表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The game  作者: koshimura
イベント:フラッグ争奪戦編
7/10

フラッグ争奪戦 開幕

イベント開始時刻まであと5分を切った。

昨日、俺と凛はこのイベント開始後の計画を立てた。

イベント開始後、フレンドチャットでお互いの位置を確認、その後フラッグを回収しながら合流するという流れだ。俺と凛は山手線の近くの地柱公園のベンチでその時間を待っていた。イベント参加者は、昨日の通知が来てから対戦機能がブロックされ他のプレイヤーからの対戦に巻き込まれないことは安心できるが時間が近づくにつれ自分の心臓の鼓動がはやくなっていくのを感じる。すると、凛が突然

「大丈夫だよ!あれだけ特訓したんだから!瞬なら絶対生き残れるよ!」

「そうだな、絶対生き残るぞ、凛!」

そうやって話しているとスマホに通知が来た

《これよりイベントエリアへの転送を開始いたします。

「来たかっ!」

「瞬!転送されたら、すぐにチャットで場所を教えて。私がそこに向かうから」

「おう、わかっt、

気付いたら、俺は電気屋の中にいた。

「ここ、どこだ?ぱっと見電気屋だな」

そうして、ここの場所を知るために、スマホを取り出しマップを開こうとすると、近くで銃声が聞こえた。

「マジかよ、早速やり合ってんのかよ」

俺は急いで物陰に隠れ、マップを開き、ここがKZ電気屋だと分かり

すぐに凛にチャットで教えた。

凛によると、凛はこの近くののホテルに飛ばされたらしく、すぐに向かうと連絡が来た。

俺は物陰から少し顔を出して、周りを見渡した。すると、奥の方の棚の裏から、人影が出てくるのが見えた。

そこから出てきたのは、ゴーグルとスカルマスクをしていて防弾チョッキを着た、いかにも屈強そうな男だった。

(マジかよ、あんな変な格好した奴と同じフロアに転送されたのか。すげー強そうだし。だが、物陰に隠れたところは見られてないだろうし転送後すぐだったからバレてないと思うが…)

そう考えていると、その男がこちらに近づいてきた。

バレているのかと思い、俺は息を呑んだ。すると、その男は、大声で

「オラァ!このフロアに隠れてる奴がいんのはわかってんだよ。大体の位置もな!

今なら俺にフラッグを渡せばこの建物の中では殺さないでやる。だからさっさと出てこい!」

俺は最初ハッタリだと思っていた。俺が転送されたときは、周りに誰もいなかったのはわかっている。

さらに隠れた時も、転送後すぐだったからだ。見られているはずがない。そう思っていると、

「なら、証拠を見せてやる。俺がお前らの位置を知っている証拠をなぁ!」

そう言うと、その男は俺の方に銃口を向け、撃ち始めた。

(は!?なんでバレてんだよ!見られて無いはずなのに)

俺は咄嗟にその場所を走って飛び出し、Ak-47を取り出した。

(銃関連のスキルは、購入した銃ならいつでも切り替え可能って店長に教えてもらっておいて良かった。

店長には感謝しないとだな)

俺は反撃して、銃を撃ち返す。しかしその男は銃弾を全て避け撃ち返してくる。

まるでその男はどこに撃たれるのかをわかっている、つまり未来を見ているかのように…

(なんだこいつ、未来を見てるかのように避けるじゃねーか!ん?)

俺はある違和感を感じた。それは、こんなに戦闘しているのにも関わらず、一向に他の敵が横槍をいれてこない。

そんな俺の考えていることを見透かしたのようにその男は、

「誰も横槍を入れてこないってか?当たり前だろ、このフロアには俺とお前しかいないんだからよ!」

俺はやられたと思ったが、なぜ最初に銃を発砲したのか気になった。そんなことを考えていると肩に銃弾を何発か喰らってしまい、フラッグを落としてしまった。

「あガァ!痛〜〜〜っ!!」

(くっそ、撃たれたところが焼けるように痛い!)

その場にしゃがみ込み俺が悶絶しているとその男は近くに落ちた俺のフラッグを取って、

「はっ!情けねーなー!まぁここで殺してやってもいいが、あいにく弾切れでな。わざわざリロードしてお前を殺すよりさっさと他の場所行ってフラッグ取った方がいいしな。惨めに情けなく生きな」

そう言うと、その男はその場を後にして、エレベーターで下に降りて行った。

「くっそ!……情けねー…」

俺は自分自身の惨めさを突きつけられ、その場に座り込んでしまった。

その場に居続けるのは危険だとはわかっている。

思い返してみると、俺は逃げてばっかだった。

今までの戦いで俺の実力だけで勝ったことは無かった。なのに俺は、自分の実力を慢心していたことに気付いた。

「ダッセーな、俺。」

そのことに気付いた俺は、少し吹っ切れた。

俺は、自分のショルダーバッグから包帯を取り出し、撃たれたところに巻き、止血した。そうして立ち上がり、この場を離れようとした。

すると後ろの非常階段から誰かが降りてくるのに気付き銃を構えた。すると、階段から声が聞こえた。

「あなたが、凛さんの言っていた桜木瞬さんですね?」

そこにいたのは、大きなケースを担いだおかっぱの女の子だった。

(凛が言っていた?この子はいったい...)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ