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第十三章、学園編、初日、異者は受付の予感(1)

 報告。


 俺は入学式の日の適性検査で、練弾の射手と言うジョブを手に入れた。

 それはいい。


 問題が一つ。


 今まで俺が所有していたジョブが全て消えた。


 しかも、この練弾の射手もかなりトリッキーなジョブみたいで早くも頭を抱えてる。


 超攻撃型ジョブで、確認してみたら攻撃力50%増、防御力50%減。

 新規に取得したスキルはチャージレベル1と練弾レベル1。


 効果はチャージが次の一撃の威力アップ。練弾がMPを弾丸にして射撃を行う事が出来る、と言うもの。


 そして、元々あった投擲熟練スキルが投射熟練スキルに変更された。


 弓がメインになりそうだから、投擲と射撃が一緒くたになったのかな?


 ……元々のスキルは消えなかったからいいけど、どんどん遠距離攻撃のスペシャリストになりつつあるな。


 ただ、スキル上限が結構変更されてるな。ま、そこまであがらなそうだからいいけど。


 ジョブ消失については、俺のこの世界でのアドバンテージがひとつ消えた事を意味している。


 しかし、解決方法は全く思いつかない。この世界での適性検査がOOのジョブを上書きした形なんだろうか?

 原因なんて何でもいいけど。







 俺は長い入学式の一日が終わってから皆と別れ、1人でギルドを依頼を受けに来ている。


 顔バレのリスクを減らす為、昔から変装して登録している。

 ギルドでの偽名はフェイ。全身を覆う事の出来るローブを着て、全く顔が見えない格好をしている。


 かなり怪しいと思うが、ベテラン冒険者を(偽名で)していたアイネスさんの紹介なので受け入れてはくれた。

 その後の俺のこなせるクラスレベルの上昇のせいもあるけど。


 ドアをくぐる……って、誰もいないし。


 初見のギルドに来ると、大抵は他の冒険者から奇異な目で見られるんだけど……いないならそれに越したこともないな。


「あ……もしかしてフェイさん……ですか?」

「ああ。俺を知ってるのか? ほら、ギルドカードだ。確認してくれ」


 アガスティア魔法学園附属の町にあるギルド。


 初めてくるギルドなので、証明のためにカードを提出する。


「……はい。確かに確認しました。フェイさんって有名ですよ。正体不明の凄腕冒険者、クエスト達成率100%の上位ランカー。今では、姿を真似た冒険者が増えてるんですよ」

「そうか、それは済まなかったな。君達には面倒な羽目になったろう?」


 俺みたいな訳の分からん姿の奴が増えたら、管理が大変だよな。


「いえいえ、私達は基本冒険者の皆様が別個でトラブルにならなければ構いませんから。本人確認はギルドカードで行ってますし……それに姿がわからない事でパーティーを組めない方が殆どですから、すぐに皆様止められますし」


 ま、命をかける事になるような仲間がそんなんじゃ嫌だしな。


「それにある程度以上の冒険者は、己をしっかり持ってるのでむしろビギナーに多いですし」

「……俺は見た事ないな」


 正体不明の冒険者に対する恐怖感から隠れてやってるのか?


「隠れ人気者、って事ですね」

「そうか。所で……何故ここは誰もいないんだ? 冒険者ギルドなんだろう?」

「フェイさんはご存知ないんですか? ここはギルドと言ってもアガスティア魔法学園の管轄ですから……基本、クエストは学生が受けに来る事が殆どなんです。ここに関しては制約も多いので、冒険者の皆さんは他の町にいかれますね」

「うむ……では、俺がクエストを受ける事は出来ないか」


 別では受けれるだろうなフェイとしては無理か。


「確か、フェイさんは魔法が使えますよね? なら、大丈夫ですよ。条件は何でもいいから魔法が使える事ですから」

「口に出すのも恥ずかしい位の初等魔法しか使えないがね」

「いいんですよ、あくまでただの条件なんですから……それで、クラスはいくつにしますか?」

「そうだな……クラス30~40位の一日程度で終われそうな討伐系はあるか?」 


 新しいジョブと、以前シズマと戦った時に感じた違和感も確認したいだけだから。いつもよりちょい低めで。


「30~ですか……こんな高めのクエスト、ギラダナイレストでもそうなかったんじゃないですか?」


 ギラダナイレストとは、俺が前にいつも使っていたギルドのある街の名前だ。


「いや、あそこでは俺用にクエストを取ってもらっていたからな。で、あるのか?」

「そうなんですかぁ。あ、勿論ありますよ。これなんかどうでしょうか? マンドラゴラ討伐とリザードマン討伐。後は一寸レベルが高くなっちゃいますけど、バイコーンの討伐です」


 マンドラゴラとリザードマンは倒したことあるが、バイコーンってなんだ?


「バイコーンとは?」

「馬型のモンスターです。強さハイオーク二体分位です。その体を使った突進や魔法を使用します」


 ふむ……歯ごたえがありそうだな。


「クラスは?」

「はい、61になります」

「わかった、じゃあ、それを受けさせてもらう」


 結局いつものクラスとあまり変わらないな。ま、いいか。


 生徒が大半なら大抵の時間は暇なんだろうな。


 クエストを受けた後も、何だかんだで雑談をして気付けば夕方だった。


 一寸急がないとな。



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