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1.生きる意味を考察してみよう

 …俺こと、坂咲(さかざき) 和都(かずと)は、ただのサラリーマンである

 街中を見渡せばどこにでもいるような、スーツに革靴、鞄に腕時計…視力がいささか悪いのでメガネをかけてはいるが、要するに、本当の本当に何の変哲もない、ただのサラリーマンなのである

 そんな俺が、"転職"というものを本気で考えだしたのは今に始まったことじゃない

 学校の力を借りて今の会社に入れはしたが、正直もう…限界なのであるからして


 「坂咲!あれほどまでに、今日の午後一番から富士河商事の資材部長とのアポを取っておけと、念を押していたと思うが、どうなってるんだ!!」

 「はい、スイマセン…。なかなか先方が出張だ打ち合わせだと話ができず…」

 「そんな事は訊いてないんだよ!折り返し電話を貰うようにしたり、打ち合わせの日時を決めたいからとメールを入れたり…手段は色々あったろうが!」


 やはり、今日も今日とで叱責される日々だ

 この会社に入社してから丸2年経つのだが、一向に俺の人生が順風満帆どころか、波に乗る気配すら見えない

 なぜこうも、何もかもうまく行かないのだろうか…


 「上司の話しをちゃんと聞いてるのか、お前は!」

 「は、はい…!聞いてました!」

 「ほう…。なら今俺が言ったことを、噛み砕いて説明してみろ」

 「え?いや、あの…」

 「はぁ…もう良い、わかった。とりあえず、来週の月曜、または火曜でアポとっとけよ?」

 「はい…」


 基本的に俺の毎日はこんな感じなわけだ

 何もかもが中途半端で、何かにつけて怒られ続け、昼間の失敗と、お説教…もといありがたい御高説で潰れた時間を埋めるためのネガティヴワークをする為に、連日、夜の9時だ10時だまで残業するのだ

 ついたあだ名は"虫食いチーズ"

 ちなみに意味は、前述の通り、何でも中途半端の穴ぼこだらけで、埋めたくとも埋まりきらず、食べることすらかなわないあたりが……だそうだ

 俺の同期は皆、第一線とまでは行かずとも、バリバリ打ち合わせだなんだと大活躍してるらしいんだが…

 人間、なかなか平等とはいかないらしい

 今日も残業時間の俺に期待しよう…

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