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ヒカリの力

「出かけたいなぁ……」

ヒカリが、突然そう言った。

「いや……」

ジンは即座に止める。

「出かけたいなぁ……」

―――外出。

「任務って、ヒカリさんの見張りですか?」

「仕方ないだろ。暴走したら、止めないと」

「……止められます?」

「多分、無理」

ショッピングモールを歩いている。

「買い物してますね」

「……ですね。楽しそうだ」

「あれ? ヒカリじゃん。生きてたんだ?」

女が笑う。

「死んどけば良かったのに」

かつてヒカリをいじめていた、その女だった。

「……誰だ、あいつ」

「とりあえず、止めましょう」

走り出そうとした、その瞬間。

辺りが暗くなり、空気が一気に凍える。

ヒカリが、片手に持っていた氷入りの飲み物を、女にかけた。

「熱っ!」

女の悲鳴。

火傷している。

肌が、酷く爛れていた。

「何してんの!」

殴りかかろうとした女の身体が、ふわりと浮く。

――いや、違う。

ショッピングモールにいた全員が、宙に浮いていた。

三メートル。

次の瞬間、全員が落下する。

「ごめんなさい! ごめんなさい!」

女は泣きながら謝る。

その直後、スプリンクラーが誤作動を起こす。

だが――

水に触れた人間が、なぜか燃え始めた。

「落ち着け、ヒカリ……」

ジンが声を張る。

「外出、楽しんでたんだろ?」

「一般人に被害が出てます……」

続けて言う。

「ここは、どうか……」

次の瞬間。

炎が消え、夜が昼に戻る。

寒さも、嘘のように消え去った。

「楽しんだし、帰るわ」

ヒカリは背を向ける。

「気分、最悪だし」

「……始末書、書くの俺等だよな」

「えぇ……」


「もう二度と外出しない」


心の中で安堵する。

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