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脱獄犯(絞殺)
「脱獄犯確認。……殺す」
「逮捕しましょうよ」
男の手から、縄が顕現する。
嫌な予感が走った。
普通の縄じゃない。
蛇みたいに蠢き、俺に向かって伸びてくる。
(首を絞める気か……まずい。
気絶したら、死亡する)
縄の軌道が逸れた。
ユウナが、自分に注意を引いたからだ。
だが――
「ッ……!」
縄が、ユウナに向きを変える。
「しまっ……!」
俺は距離を詰めた。
首をへし折る勢いで、速攻で気絶させる――つもりだった。
しかし男は、縄を電線に絡める。
そのまま身体をたぐり寄せ、宙に逃げた。
「逃げさせて貰――」
男が、ふと後ろを振り向く。
「……なんで、飛べんだよ。ここまで……」
そう思った瞬間、視界が暗転した。
――――
「……また、殺したんですか」
「元々、死人だよ。俺等も」
少し間を置いて、続ける。
「生きてる方が、おかしいんだ」
「……そうかもしれませんね」




