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第2012回。パイ投げ戦争開戦

神がふざけたことをします

「ツバサ。精進してるかい?」

「ミカエルさん……。ジャンヌさん滅茶苦茶厳しいです……」

「しょうがないよ、ジャンヌちゃんは。」


ぐったりと休憩室のテーブルに伏せる双翼に、ミカエルは話し掛けた。

双翼が天使となって、既に数週間の時が経った。双翼は天使としての仕事をやる前に、天使としての有るべき姿、天魔界の歴史などを勉強する事になった。また、先の事件によって戦闘訓練も受けなくてはならない。となったため、ミカエルと深い繋がりがある女騎士。ジャンヌ・ダルクの指導を受ける事になったのだ。


「ジャンヌちゃんは真面目だからな……」

「だからって……」

「いた!ミカエル様!」

「どうした?」

「神様からの、書状であります。」


すると、ミカエルの元に1人の天使が駆け寄った。ミカエルは、駆け寄った天使が持っている手紙を受け取った。

封を破いて手紙を読んだ瞬間、ミカエルは手紙を引き裂いた。


「ミ、ミカエルさん!?神様からの手紙じゃ……」

「またやるのかクソ神ィ!!」


ミカエルはキレた。


「あの、なにが……」

「あー……。あれは時期的に多分、パイ投げ戦争の召集命令だな……」

「はい?」


ミカエルが発狂するのはいつもの事だからだろうか、天使は特に気にする事無く双翼に答えた。


*


「なにー!?またパイ投げ戦争!?これで何回目だよ!!」

「2012回目じゃね?」


パイ投げ戦争の召集の手紙は、魔界側にも届いていた。


「行くか?ベル……」

「めんどくせーよ、ルシファー……。だけど、またベヒモス農場燃やされるのも面倒だしな……。あの時死んだベヒモスや焼き払われた農産物の大痛手や飢饉を、どう元に戻したかわかってんのかあのヤロー……」

「なんだかんだでよく働くよな、ベルって……」


とある部屋には、7人の悪魔が揃っていた。その内の1人、ソファーにグーダラと寝そべっている短い金色の髪に青い瞳を持つ青年がベルこと、怠惰の悪魔ベルフェゴールである。


「毎回毎回、なんで金にならんことに参加しないといけないんだ。金庫を消滅させないためにも仕方ないか……」

机の上に会計帳簿を拡げて、計算をしている短い藍色の髪をオールバックにし黒の瞳を持つ青年も、強欲の悪魔マンモンである。


「嫌だけど食えればそれでいいよ。また、食料庫爆破されるのも嫌だし。」


スナック菓子を食べている短い茶色の髪に茶色の瞳を持つ青年は、暴食の悪魔ベルゼブブである。


「私も、作品達を炎上されたくありません。しかし、性を禁じられている天使が顔面にクリームを被る。それが溶けていればこれは正しく「アウトオォォォ!!」


不敵な笑みを浮かべて、下ネタを言い出そうとしてルシファーに阻害された長い紫の髪に紫の瞳を持つ青年は、色欲の悪魔。アスモデウスである。


「全く。神も神よ。魔の私たちがどうして、神の言うことを聞かなくてはならないのよ。」


そう言うのは、七人の中の紅一点。長い赤髪に赤い瞳を持つ女性。嫉妬の悪魔。レヴィアタンである。


「てか、レヴィもあのクソ神になにかされたんじゃないのか?」

「そうよ!!あのクソ神……。あたしの雑誌の記事を……!!」

「よせルシファー。レヴィのやつ、せっかく売れそうなネタを入手したのに、あのクソ神によって記事を滅茶苦茶にされてライバル会社に負けたと。嫉妬モードMAXだからな……」


負の炎を燃え上げているレヴィアタン。そして、マンモンがこれ以上深入りするなとルシファーを宥める。


「そういや、サタンもレヴィと同じ会社だよな。」

「ああ。俺もいま沸点が近くにあるからな……」


不機嫌な表情をしているのは、憤怒の悪魔。サタンである。尚、この作品では、サタンは憤怒の悪魔と言う扱いで、魔王とは別人である。


「ふと思ったんだがルシファー。」

「なんだ?」

「お前だけ無職か……」


サタンの一言に、うるせぇ!!とルシファーは叫んだ。


*


「兄上?兄上?」


とある屋敷。短い深緑の髪に深緑の瞳を持つ青年は兄の姿を探していた。


「呼んだかアマイモン……」

「あ。兄上。」


アマイモンと呼ばれた青年は、兄たる長い黒髪に黒い瞳を持つ男。メフィスト・フェレスの姿を見つけた。

「兄上、またあのクソ神からパイ投げ戦争の書状が……」

「だが断る。」

「兄上!僕も同じ気持ちですけど、七つの大罪の皆さんの惨状を聞いてしまっては、行かないといけませんよ!」

「何を言う。もう、働くのは負けだと思っている。どうせ、働いたとしても、実際に得をするのは一握りだけなのだからな。」

「どんなニートだよ!!現実悲観しすぎだし!!」

「私は、ここから一歩も動かんぞ!!」

「黙れニート!!さっさと行くぞオラァ!!」

「兄に向かって何をする!?」

「兄だからこそ無礼講じゃボケェ!!」


嫌がるメフィストを、アマイモンは無理矢理引きずっていった。


天界と魔界。両陣営によるパイ投げ戦争は、これから幕を上げようとしていた。


両軍、それぞれの不満と怒りを胸に抱いて……

悪魔達も参戦します

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