃を仕掛けた。

敵はなすすべも無く次々と倒れていった。

そして

「退却ー退却ー」

秀貞は叫んだ。


信長軍 本陣


本陣には中心武将達が勢揃いしていた。

「信行軍は末森城に籠った様ですな」

可成は言った。

信長は

「あぁそうだな」

と素っ気なく返す。

それに対し利家が

「殿どうするのですか?」

信長は微笑すると

「無論叩き潰す」

武将達の目が変わる。

信長は

「全軍出撃だっ!信行を完膚なきまでに叩き潰しに行くぞっ!」

そう叫んだ。


末森城 信行の部屋


そこには林兄弟と勝家が来ていた。

そこで信行はわめいていた。

「何故っ何故じゃぁ。いつもいつもそうじゃわしはいつも天に見捨てられるなぁそうであろう」

3人は縮こまりながら座っていた。

信行の言葉に勝家が答える。

「そっそんなこと…」

信行は構わず続けた。

「わしは兄上と違い必死に頑張ってきた兄上が村で遊んでいた時もわしは兵法や武術に勤しんだ武将としての才覚はわしの方が上だというのに何ゆえ兄上が神の寵愛を受けるのだっ!」

信行は足下にあったひじ掛けを蹴り飛ばした。

信行の目には涙が浮かんでいた。

「死にたく無い…死にたく無いっ…」

その時襖が開いた。


信長軍 末森城の周り


信長軍は末森城を包囲した。

信長が末森城に総攻撃を仕掛けようとしたとき。

「信長様っ!信行様は降服するようにございます」

信行は降服した。

信長軍は戦わずして末森城にはいった。


末森城 評定の間


そこには俺を含め信長軍の武将と信行軍の武将が向かい合って座っていた。

その中心には信長と信行が向かい合っているだが信行の隣には見慣れない女性が座っていた。

その女性は話し出した。

「この度は降服をお請けくださりありがとうございます。信行もここまで反省しておりますですからどうか許してやってください」

なんだ?何であの人が仕切ってんだ?

信長は答えた。

「母上言われなくとも私は信行を殺す気などありません」

母上?信長の母と言ったら土田御前か!

土田御前、織田信秀の正室で信長、信行の母他にもお市の方などの母でもある。

信長はイタズラっぽい笑いを浮かべ

「だが信行母に謝って貰うのではなく自分で謝ったらどうだ」

そういって笑った。

この後信行は寺に送られた。

こうして兄弟対決は一度おさまった。


第2章すまない弟よ


稲生の戦いからしばらくたち1556年が終わった。

1557年元旦信長は毎年の如く濃姫に愚痴をいいに来ていた。

「新年の挨拶は実に疲れる」

信長は寝転がった。

「毎年恒例ですね殿の愚痴は」

濃姫はクスクスと笑った。

「何がおかしい?」

「あっいや毎年同じやり取りをしているなと」

突然信長は悲しい顔になった。

「いや違いことが一つある」

「一つですか?」

「あぁ毎年濃の他にもう一人愚痴を言いにいく者がいるんだ」

「信行様ですね」

信長は空を見た。

空はこれでもかというほど晴れ渡っている。

「毎年信行に愚痴を言いにいくんだ信行は迷惑そうに聞き流すんだけどな。俺は信行と仲良くしたかったんだ。アイツには悪いことをしたアイツは幼いころから勉学に励んでいたそれに比べて俺は外で遊び呆けて勉学などするきにすらならなかったなのにそんな俺が父上に気に入られそして家督をついだ。悔しかっただろうなぁ」

濃姫は信長のこと見つめた。

信長は悲しそうに言った。

「いつか俺に心を開いてくれるかな」

濃姫は

「開いてくれますきっと…」


そしてそれから更に11カ月信行謹慎中の寺。

そこに勝家は呼び出された。

「ようというのは?」

勝家は信行に聞いた?

「勝家あれから随分たった」

信行は静かに話始めた。

「勝家わしはまた兄上に謀反をおこそうと思う」

勝家は驚いた。

「信行様っその様な事はおやめ下されっ」

「なにを言うかこの期間に我々の戦力は整ったこの前は焦りすぎたのだ」

勝家は何も言えなかった。

「信行様ぁ…」


信行のいる寺を後にした後勝家はすぐさま清洲城に向かった。


清洲城 恒興の部屋


「何っ?またも信行様が反旗を翻すと?」

恒興は驚いた。

「本当に信行様がそうもうしたのですか勝家殿?」

「あぁそうだ、某は何も言えなかった」

勝家は呆れ顔で答えた。

恒興は

「まさかまた信行様の味方をするのではないでしょうな?」

「するわけがなかろうあの時某は殿に服従を誓ったのだ」

「そっそうですな申し訳ない」

「よいのだ、それよりどうする」

恒興は声に詰まったが思いきっていった。

「切りましょう…」

「そうだな…そう言えばとのは?」

「あー殿は風邪で寝込んでおられる」


清洲城 信長の部屋


「ゴホっゴホっ」

信長は風邪に苦しんでいた。

「くそーぉまさか風邪をひくとはぁ」


信行謹慎中の寺 信行の部屋


「なんだと?わしに信長の見舞いに行けと」

信行は勝家に聞いた?

「はい殿は先日から体調を崩しているとか殿の信頼を得るためにどうか」

「そう言われてもなぁ」

「今信頼を得ておけば謀反の時に役に立ちます」

「そうかそうだなっ流石は勝家だ」

そういって見舞いを快諾した。

勝家は部屋を出た後

「勝家殿すまない」


清洲城 離れ


「勝家ここに本当に兄上がいるのか?」

信行はそわそわしている。

勝家は信行を人気の無い部屋に案内した。

襖を開けるとそこに信長は居なかった。

そこには恒興が佇んでいた。

「勝家どういうことだ?兄上は?」

「殿は来ません」

信行はその言葉に全てを悟った。

「勝家お主…」


清洲城 信長の部屋


「何で俺呼び出されたんですか?」

俺は信長に呼び出された。

「すまんすまん話相手が欲しくてな」

「そんなに元気なら外に散歩にでも行きます?」

「おぉ良いなじゃあ離れに行こうあそこには良い木がある」

俺たちは部屋を出た。


清洲城 離れ 廊下


「無理はしないで下さいよ」

俺は信長と離れの廊下を歩いていた。

廊下から縁側に出る角を曲がった時人影が飛び出し俺たちは足を止めた。

信長の顔に何か赤いものがついている。

血?

「まてっ!信行っ!」

その声は恒興だった更にその後ろには勝家。

「何故ここに殿が?」

恒興は驚いている。

「信長ぁー」

あの人影は信行だった信行は庭に飛び出している肩からは血が流れていた。

「やはりやはり嘘だったか病を装いわしを殺す気だったのだな」

信長は呆然としている。

「だがなぁお主にわしは殺せん」

そう言い放つと信行はどっしりと座り込むと腹に刀をつき当てた。

「信行っ!!」

信長は走り出した。

でも間に合わなかった。

信行は腹に刀をつき刺した。

辺りには血が飛び出し雪を紅く染める。

「信行ーっ!」

信長は信行に走り寄った。

「信行っ信行大丈夫かっ!?だれかっだれかー!?早く死んでしまう…」

そんな信長に勝家が

「殿…おどきくだされっ介錯致します」

「なっなにを行っているのだっ!まだ助かるっ!」

そんな信長に信行は信長のうでを掴み

「兄上もう助かりません早くどいてくだされ」

と弱々しく言った。

「何を?」

「わしは…悔しかったのです兄上にいつも…先をいかれてでも…今思えばもっと仲良くしておけば良かった…」

「信行…」

ゴフッ

信行は血を吐く。

「兄上ぇ…天下を…天下をお取りくだされぇ…」

そして信長を押し飛ばした。

「信行ーっ」

どすっ

信行は首を切られた。


清洲城 濃姫の部屋


あれから3日が経った。

徐々に信行の死の影響は去っていっている。

「良かったのですか?信行様は殿に騙し討たれたとして」

濃姫は聞いた。

「良いんだ。策にはまってのこのことやって来て重臣に裏切られて死んだ何て武将として恥だ。これは俺からのせめてもの償いだ」

濃姫は信長を見つめた。

信長は遠くを見つめながら

「天下とるぞ信行…」

そう呟いた。

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