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本当に、ごくごく平凡な少年でした。

シリアスとギャグが入り乱れる、カオスなコメディーの始まり始まり〜(*´∀`*)/

「新しい制服だ……!!」


短い黒髪に、まだ幼さが残る黒い瞳と顔立ちを持つ少年は、鏡の前に立つ。鏡に映る自分の姿は、真新しい制服を身に纏っていた。くるっ。と一回転すると、少年の体格よりやや大きめのブレザーはふわっ。と少しだけ浮いた。


双翼(つばさ)ー!愛華(まなか)ちゃんが来てるわよ!」

「はーい!すぐ行くー!」


母親に呼ばれ、少年は机の上に置いてある真新しいバッグを手に、二階にある自室から一階に向かう。



少年の名は、天月(あまつき) 双翼(つばさ)。ごくごく普通の少年である。今日は、中学校時代で苦しみ苦しんで受験して、どうにか合格した高校の入学式である。



一階に降りてリビングに向かうと、父親と母親。そして、三つ下の妹、李奈(りな)がいた。


「気を付けるのよ?忘れ物ない?」

「わかってるよ。大丈夫だって、母さん。」

「お兄ちゃん、いつもなんか忘れ物するんだもん。けど、今度からはあたしが届けに行くね。通り道だから。」

「うるさいぞ、李奈!」


じゃあ、行ってきます!と声と共に双翼は家を出た。


*


「双翼おはよー!」

「おはよう、マナ。」


双翼が外に出ると、玄関前にセミロングの茶髪をストレートに降ろし、前髪を翼をモチーフにしたヘアピンを付け、真新しいブレザーを着る少女、双翼の幼馴染みである篠原(しのはら) 愛華(まなか)がいた。ちなみに、双翼は彼女の事をマナと呼んでいる。


「似合ってるよ、双翼。」

「マナだって……」


双翼は、改めて愛華の制服姿を見る。双翼の男子制服は、ブレザーにズボン、ネクタイをしているが、愛華の女子制服は、ブレザーにスカート、リボンとなっている。かわいらしい姿なのだが、素直に「かわいい」と言えない事が双翼の脳内に悩みという単語を生み出した。


「あのね、双翼。今日はハニエル様に祈りを捧げたの。友達が出来ますように。って。」

「えっと、勝利、豊穣、愛と美の天使だっけ……」

「そう!昨日は、明日晴れますようにって……」

「ガルガリエル、だっけ?」

「うん!」


これが、彼らの日常会話である。小さい頃から、天使やら悪魔が好きな愛華は、双翼によく話している。聞き手の双翼は、愛華のおかげでほとんどの天使と悪魔の名前や伝説を暗記してしまっている。


「天使とか悪魔とか……。ホント好きだよな、マナって。」

「うん!だって素敵じゃない!」


マナの笑顔が眩しい……。と、内心呟く双翼であった。


「にゃあ〜」


すると、一匹の猫が双翼達の前に現れた。


「あ、かわいいー♪」

「うん。」


だが、猫は彼ら前を通り過ぎ、車道の方に飛び出す。運悪く猫は、車から少し前に飛び出してしまった。


「あ!猫ちゃんが引かれちゃう!」

「マナ!!」

「え!?双翼!?」


双翼は鞄を愛華に預け、猫に向かって車道に飛び出した。


(間に合え……!)


もう少しで猫に触れられるその瞬間、猫は走り出して向かいの歩道に到着した。



(アレ?え?このままじゃ……)



双翼が答えを導く前に、身体が車と激突し、双翼の思考が途絶えた。


*


「双翼……?」


愛華は驚愕していた。双翼が、猫を助けようと飛び出し、車にはね飛ばされた。


「双翼……」

「お、おい!?大丈夫か!?」

「救急車!!救急車を呼べ!!」


周囲にいる大人が、携帯を片手に救急車と連絡を取ったり、全く動く気配が無く倒れたままの双翼に向かったりしていた。


(嘘でしょ?ねぇ、嘘でしょ……?)


――双翼ーー!!


少女の声が街並みに響き渡ったが、少年が少女の声に答える事は無かった……

はい。いきなり主人公が天に召されるという、シリアスな空気になりますが、すぐに忘れてくださいm(__)m

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