表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

天使や悪魔にも仕事があり、就活もしている。

久々過ぎる更新……

「お見苦しい所をお見せして申し訳ない。えっと、君は……」

「双翼です。天月 双翼。」


事態がある程度落ち着いた後、ミカエルが本題に入る。


「ツバサ?」

「はい。双子の翼と書いて、双翼です。」

「中二病……」

「やめてください!!気にしてますから!!」


中二病と小さく呟いたアズラエルに、双翼は突っ込む。


「ところで、ミカエルさんはなんで呼ばれたんですか?」

「まあ。法律上転生するまでは、魂は天使の仕事を手伝うことになっているんだ。」


双翼の質問に、ミカエルは真面目に答える。


「そうだ。僕は死んでるんだった……」

「ああ。死者は死んだ後に魂となる。魂は転生の機会を待つか、天使となるか。選択は二つしかない。」


ウリエルが眼鏡を押し上げながら説明する。


「その転生の機会は……」

「すくなくとも、あなたの同世代が、手違いもなくちゃんと寿命が尽きて死んだ後ね……」


手違いを強調して、アズラエルは答える。


「それって……、後90年近くは転生出来ないのかよ!!」

「仕方ないでしょ……。法律だもの……」

「諦めろ。法律だ。」

「定められた法を背くことは出来ない。」

「法律、法律って、どんな法律だよ!!」


双翼が突っ込むと、ウリエルが所持している辞書のような本を双翼に見せる。


「我が天魔界の憲法だ。」


双翼は驚愕した。なぜなら、双翼が生まれ育った国、日本の憲法。日本国憲法に表記が似ているからだ。


「しかし、凄い量……」

「裁判官たるもの、これぐらい当然だ。」


ウリエルはきっちりと答える。


「って、裁判官?」

「ああ。ウリエルは裁判官だ。私は機動警察部隊長。アズラエルは生死管理局総合責任者代表だ。」


双翼の疑問に、ミカエルは丁寧に答えた。


「天使にも職があるんだ……」

「働かざる者食うべからず。」

「天使の言う台詞じゃないですよ、ウリエルさん!!」


最もな意見だが、慈悲深い天使の言うことではないと、双翼は突っ込みを入れる。


「そうだ。情けは人のためならずだからな!」

「意味違います!!ミカエルさん!!」


力説するミカエルに、双翼は突っ込みを入れる。


※情けは人のためならずとは、人に情けをかけるとめぐりめぐって自分に返ってくる。という意味である。※


「とりあえず、最初は機動警察部隊をオススメするわ……。あ、転職OKだから……」

「あ。はぁ……」


小さく呟くアズラエルに、双翼は答える。


「では行こう、ツバサ。」

「は、はい!」


爽やかに手を差し伸べるミカエルに、双翼ははっきりと答えた。


*


「ここが、機動警察部隊の本部だ。」

「はぁ……」


ミカエルに着いていった先には、建物があった。あえて言おう、日本の警察署である。なぜ、ここまで日本寄りなのか、全く不明である。


「さあ、中に入りたまえ。」


ミカエルの言われ、双翼は建物に入った。


*


建物には、どこを見ても純白の羽を持つ天使ばかりだ。さすがというところだ。


「あら?新しい子ですか?」

「こんにちは。」


すると、二人の天使が話し掛けてきた。一人は、長い金色の髪にサファイアのような青い瞳を持った女性で、もう一人は、短い銀色の髪に空色の瞳を持った男性だった。


「紹介しよう。彼女はガブリエル。彼はラファエルだ。」


ミカエルは紹介する。ガブリエルと紹介された金髪の女性は、初めまして。と答え、ラファエルと紹介された銀髪の男性は、よろしく。と答えてくれた。


「僕は、天月 双翼です。よろしくお願いします。」


双翼は頭を下げた。よかった。まともな上に優しそうな人達だ……


「ツバサ君ね。可哀想に、あのクソ神のせいで……」


ガブリエルの一言に、双翼は反射的に頭を上げた。


「はい?」

「ホントに、あんな人でなしが神に……。あ、人じゃないか……」

「落ち着いて、ガブリエル。僕だってさっさと解剖したいけど、ツバサ君が怖がっちゃうから。」

「いやおっかねぇよ!!神様もだけど、あんたたちホントに天使!?」


おっかないことをさらりと言うガブリエルたちに、双翼は思わずツッコミを入れた。


「あの神様、信頼されているんですか?」

「さあ。まあ、信頼出来る器なら、アザゼルやシャムハザ、アスタロト。……、ルシファーがあんなことを……」


ミカエルの暗い表情に、双翼は思わず口を閉じた。ミカエルの口から出た名前は、みんな堕天使の名前だ。ミカエルの口ぶりからすると、同期なのだろうか……


「ミカエルさん……、あの……」

「神の冷蔵庫から勝手にケーキを食べるなんてことを……」


ミカエルの言葉に、双翼はずっこけた。


「はい!?」

「もっとも不満を持っていたのが、その四人なんだ。そして、神に対する嫌がらせとして、冷蔵庫から勝手にケーキを食べて、追放された……」

「ちょ、四人の行動のレベルが低すぎるんですけど!?」

「だから!!冷蔵庫じゃなくてリビングにある御菓子にしろって言ったのに!!」

「あんたもかよ!!」


ミカエルが後悔しながら叫ぶが、ぶっちゃけ内容が幼稚過ぎる……


「なんなんですか、まったく……」

「チョリーッス!ミカエル!元気にしてるか!?」


突如聞こえた声に、双翼は振り向く。そこには、漆黒の髪に血のような赤い瞳を持つ男だ。ぶっちゃけ言ってチャラい。


ただ、彼の背中には、蝙蝠(こうもり)のような翼があった。


「あなたは……?」

「ルシファー……」


ガブリエルの呟きに、双翼は驚愕した。


「ルシファーって……」

「チョリーッス!ルシファー!元気だぞ!」


ミカエルの返事に、双翼はずっこけた。


「チョリーッスって流行ってんのかよ!?」

「まあまあ気にするな少年!!」


ルシファーは双翼の背中をバスバスと叩く。


「ところで、何の用だ?」

「聞いてくれ、ミカエル。俺、就職先が見つかったんだ!!」

「よかったじゃないか!どんな仕事なんだ!?」

「ニートの介護。」

「偉いぞ!人助けではないか!」

「ニートの介護って、ニートいるのかよオォォォ!!」


爽やかに会話する二人に、双翼は突っ込みをいれる。


悪魔までこんな調子だなんて、一体なんなんだ、この死後の世界は……


ルシファーもこんなノリです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ