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第壱の伝説

 目の前に広がる広大な自然、澄み切った空、見たこともないような植物、何のものともわからない鳴き声・・・、それらに囲まれ少年は立ち尽くしていた。



 彼の名前はタカシ。神奈川県在住の県立高校に通う普通の高校生で、友達であるマサヒロの家に行く途中、自転車を降り信号待ちをしていたところだ。


 しかしそこに待っていたはずの信号機はなく、乗っていたはずの自転車はない。


 握っていたハンドルが急になくなったため、彼はなんだか情けないポーズをとったまましばらく周りの風景を眺めていた。








 どう考えても神奈川には存在しないであろう景色を見て彼が思ったことはひとつ。




 『どうやってマサヒロの家に行こうか。』



 タカシはこんな状況でも友達との約束に遅れないようにすることを考えるような普通の人間だったためほとんど動揺することがなかった。



 そのとき、突然草むらから一匹の動物が躍り出て来た。


 動物というか獣、獣というかモンスター。


 目の前に出てきたそれはゲームや何かで見るようなモンスターそのものだった。


 「グオオオオォォォォォ!!!」


 と、いかにもモンスターらしい雄叫びを上げながら猛烈に突っ込んでくるモンスター。


 そのとき、


 「聖龍斬!!」


 と、いう声が聞こえたかと思うとそのモンスターは真っ二つに裂け凄まじい断末魔とともに倒れてしまった。


 「君、大丈夫か!?」


 タカシはその声がするほうを見た。


 そこにはこれまたゲームで見るようなマントを羽織り、剣を持った男が立っていた。


 「あまりの恐怖で動けなかったのか?でももう大丈夫だ。」


 と優しく話しかける男。



 だが実際はタカシが普通の人間であったため、


 『これ見たことない動物だからきっと作り物とかなんかだろ。』


 『あれ?これほんとに生きてたの?なんだ危なかったのか。まあ結果的に俺生きてるからいっか。』


 と、考えていたから動かなかっただけなのだ。



 「私の名前はメキア。魔王討伐のために旅をしている者だ。君は?」


 「タカシです。どうも。」


 タカシは華麗にスルーした。


 「タカシはなんというか、変わった格好をしているな。」


 RPGキャラのコスプレのような格好の男に言われたくはない。


 「なあ、ここどこなんだ?」


 タカシにとって格好は興味の対象ではなかった。


 「ここか?ここはリズレグラスト、私の祖国アントノーレッジより遥か東の地であるが、用あってここまで来たのだよ。」


 「横浜はどこの方角ですか?友達ん家行きたいんだけど。」


 タカシは話を聞いていないのか。ここに来てもなお現状を把握していないようだった。


 「ヨコハマ?聞いたこともない名前だな。」


 だろうな。


 「もしやタカシは・・・異世界から来た人間なのか!?」


 結局メキアのほうがはやく気付いた。


 「ん、うん。」


 タカシは理解したからうんと答えたのではない。めんどくさいからうんと答えたのだ。


 「異世界から来た少年・・・これはもしや古くから伝えられる伝説の勇者、アルケミシアなのかも知れない!」


 いかにも勇者っぽい格好で何を言うか。


 一人で盛り上がるメキア。とりあえずどっちが北なのかだけでも知りたいタカシ。


 「こうして出会ったのも何かの縁だ。私と一緒にグラハイム王のところまで来てきれないか?タカシ。」


 「ああ、いいけど。」


 『そいつならこいつより地理に詳しいかもなー。』


 タカシは普通の人間であったため、いまだにここが日本、いや、神奈川だと信じて疑わなかった。


 こうしてタカシはなりゆきでメキアに同行することになった。マサヒロの家の方角を聞くために。


ジャンル悩みました。

一見ファンタジーです。

でも読んでいくとコメディーです。

つまりファンタジーコメディーです。


いえ、ファンタジーパロディーです。

・・・、じゃあ二次創作なのかな?

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