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3.たまには過去を振り返ってみよう

 「ハッ…!今…何時だろ?」


 和都はガバッと布団をまくり、上半身をたたき起こして時計を確認する


 「何だよ…まだ4時過ぎくらいか…。何か最近、寝付きが悪いなぁ…」


 そうなのだ。最近、よく深夜に目を醒ましてしまい、2度寝、3度寝が当たり前になってきてしまっている

 しかも平日・休日関係なく、多いときは週に5回くらいあるのだ


 「明らかに、生活リズムの狂いとストレスのせいだろうなぁ…」


 こんなことをぼやきながら、再び布団をかぶる


 「うーん…。何だかんだ、この2度寝、3度寝の習慣が板についてきている自分が情けない…」


 そうこう考えながらも、再びまどろみに意識を預けていく

 寝付きは悪いが、寝ようと思わば、すぐに2度寝目に入れるのだ


 「そういえば資格講座の紙切れのせいで、芳人のこと思い出したけど…。俺、学生時代はなにやってただろうか…」


 まどろみに意識を預けていく最中、こんなことをふと振り返ってみた


 -----思えば、中学時代はかなり優秀な部類で、学年全体でも1桁に入るくらいの成績を、3年間にわたり、キープしてきた

 高校時代もそうだった。地元では一番上のランクの進学校に入学し、そこでもそこそこ上位の成績を維持していた

 そして、高校2年の時、当時の担任の強い薦めや、就職率がそこそこ高いこということもあり、また地元ということもあり、専門学校への進学を決めたのだった


 「ここまでは、何の狂いも憂いもなく…大した悩み無く、順調だったハズなんだよな…」


 最近では中・高時代のことを思い出す度に、溜め息が思わず出てしまうのだ

 何故だろう?当時と今の、現実のギャップのせいか?

 現状に満足・納得の行っていない自分がいるのだろうか


 「どこからだ…?少しずつ、おかしくなったのは…」


 そう思い返した時、毎回毎回真っ先に出てくるのは、専門学校時代の自分自身である


 「やっぱ、ここだよな…」


 先にも述べたが、担任の強い薦めで入った専門学校…。担任にはなんて乗せられたんだったか…


 「和都君はうちの学校でも優秀ですし、中学時代も優秀だったのでしょう?地元を離れたくないのなら、この専門学校はどうでしょう?」


 当時の俺は、あまり将来について深く思案せず、何となく「地元の学校に入れればいいか…」とか「面倒ごとは少ない方が…」とか「それでいて就職率が高ければ…」等々、そんなことを考えていたのだ


 「この専門学校の卒業生の就職率は70%を超えてますし、和都君の成績なら、恐らく入学できますよ。実家からでも通えますしね」


 俺はこの言葉に乗ったんだったな…確か

 そしてそこから徐々に何かがズレてきたんだ


 「まず、回りに全然付いていけなくなったな…。初めての挫折だったのかも…」


 確かに"入学"はできた。しかし、それでは何の意味もない

 そこでの勉学について行けなければ、卒業どころか進級すら危うい


 「当時はガムシャラに追試だ何だと走り回ったなぁ…確か。」


 まるでついて行けず、挫折感と焦燥感に苛まれ、今まで普通科だった自分には縁遠かった、様々な専門科目…


 「訳がわからなくて、レポートなんて何人のをコピーしたか覚えてねぇや…」


 思えば芳人と知り合ったのも、この専門学校であった


 「アイツは確か、頭も要領もかなり良かったな…。俺とは正反対だった…」


 芳人にもだいぶ助けられた。レポートもテスト勉強も、追試対策も…だ。もちろん、芳人は追試なんか一回もしてなかったが、春休みは良く俺に付き合ってくれた


 「思い返せば、改めていい親友だよ、アイツは…」


 毎回、この手のことは思い返し出すと、とめどなく記憶が溢れ出てくるものだ

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