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第2話 ギルドの依頼で風呂掃除

「この子山奥で育ったみたいで…初めて町に来たから身分証とか持っていないみたいなんだ」


「何かあったら私達が責任を取るからなんとか町に入れてあげられないかしら?」


「まぁお二人がそう言うなら…仮の身分証を発行しておきますので町に入ったらギルドで正式な身分証を発行して下さいね」


ルッツさんとフィーリアさんと共に町に到着した私。

二人が門番に私の状況を説明してくれたおかげですんなりと町に入ることができた。


二人と出会っていて良かった…。

しかしあの門番、頭の上に裸ワイシャツって書いてあったけど…ワイシャツ自体この世界にないんじゃ無いの?


「僕達もギルドに行くから一緒に行こうか」


「私達はそのまま次の依頼に出ちゃうけど…ギルドの方にお任せすれば悪いようにはならないと思います」


「はい!がんばります!!」


二人がいなくなるのは心細いが…これから一人で色々やっていかないといけないし、このくらい乗り越えて行かなければ。


しかしパンチライケメンのルッツさんの視線が私のスカートをチラチラ見るのはちょっと気になるな…。

フィーリアさんの事もあるしわざとらしいのはあまりしない方が良さそう。


そう、慣れってのは良くない。

どんな美味しいものも連続で食べると飽きる、エロも一緒だ。希少価値っていうのは大事にしていかないと。


しかし絵に描いたような異世界…実際の中世はこんなに清潔なわけ無いのに整備された街並み。

魔法でとりあえずなんとかしてる感がある。


「カエデさんはこれからどうするのかしら?」


ギルドまでの道中フィーリアさんからそんな事を聞かれた。

これからかぁ…。


「そうですね、とりあえずお金も無いし…何か仕事を見つけようかなと」


「それならギルドで簡単な仕事を紹介してもらったら良いんじゃないかな?宿代くらいは稼げると思うよ」


仕事かぁ…私にできるかな…。


しかし街中を歩いていると嫌でも目に付く人のフェチや性癖。

女性の方はよく見えないが男性の方は見える!人もいる!


この淫魔の加護って熟練度とかあるのかな?使っていくうちに見えるようになっていくとか?


足フェチ、太もも、メイド服…衣装破損?あらあら崇高なご趣味のご老人ですこと…。


ギルドに到着するとこれまた綺麗な室内、荒くれ者がたむろしてるかとドキドキしていたが今は人がまばらにいる程度だった。


「ルッツさん、フィーリアさん、お疲れ様っす!今回も大活躍だったみたいっすね!」


随分とフランクな受付嬢だな…相変わらず女性のフェチは掠れていて見えない。

なんでだろ?


「今回はなかなか厳しかったけどね、それでリンちゃん、この子なんだけど…」


「え?彼女っすか!?フィーリアさんはどうするんすか!?」


「違うよ…途中で保護したんだけど身分証を発行してあげて欲しいんだ…」


「冗談っすよ、身分証っすね!じゃあこの石に手を置いて欲しいっす!」


…これ大丈夫?手を触れた瞬間に私のチートな魔力的な何かで壊れたりしない?


「別に痛いとかはないから大丈夫よ、すぐに終わるから」


フィーリアさんから優しく説明され…恐る恐る石に手を置く。

少し暖かい…しばらくすると一枚のカードが排出された。


「はい、完了っすね!一応危険人物じゃないか確認だけさせて貰うっす!」


リンという受付嬢はサッとカードを回収し、カードを確認する。


「うーん…危険な事は一切なさそうっすけど…なんすかこの読めないスキル」


え?


「本当だ、読めないね…言語化できないのかな?」


「たまにあるわよね、でもほとんどが使用不可なスキルだったりするわよね」


「まあ使えないスキルだったら問題ないっすね!それじゃあ返すっす!」


受け取ったカードのスキル欄に書いてある文字…淫魔の加護…。日本語かぁ…。


じゃあ僕達はこれでとギルドを出ていく二人に御礼を言い、私はトイレにと席を離れた。


個室に入りする事、それはステータス確認!あとパンツもね!


・淫魔力:20


淫魔力が増えてる!ありがとうパンチラ!あと私は地味な白のパンツでした!なんか安心感!


しかしどうやって使うんだろ…


とりあえず仕事はしないとな…ついでにトイレで用をたして手を洗うために鏡を…


あれ?


手入れもせずに放置していたボサボサ髪の毛はツルツルのストレートに、荒れ放題だった肌はモチモチの美肌…。


なんだこの清純派美少女…。転生特典ってやつ?こんな顔してルッツさんにパンチラしてたの?

金取れるだろこれ…まあポイント貰ったけど…。


でも胸とかは前のままなのか…まあ良いけど!大きくても邪魔みたいな事フィーリアさんが言ってたから!でも私の乳首ってこんな綺麗なピンク色だっけ…。


色々しすぎてこんな春を思わせる色は失われていた気がするけど。


前世でもしっかりお手入れとかしてたら他の人生もあったのかな…。

そんな事を考えながらリンさんの受付へ足を運ぶ。


「あの、何か私にも出来るような仕事ってありますか…?」


「お、早速っすね!私のオススメは大衆浴場の清掃っす!少し大変っすけど一番風呂に入れるし賃金も良いんす!」


風呂掃除か!それなら私にもできそう!


「じゃあそれでお願いします!」


「了解っす!じゃあお願いするっす!」


初めての仕事は風呂掃除か。案外異世界感ないな…。


そして浴場の受付で説明を受け、中に入ると男女数人が既に準備をしていた…。


「あの…今日初めてなんですけど…」


私は近くにいた女性に話しかけてみる。


「あら、見ない顔ね。今日はよろしくね」


「はい!それでその…その格好は…男性もいますし…」


腰と胸に別々のタオルを巻き、ブラシを持っているこの女性。掃除だよね?何?今から風呂?


「結構濡れちゃうからね、別に裸じゃないから平気よ」


ねぇこの異世界の局部が見えなきゃオーケーみたいなのどうにかならない?

私が男だったらこのまま押し倒してるよ。


嘘だよ、そんな度胸ないよ。


「向こうにタオルならいくらでもあるから貴方も着替えてきて、結構力仕事だけど汗かいた後のお風呂は格別よ。安心して、混浴ではないから」


裸を見られるのは恥ずかしいんだよね。私からしたらタオルだけ巻いてても同じようなもんだと思うけど…。


周りを見渡すと男も女も談笑しながら作業を始めている。

本能的に男性の下半身に目をやるが…大きくはなってないか…。少しざんね…んでは無い!


流石にタオルだけというのは恥ずかしいのでパンツの上にタオルを巻き、胸はまぁ…タオルで良いか。


着替え終わった私はブラシを手に持ち床の掃除を始める。


「初めての子だね!ここらへんは汚れが頑固だから僕がやっておくよ!あっちの軽めのところをお願いして良いかな?」


「は、はい!」


顔を上げると短髪の青年がキラキラした笑顔がそこにあった。しかも私好みの細マッチョ…割れた腹筋…ヨダレが出そう…。


良かったパンツ履いてて…。いや別に濡れてもいいか、ここお風呂だし。

上からヨダレ垂らすより下からの方がバレないでしょ。


「じゃあよろしくね!」


そう言った青年の頭の上にある文字は…


手ブラか…どうしようかな…。



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