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ある光景「不安」

 今日も少女は神社にいた。オレンジの光に包まれている神社は威厳を纏い、少女を見下ろしている。今日で四日目。いなくなってしまった日、母親からの『きっとまた会いに来てくれるよ』という言葉が、少女の足を神社に向けるのだった。

 だが、草むらや木々の間を覗いてみても見つからない。いなくなってしまった日のそれと変わらない風景が、少女の前に広がっているだけだった。

「また会えるよね? 大丈夫だよね……?」

 自分に言い聞かせるかのように何度も呟く。いつもの時間、いつもの場所。ここで出会い、ここで仲良くなった。その場所で、こんなにも突然に別れが訪れてしまうのか。

 それを認めたくないという思いが、また足を、手を、瞳を動かす。何度も、何度も、何度もその行為を繰り返しては、何度も、何度も、何度も切り捨てられていく。

 このままずっと会えなくなってしまうのではないか。そんな思いが頭をかすめていくごとに、少女の不安は大きくなっていく。

「もう会えなくなっちゃうなんて、そんなのいやだよ……」

 その声は震えていた。






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