第16話トラック沖海戦 突入の一水戦
第六駆逐隊活躍します
艦これファン必見かなあ?
「雷」は、敵艦に一気に接近していた。
「雷撃用意」
折田艦長が、水雷に命じた。
「雷」は敵戦艦列最後尾の艦に、雷撃を第六駆逐隊の僚艦と共に、仕掛けるのだ。
「雷」と目標の艦との距離は、5500まで縮まっている。
すでに、魚雷発射の準備は、ととのっている。
後は、成田駆逐隊司令が第六駆逐隊全体に司令を出し、折田艦長が「雷」の水雷に命令を下すだけだ。
この間にも、「雷」を始めとする4隻は、全主砲を放って敵艦への攻撃を、続けている。
駆逐艦程度の主砲で、戦艦を戦闘不能に追い込むことは、出来ないが測距儀やレーダーなど、防御したくても出来ないところに命中すれば、砲撃精度は落ちるだろう。
敵艦に、攻撃目標を変える気配はない。
自艦が狙われていないとでも思って、入るのだろうか。
「5000!」
遂に待っていた報告が、見張り員から入った。
その瞬間成田駆逐隊司令は「第六駆逐隊雷撃始め」を渾身の地下を込めて、発令した。
そして、ほとんど間を空けずに折田艦長が、「雷撃始め」を、「雷」水雷科に命じた。
「雷撃始めよーそろー」
その返答が、水雷長から入ってくる。
それと同時に、各発射管から1本づつ2秒間隔で、九○式魚雷を放つ。
放たれた魚雷は、46ノットの高速で敵艦に、接近していく。
そこには、4隻計36本の白い航跡が描かれている。
その全てが、「アイダホ」目掛けて伸びていく。
九○式魚雷は、通常の空気式のため航跡を、残すのだ。
だが昼間にここまで接近してしまえば、影響はない。
「命中まで、約6分50秒です」
計測士官が、命中までの時間を告げた。
「本艦は、砲撃を続行する!」
それに大した意味はない。
それに魚雷を放ったならば、即座に離脱するのがセオリーであるが、今は攻撃を受けていない。
だから、問題は無いと判断したのだろう。
「雷」を先頭に、第六駆逐隊は敵艦と併進し、4隻合わせて24発の砲弾を、次々と矢継ぎ早に放つ。
若干射撃の時間差がある為、絶え間なく敵艦に命中弾命中の光が、煌めき外れ弾の、水柱が立ち上る。
その合間に、「榛名」の36センチ砲弾が、この場では圧倒的な存在感を持って、着弾する。
「アイダホ」も負けじと応戦しているが、自艦に接近してくる魚雷に、ようやく気付いたのか、大の方に向けて、艦首を降り始めた。
まだ、命中までの時間はある。
だがその前に、「アイダホ」の艦首に閃光が巻き起る。
「榛名」の36センチ砲弾が、艦首を直撃したのだ。
しかし、それにもめけずに、回頭を続ける。
「いいぞ、とどめを刺すぞ!」
「榛名」艦橋で、艦長木村進大佐が、言った
「榛名」はこれに答えるこのように、砲弾を放つ。
敵艦との距離は、25000を保っている。
「敵は、回避に入った模様」
見張り員が、伝えてきた。
「第六駆逐隊が放った、魚雷だな。射撃続行。敵が転舵しきったら、射撃中止だ」
木村艦長が、砲術長に言った。
「了解しました」
と返答が、すぐに帰ってくる。
木村艦長は、第六駆逐隊が雷撃した旨の報告を、すでに受け取っていた。
そうでなくても、あの動きは雷撃でしかない。
「後1分です」
計測士官が、あと1分程で敵艦に到達することを、成田駆逐隊司令や、折田艦長に伝えた。
その瞬間喧騒に包まれていた艦橋が、一気に静まる。
それはまるで、嵐の前の静けさのようだったら。
折田艦長は、緊張で呼吸が浅くなるのを感じた。
そうこうしているうちにも、魚雷は敵艦の、艦腹を食い破るべく、突進している。
「雷」艦橋は、緊張による静寂に包まれた。
その静寂を破ったのは、くだんの計測士官だった。
彼は威勢良く「じかーん!」
と叫んだのだ。
それでも直ぐには、水柱は上がらない。
艦橋要員が、みつめる中その瞬間、敵の艦腹から天へと、長大な水柱が吹き登った。
1本だけではない。
続々と、敵艦の右側に水柱が、吹き登る。
「命中!」
の報告が届いた瞬間「雷」艦橋は、歓声に包まれた。
最終的に「アイダホ」には、6本の魚雷が、命中していた。
「アイダホ」は、最後の水柱が吹き登るのとほぼ同に、傾斜を強めていった。
「アイダホ」艦内では、水圧との激戦が繰り広げられている。
だがこれを、「雷」や「榛名」から、見ることは出来ない。
ただ、「アイダホ」が、転覆していくのをみているだけだ。
「しぶとい!」
折田艦長が、業を煮やしたように言った。
なかなか沈まない、敵艦に対する物だった。
「榛名」や第六駆逐隊の4隻は、未だに敵艦に射弾をあびせかけている。
敵艦の艦上には、絶え間なく直撃弾炸裂の閃光が、立ち上る。
「取り舵いっぱい、離脱する」
成田駆逐隊司令が、言った。
敵の直掩駆逐隊が、混乱から抜け出し第六駆逐隊に、接近していたのだ。
数で劣る第六駆逐隊が、敵う相手ではない。
ここは、おとなしく引くのが、最善であろう。
「敵艦横転しました!」
見張り員から、喜色のこもった声で報告が入った。
「ようやくか」
折田艦長が、安堵したように言った。
「アイダホ」の艦体は、横倒しになり弦側が、海面についている。
「(第六駆逐隊は、「榛名」と共同して敵戦艦1を撃沈せり)打電しろ」
成田駆逐隊司令が、通信に命じた。
無電によって、艦隊の各艦に第六駆逐隊の戦果が、伝えられる。
「本隊は「榛名」と合同で、敵戦艦を撃沈した!」
艦長が、艦内放送にて乗員に伝える。
その瞬間、「雷」艦内がどっと沸いた。
艦内の各所で、歓声が上がり、喜びが爆発する。
「よくやった、これも総員が力を合わせた結果だ」
艦長は、放送でそう続けて言った 。
「雷」は、反転して36ノットの高速で、突撃してきた道を、反対側に離脱していく。
「一水戦、突撃します!」
見張り員が、言った。
本来なら、一緒に突撃していた僚艦が、敵戦艦列に遅れて突撃して行くのが、見えた。
「やってくれよ」
そう折田艦長は、呟いた。
「命中、2いや6です」
一水戦旗艦「阿武隈」の艦橋に、見張り員から報告が入る。
「第六駆逐隊は、目標を達成した。我本隊も、第六駆逐隊に負けない戦果を上げるぞ」
一水戦司令官大森仙太郎少将が、言った。
「やりましょう!」
艦橋内で、乗員の叫びがこだまする。
「我々も、大物を仕留めましょう!」
一通り、艦橋の喧騒が収まったところで、「阿武隈」艦長村山清六大佐が聞いた。
「目標は、どうします?」
「第十七駆逐隊は、本艦とともに敵七番艦を第二十一駆逐隊は、敵八番艦を第二十七駆逐隊は、九番艦だ」
大森司令官が言った。
「もっと大物に行かないのですか」
村山艦長が、言った。
「どういう事だ」
大森司令官が、静かに言った。
「敵二番艦や三番四番艦と言った、新鋭艦です」
艦長は、興奮しながら言った。
「本官も出来ればそうしたい」
彼は、少し貯めてから続けて言った。
「だが、直掩駆逐隊が態勢を立て直しているからな、難しいだろう。
それにいざとなったら、第三水雷戦隊もいる。
ここは、堅実に敵を葬るべきだ」
「なるほど、欲を出さず確実にやる。そうですね?」
艦長が、確かめるように聞いた。
それに対し、大森司令官は淀みなく答えた。
「そうだ」
「第六駆逐隊離脱します」
見張り員から報告が、上がってくる。
これまでも、幾度となく繰り返された動作だ。
そして、その時を待っていたかのように、大森司令官が、命令を下す。
「一水戦、突撃開始!」
その叫ぶとともに、取り舵いっぱいが、下令される。
まず初めに、旗艦「阿武隈」が5500トンを超える艦体を、左に回す。
それに続いて、第十七駆逐隊の「浦風「磯風」「谷風」が、乱れなく転舵していく。
それだけでない、第二十一駆逐隊、第二十七駆逐隊の各4隻も、それに続いて展舵する。
一水戦は、敵戦艦列の後方から、接近していく。
「敵駆逐艦10来ます!」
見張り員の絶叫が、届く。
それに続いて、「さらに4隻来ます」の報告が、入ってくる。
敵艦隊は、計14隻の駆逐艦を一水戦への迎撃に、繰り出してきたのだ。
一水戦は、1隻減って12隻。
両者、「阿武隈」を除くすべての艦が、12、7センチ砲搭載艦だ。
敵迎撃部隊は、70門。
一水戦は、58門
それに「阿武隈」の5門が加わる。
「阿武隈」は、先ほどの巡洋艦列への雷撃で、艦首2門の主砲を破壊されている。
その為、片舷には4門しか放てない。
やや日本側が不利だが、日本側にまともに砲撃戦を戦う意思は、無い。
実質的には、反航戦になるだろう。
「敵艦隊、直進してきます!」
見張り員から、敵艦隊についての報告が、入る。
丁字を描く気は、無いようだ。
「やはりな」
大森司令官が、そう呟くのを村山艦長は聞いた。
司令官は、敵戦艦列の直掩が目的であり、ここまで近づいた以上、後ろに回られる恐れのある、丁字戦はしないと読んだのだ。
彼の予想は、当たったと言える。
「10000」
見張り員から、距離を告げられる。
その瞬間、敵戦艦の弦側いっぱいに、射撃炎が光るのを見た。
「敵戦艦、副砲を射撃開始!」
見張り員の絶叫が、艦橋に響いてくる。
「敵戦艦の副砲は、12、7センチ両用砲です。そこまでの脅威にはなりません」
今まで沈黙を守っていた、砲術長が言った。
そのことは、開戦前から駐在武官や、ジェーン海軍年鑑イギリス、からの報告によってこの事をよく掴んでいた。
最新の情報では、新鋭戦艦も副砲は同様の両用砲を、装備していることが分かった。
確かに、短い射撃間隔で放たれる、それは驚異的だが、数発で戦闘不能になるほどの、損害を喰らうことはない。
注意すべきは、魚雷発射管への直撃である。
すでに、それによって「浜風」が轟沈している。
「来るか!」
敵弾の飛翔音が、一気に大きくなったのを聞いて、艦長が叫んだ。
その瞬間、10発程度の敵弾が相次いで「阿武隈」の、周囲に着弾する。
「反撃しろ!」
大森司令官が、そう絶叫しながら命令を下す。
「打ち方始め!」
それを聞いて、即座に命令を艦長が下す。
それとほとんど同時に、艦橋の両側で発射炎が、噴出する。
お互いに正面から接近している為、前部砲しか打てないのだ。
それに前後して、敵駆逐艦の放った、砲弾も着弾する。
だが、どちらも照準は甘く、至近弾が数発出ただけだった。
旗艦が発砲したのを見て、自分たちもと思ったのだろう、後続する駆逐艦が「阿武隈」を援護するかの様に、12、7センチ連装砲を6秒ごとに、撃ち放つ。
そうしてまず、敵駆逐艦との砲戦が始まった。
魚雷を使うわけには、行かないのが痛い。
いくら再装填装置があると言っても、魚雷は2斉射分しかない。
すでに先ほど、1射放っている為もう、今あるので最後なのだ。
その最後の魚雷で、敵戦艦列への雷撃を敢行するのだ。
砲戦で叶う相手でないことは、駆逐艦乗りなら、誰もが知っている。
それに、戦艦をやったほうが、艦隊へも被害が少なくてすむ、という考えもあった。
そうして、ほとんど駆逐艦同士の、壮絶な砲戦が幕を、あげたのである。
戦艦のような破壊力は無いが、連射の効く主砲が次々と、鉄の塊を吐き出していく。
その鉄の塊が、着弾するたびに、火柱が上がる。
双方が、多量の砲弾をぶつけ合う為、紛れ当たりが、頻発しているのだ。
「第二煙突に被弾!」
後部見張りから、報告が入る。
続いて応急班から「罐や主機は無事、戦闘航行に支障なし」、と詳細な報告が入ってくる。
特に問題は、無いところへの命中だったらしい。
今でも「阿武隈」は33ノットの速度で、突撃を続けているのだ。
「阿武隈」の2門の14センチ砲が、敵駆逐艦に向けて、火を噴く。
「阿武隈」の周りには、常に水柱が、乱立している。
思わず、「阿武隈」轟沈と、言ってしまいそうだと、「阿武隈」に後続する「浦風」の見張り員は思った。
だが、波の頂点んに達すると、いつものように「阿武隈」が姿をあらわす。
「よかった」
彼はその度にそう、安堵の声を漏らす。
「やはり敵は、物量で迎撃してきました」
村山艦長が、大森司令官に向けてそういった。
「その通りだ、それに我が一水戦も精鋭部隊だ。そも程度なら、足止めされもしない」
大森司令官が、そう言うと同時に敵駆逐艦の、1隻から火柱が立ち上った。
そして次の瞬間、艦体が一気に粉砕された。
「魚雷発射管に、直撃したか」
「阿武隈」艦橋には、誰ともなく言ったその一言だけが、響いていた。
「いつ見ても、やはり凄いものだな」
大森司令官が、感嘆しながら言った。
彼もまた、魚雷発射管への直撃による誘爆、という光景に言葉を失っていたのだ。
「確かに、瞬間的に艦が沈没しますからね」
艦長も、そういうのが精一杯だった。
彼もまた、目の間の光景に目奪われていたのだ。
第16話完
戦艦撃沈でっせ
書いてるのと投稿すんのが離れすぎてて、わかんなくなってる
艦これ飛鷹型揃ったし瑞鶴、赤城さんも来た
やったね
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