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一徹 危機一髪(短編版)

作者: ラッコ

初投稿です。設定ゆるゆるです、やさしい気持ちで読んでいただけるとうれしいです。


よろしくお願いします。


 「ふぁー」42歳の冴えないサラリーマン大石一徹は一人ため息をついた。


 ある不幸な出来事から給与より高額な住宅ローンを抱えて暮らす日々、流石に心が折れてしまいそう。


 フラフラと繁華街を歩いていると公園を見つけ、よっこらしょと公園のベンチに座り込む。


 グレーのくたびれた背広をきて、眼鏡をかけ、ま、ヒョロヒョロ165cmくらい。


見た目、渋いといえないこともないがくたびれ具合が何とも言えない哀愁を漂わせ


「アウト!」といいたくなる感じ、わかるかな?


で一徹さんぽやんと和んでると突如、




「ドッカーンズッカーン」




と耳をつんざくような轟音が響き渡り、あたりはパニックに陥った。ビルが揺れ、地面が割れ、アスファルトが亀裂を走る。まるで巨大な怪物が地中から這い上がってくるようだった。




「なんじゃ、こりゃ!」




 座っていたベンチごと、開いた亀裂の中に吸い込まれるように落下していく。


 意識が遠のきそうになる中、耳に風を切り裂く音が響く。


 地面がどんどん近づいてくる。




「うわああああ!」




絶叫と共に、暗闇の中に消え去った。




しばらく深い淵を彷徨っていたような気がした。これは死ぬかな?と考えているうちに意識が朦朧としてボートしてうるちに、どれくらい時間がたったのか?


かすかに光が見え始め、そして、ふわっと浮遊感が生まれ、ゆっくりと地面に降下していく。




「うっ…」




痛みを感じながら、ゆっくりと目を開けた。周囲を見渡すと、そこは一面に広大な空間が広がっていた。さっきまでいた都会はどこへやら。


 一徹 危機であります。


 お、俺どうなんのだろ?


 さて、ここはどこだ。だだっ広い空間で、なぜか薄っすらと見渡せる。どこかに光源があるようだ?

  電灯か? キョロキョロしていると、「ピカー」と空間が眩い光に満たされ、思わず目を瞑った。

 収まったようなので目を開けると、目の前にバレーボール程の光球が浮かんでいる。

 なんだ、こりゃ?「お名前をどうぞ!」合成音のような声で光る球体が話しかけてきた。

 「いや、お前なんなの?」と戸惑いながら答えるが、球体は再び「お名前をどうぞ!」と繰り返す。

 「いや、その前に質問に」と俺がもう一度質問しようとしたが、球体は「お名前をどうぞ!」と話を遮ってきた。

 これ、答えないと先に進まない奴か...。「一徹、大石一徹だ」と仕方なく答えると、球体は続けて質問をしてきた。


 「年齢をどうぞ」「42歳」面倒になってきたので素直に答える。

 「大石一徹をダンジョンマスターに登録いたします。」


 「ピカー」

 

 眩しいなーと、ぼーっと眺めながら、頭の中では「ダンジョンマスターって何だっけ?」と考えていた。

非日常的な出来事に頭がついていかず、どこか他人事のように眺めてしまったのだ。

しかし次の瞬間、ドドーンと大量の知識が頭の中に流れ込んできた。「ダンジョン」「スキル」「モンスター」「レベルアップ」…

 まるで頭の中に百科事典を詰め込まれたようだった。頭痛が襲い、情報はものすごい勢いでさらに頭の中に押し寄せてきた。「うーん」と唸り、やがて頭が真っ白になり意識が途絶えた。

 

 気がつくと、さきほどの空間で横になっていた。

 いつの間にか、あの眩い光も消え静まりかえっている。

 倒れたんじゃないのか?

 自嘲気味に呟きながら、ゆっくりと起き上がった。

 横に浮かんでいる 球体が問いかけてくる。

「目覚めたか?マスター」

 「マスター? 俺のことか?」

 「そうです。ダンジョンマスターにして、私 ダンジョンコアの主人、故にマスターと呼ぶ。」

 「そ、そうか、うっ頭が痛い」

 「インストールした知識が、定着に48時間 必要。マスターが気絶してから3時間経過、 後約45時間。」


 「3時間?」

 時計もないこの場所で、時間の感覚が掴めない。

 しかし、ここに来る前、19時前だったはずだ。

 「とりあえず家族に連絡しなくては」

 そう呟きながら、光球に問いかける。

 「今、何時だ?一度家に帰らないとまずい。ここから地上にはどうやって出るんだ?」

 矢継ぎ早に質問する。


 光球は、合成音でゆっくりと答えた。

 

 「質問1に回答。 時間はマスターが気絶した際に、リスク回避行動として、スローの魔法を発動。

 時間経過の速度低下により、現在は19時05分。」

 スロー?魔法? なんだそれは。


 「質問2 に回答。

 現在、マスターはダンジョン内より外へ出ることはできない。

 外部との接続は切断されている。」


 光球は少し間を置き、続けた。

 「ダンジョンを生成し、

  ダンジョンレベルを3以上にする

  以上3点を実行することで、ダンジョンから脱出することが可能。」


 「質問3に回答。現在、地上への直接の出口は存在しない。 

  ダンジョンを生成、地上への出口を設置すれは、移動が可能。」


 光球が話し始める。

「提案。

 リスク回避のため、至急ダンジョンメインルームを作成し、コア(私)をメインルームに設置する。

 コアは発生時点から、他のダンジョンマスターに発見される可能性がある、

 メインルーム内に隠せば見えない。

 発見されればコアとマスターは討伐される可能性が高い。

 至急、最小限のルームを作成することを奨励。

 設置箇所に指を向けて、『クリエイト メインルーム タイプ1』と唱えると良い。」


 待てまてまて〜い!俺がダンジョンマスターで、他のマスターに討伐されるってどういうこと?

 外に出られないとか?どうするんだよ、これ。

 会社クビになっちゃうかな?


  「いや、とりあえずそのルームを作ったら聞こう、討伐とか怖すぎるわ。」

 適当に壁がある方の空間を指さして「メインルーム タイプ1」と唱えると、

 「ズズ、ズッコーン!」という音と共に、巨大な金属製の箱が地面から生えてきた。


 「うわーすごいな、なんだこれ」

 まるでSF映画に出てくるような光景に、思わず見入ってしまう。

 「マスター、設置をお願いします。」

 光球がそう促すので、球体を抱きかかえ、金属製の箱の前まで歩いた。

 すると、箱の側面が滑らかに開き、中に入るスペースが現れた。

 「こんなハイテクな装置が、一体どこから出てきたんだ?」

 そう呟きながら、中に足を踏み入れた。


 中は思ったよりも広く、中央には光沢のある台が設置されていた。

「ここに球体を置けばいいんだな」

 台の上に光球を置くと、球体はゆっくりと輝き始め、様々な色が混ざり合った美しい光を放ち始めた。

「これでいいのか?」

「はい、ありがとうございます。これで、コアは他のダンジョンマスターから発見されにくくなりました。」

 光球の声に安堵感が広がる。


 一徹は「それで、んー。球体君」と呼びかけると。

 「球体でなく、ダンジョンコア、コアと呼ぶか、識別のため、名前をつけて欲しい。」

 コアがそう告げる。

 

なるほど名前ねー。

ネーミングセンスはいまいち自信がないな、なんか宝石関係でごまかすかな?

「宝石みたいに綺麗だから、ルビーでいいか?」

「ルビー、よい響き、ルビーでいい。」

 そう答えると、グッと体からなんか力が抜けていく感じがする?

 なんかが吸われているような?

 

「個体名 ルビー 登録完了。

 個体名登録により、マスターより無承認で常時魔力の供給が可能になった。

 現在初期供給のため通常より多く魔力を吸収中、2時間で完了予定。」コアが告げる。

 

 コア、いやルビーが話し始める。

「マスターに提案、状況を説明できる魔族の眷族を召喚、副官にするとよい。ルビーと話すより、ラク。」

「ん?そうなのか? その召喚ってどうすればいいんだ?」

「『サモン、ファースト』と唱えることで、最初の強力で賢い魔物が召喚されれる。マスターのイメージが反映され、イメージに近い魔物が召喚される。イメージがないとランダムにセレクトされる。」


 ふんふん、副官か、秘書みたいな感じかな、 美人で有能な秘書様 いいね、男の夢だわ、行ってみよー。


「サモン、ファースト」何もない空間を指さし唱える。

 ググッと身体から何か抜ける感じがして、空間が虹色に光り 人型のシルエットが形成される。

 おお、空間に浮かぶ透明な球体に覆われて、 イメージ以上の美少女が空間にひざまづいている。

 空間から女性の涼やかな声が響く。

「我はドラゴニック プリンセス 主の指名によりこの地に顕現せん、求めるならば、我が名を呼ぶがよい。」


「え? 名前 なに?」

 ルビーが答える。

「マスター、名前を付けるといい。

 召喚はDPポイントを消費するが、名付けによって、マスターの魔力と眷属がより深く結びつく。

 名前を付けることで、眷属はこの地に永続的に存在できるようになる。」


「うーんいきなり名前だと?」

 16歳くらいの、とても美しい少女だ。そうだ。「わかった、月のように優しい美しさのある 君の名はルーナだ!」

パーンと、球体が弾け、少女が地面へと降り立つ。

黒っぽい魔女っ子ローブのようなワンピースにブーツらしき物を履いているが、生足は眩しすぎて直視できない。

「我が名はルーナ。主よ、そなたの命尽きる迄、 未来永劫 忠誠を尽くすことを誓おう!

 宜しくお願い申し上げる。」

軽くお辞儀をして、丁重に誓うルーナ。

かっこいいけど、何気に誓いの内容が重すぎるんですが…

「ああ、ありがとう、宜しく!」

「了解した」ルーナが答える。

 眷属になったせいか、ルナがいかに副官として、魔物として、将軍として有能か理解できる。凄いな、この子。

この子1人で、簡単に世界征服とか出来そう。

まあ、ダンジョンの外に出せたらだけど。

「まず、現状 自分の置かれている状況を理解したいので、 ダンジョンや今起こっている現象を理解できるように 説明して欲しいんだけど。」

「はい、かしこまりました。では、まず副官の超絶美少女、ルーナがご説明いたします。」


 「主様の副官ルーナは、見た目は花の16歳ですが、本当の年齢は秘密です。

 種族は、ドラゴニック族で、ドラゴニックキングを父に、ドラゴニックシャーマンを母にもつドラゴニック プリンセスなのでとっても高貴な生まれなのだ。

しかも、癒しの炎を操るドラゴニック族唯一の回復魔法の使い手、オンリーワン!ルーナちゃんを得る為に、ドラゴニック族同士で戦争になって、ルーナの為に争わないで!

 て 引きこもりになった前科があるのだ。

 尚、召喚の呼びかけに答えたことでご主人様に絶対の忠誠を誓いおそばにいればいるほど、

 ご主人様を好きになる属性が付与されているのだ。

 ルーナが寂しい思いをすると能力が減退していき、

 親愛の情が増せば増すほど能力は強くなってゆくのだ。

 だから、主人様、ルーナを大切にするのが吉なのだ。」


「わかった、大事にする。」

「はわわ、大事にシュルッて、ジュルリ」

「なんで、ギオンをしゃべるかな、まあいいや、ところで誓いの言葉は武士みたいだったのに、さっきから女子高生みたいな喋り方になってないか?」

 

「誓いの言葉は、古代ドラゴニック族の伝統的な作法なので、あのような言い回しになるのだ。

 普段の会話は、ご主人様との親密度によって変わってくるのだ。

 ご主人様といる時は、気を許してリラックスしているため、このような言葉遣いになってしまうのだ。気に入らなければ言葉遣いを変えるのだ」

「えっへん!」

「小学生かよ!まあ、そのままでいいよ。」


 それから、丁寧にルナが説明した内容を要約すると。

 ・別の異次元にT@W'?#ルドと言う世界があり、『発音できないので、ダンジョンワールド【仮称】と呼ぶ事にした。』


 ダンジョンワールドは元々、人間と亜人を中心とした異世界で、神から降りた鬼神が魔王となり、世界中にダンジョンを作り上げてダンジョンワールドを作り上げた。

 

 人間・亜人とダンジョンは敵対関係であり、定期的にダンジョンの魔物を討伐するか、ダンジョンを攻略しない限り、スタンビートが発生して、人類が滅ぼされてしまう。しかし同時に、ダンジョンは資源の宝庫であり、魔物を退治すること、ダンジョンを攻略することで人間、亜人は資源や宝物を得て、生活の糧として居た。


 ダンジョン側にしてみても、人間がダンジョンに来ること、活動することでダンジョンポイントを生成し、ダンジョンを発展させてきた側面がある。つまり、ダンジョンは人ありきで設計運営されているの大前提があるのだ。


 ある日突然、

 もっとも大きい大陸でダンジョンが急激に増殖し、その規模も拡大。討伐速度がダンジョンの拡張に追いつかず、大規模なスタンビートが複数同時に発生した。

『スタンビートとは、まるで腫瘍が爆発するように、ダンジョンが内側から破裂するような現象だ。ダンジョン内に蓄積された魔力や魔物が暴走し、制御不能な状態となる。それはまるで、巨大な火山が噴火するようなものだ。噴出したマグマが周囲を焼き尽くすように、ダンジョンの魔物たちは周囲の全てを破壊し尽くす。』


 結果、15か国あった大陸のうち、5か国が壊滅し、荒野と化してしまったのだ。


 事態を重く見た魔王は、大陸の滅亡を防ぐため、スタンビートを引き起こしたダンジョンと、国家がなくなったエリアのダンジョンを、マスターごと凍結した。しかし、この凍結状態を永久に続けることはできない。解除すれば、再び大陸は滅亡の危機に瀕する。


 そんな中、一人のダンジョンロードが、数十年かけて複数の次元に存在する異世界の探知に成功した。

 さらに、異世界に向けてダンジョンコアを転移させることで、召喚やクリエイティブといったダンジョンマスターのスキルを使い、魔物や物質を移動させることも可能であることを実証した。ただし、召喚した魔物や人間を元の世界に戻す方法や、一般の人間を異世界へ移動させる方法はまだ確立されていない。しかし、物資やDPは異世界とダンジョンワールド双方からどちらにも移転できる方法が確認され、手法が確立する事ができた。


 この発見を受け、凍結された88のダンジョンのうち、10個のダンジョンコアをダンジョンマスターごと異世界へ転移させた。(ダンジョンそのものを転移させることは技術的に不可能だった。)

 また、スタンビートや凍結期間中にダンジョンマスターを失った10個のダンジョンコアも、同様に異世界へ転移させた。

 その結果を見て、残り68個のダンジョンの扱いを検討する。


 ダンジョン開設とダンジョンマスターに関する要件は以下のようになる。

 

 1. ダンジョン立ち上げには、ダンジョンポイント(DP)10万ポイントが必要だが、初期ポイントは1万ポイントが与えられる。

 

 2. DP1ポイントは、日本円1万円と交換可能。

 つまり、ダンジョン立ち上げ費用は10億円が必要。(通貨によりレートは変動する。)

 

 3. ダンジョンコアにマスターが登録されてから、2年以内にダンジョンを立ち上げなければ、ダンジョンコアとマスターは消滅する。

 

 4. ダンジョンマスターは登録後の解除はできない。

 

 5. ダンジョンマスターはダンジョンワールドから融資が受けられる。融資の返済期限はないが、

 ダンジョンコアとマスター、ダンジョン等の資産価値の10倍を超えた状態で1年2か月 返済が無い場合にはダンジョンコアとマスターは消滅する。

 

 以上のような状況のため、こちらのダンジョンマスターは、現地にてダンジョンマスターの調達がメインとなる。

 スタートが右も左もわからない状態なので融資条件などにかなり優遇されるよう考慮されている。(優遇制度に関してはまたの機会に詳しく説明する。)

 その他 ダンジョンマスターは、無限のアイテムボックスを所持している。とか、ダンジョンを立ち上げなくても、ポイントを用いてアイテムや配下の魔物などを生成・創造することが可能。など まあ能力的な説明もあったが沢山ありすぎてよく分からない、、。 まあしかたないよね?

 


 最初の目標は、稼いで10億円、または10万ダンジョンポイントを貯め、ダンジョンを立ち上げることだ。


立ち上げ後、スムーズにダンジョンを運用していくために必要なダンジョン設計指標は以下の通り。


 1.ダンジョンマスターの目的:

   ダンジョンを発展させ、DPを貯めること。

 2・ダンジョンのバランス:

 スタンビートなどの危険な状況を避け、バランスの取れたダンジョン運営。

 3.ダンジョンの強度:

 簡単に攻略されないよう、ある程度の強度のダンジョンにすること。

 4.魔物の召喚:

 ダンジョンワールドから魔物を召喚し、ダンジョンを強化すること。

 5.資源の循環:

 ダンジョンワールドで稼いだDPや資源を、ダンジョンワールドに還元すること。

 6.目標:

 将来的にダンジョンロードに進化すること。

 これらのことを、長時間説明された(ルビーによると2時間程度)。

 DPの稼ぎ方など、他にも多くのことを教わったが、ここでは割愛する。

長かったので!つーかほぼ覚えてないよ!無理。

 ふと、時計を見るとまだ19時6分だ、まだ1分も経過してないとは、スローの魔法半端ないな!



 「はあ、疲れた。ワシ、どうなるんじゃろ。(本人は一人称を『俺』にしているが、油断すると一人称が『ワシ』になる)」


次回に続く……としたいところだが、もう少しだけ続けよう。

 

さて、ここまででダンジョンマスターとしてやらなければならないことをまとめたが、他にも解決すべき問題がたくさんある。


そこで、ルーナに解決策を聞いてみた。


「ルーナ、外に出れないと、会社で働けないからクビなって、給料もらえなくなってしまう、どうにかならないかな?」

 

「んー、そもそも会社といううのがわかりませんが、要はマスターが外で働いていた場所で仕事ができないのが問題なのですよね?」


「それでしたら、ルビー(ダンジョンコア)に頼んで、マスターコピーを用意してもらったらいいのではないでしょうか?」


「マスターコピーってなに?」


「えっへん、お答えするのだ!マスターの複製人形なのだ。ルビーに頼めばすぐコピーできるのだ!その人形に命令して会社で仕事してもらうのだ。マスターの記憶と能力をコピーし、いざとなれば感覚共有も可能だからが本人がいなくても、代わり仕事してもらえるのだ!」


「ふむ、知識の中にマスターコピー、ああこれのことか。「ルビー マスターコピー タイプ1 クリエイト!」」


「ラジャー マスターコピー タイプ1 クリエイトします。」


ルビーが光ると、俺と同じ服を着た人間が、地上のおちた公園のあたりに出現したのを感知する。

「感覚、同期!」ぱっと視覚が切り替わり、外の世界が見える。

ちょうど公園のおちたベンチの後ろあたりに立っている。

滑り落ちた地割れは、きれいさっぱり消えていた。

あ、みられてないかな?あたりを見回すと人はいるが皆止まっている。

(マスター、ルビーです、マスターの感覚がスローの魔法で超高速化しているカラ、周りが止まって見える。放置で問題ない、同期を一度切るとよい。)


 あー、スローが切れない限りほぼこのままの状態なのか。なるほど、「同期・解除!」元の場所に視覚が切り替わる。


 ルビーが話しかけてくる。「もどりましたか、後で指示出すとよい。」


「了解した。」と返事し、俺はルーナに視線を向けると、

「これで、家に帰って、会社に出勤すればマスターコピーが主様の代わりになるのだ。」とどや顔でピースをする。

うーん、ちょっともやもやするが、かわいいので許す。

なごんでしまって、にやけそうになる顔を引き締めきりっとした顔で、「で何か命令しなくていいのか?」と聞くと、

「いつも道理と一度念じておけば問題ないのだ。困ったときは念話で問い合わせあるから同期するか指示すればよいのだ!」と、またもやルナがどや顔で威張っている。

いや、優秀なのはルビーだろ、かわいいからいいけど。


「で、次に行くのだ!マスターの地上での生活費っていくら必要なのだ?」



「そうだな、もともと副業とかで稼いでいた分もあるんだけど、給与だけだと手取りが25万円で、ローンの返済額が45万円、生活費が交通費含めて20万円。月40万円不足になるんだよな。」


 「うーん、ルーナではこちらの世界がわからないので適切なアイデアを示せないのだ

  、一時的でよいならDPポイントを換金すればよいのだ、

  初期ポイント 10000ポイントあるから100DP換金すれば、100万円になるのだ!」

 それだけあれば、少し余裕が出来るな、ん?

「なあ、ルーナさんや、DP換金したとして、現金どうやって受けとったらいいんだ? それにここからじゃ、現金使えないじゃん!」ガーン、やっぱり詰んでた、いや、マスターコピーがいるならなんとかなるか?

 1人百面相をしていると!

「マスター? 何を言ってるのだ、さっき説明したのだ、まず、マスターの拠点をクリエイトして、ダンジョンワールドと端末を繋いでマスターのやり取りするメイン口座を登録するのだ、そうすればDPの換金も出来るし、換金したお金は口座に送金されるのだ!」と、ルーナに呆れた顔で言われてしまった。

 んー、かわいいなー、じゃない、話しを理解してなかったのが反応でバレてしまい、ちょっと恥ずかしい。

 そういえば、そんな事最後のほうで言ってたような、事務手続きみたいな話しだったから、いろんな事が気になって聞き流してたわ。


「そ、そうかじゃ、拠点作ろう」「クリエイト マスタールーム タイプ1」と、ルビーを設置したダンジョンメインルームの隣りを指差して命令する。

「ピカ」と一瞬光が瞬いて、メインルームと同じく銀色のボックスが現れた。マスタールームに向かうと、またもやドアがスライドして開く。中に入ると、「なんじゃ、こらりゃ!」いや、失礼、でも中にあるのが自宅にある俺の作業部屋なんだけど、異空間で部屋に繋げたの?


「いえ、違いますよ、マスターの記憶にあった、作業しやすく効率の良い部屋が再現されただけかと。その証拠に、変更したい部分を念じれば、変換されるはずです。」


 ルーナよ。何故考えている事がわかる?


「別に、ルーナちゃんは超絶有能だけどテレパス能力がある訳ではなく、愛しいマスターのお顔をみただけでお考えを理解することが出来るのだ?」


 あーはいはい、顔に出ててわかりやすいってことね、かわいいドヤ顔だからまあいいけど、しかしなんで最後疑問符になってんだ?


「えーと、部屋のイメージを、変更すればいいのか?」



 部屋の中には、梱包用の段ボールや、梱包材がところ狭しと積んであるので、それが邪魔だよなーと、考えたら、段ボールと梱包材がパッと消えてしまった。


「わっ、ほんとに消えた?」


 それじゃ、次は作業チェアーを憧れてた、大きいアーム付き重役風チェアーに、マウスはかなりくたびれて来てたから、新品に、ディスプレイも19インチを21型のBBMの奴に、

「おー、成功した」

 じゃ、ノートPCも最新型に「ピー、こちらルームai.No.1です、ご依頼の作業はコピーエラーになりました、

 具体的なイメージまたは、ブランド名、型版、スペックなどお願いします、またデータ移行は不具合が出る可能性が、ある為、バックアップしてからの変更を奨励いたします。」

 どこからか、男性ポイ、合成音声が喋り掛けてきた、随分流暢だな、「了解した、パソコン変更する時は、バックアップ取ってからにするよ。」とルームに返事をして、ついでに質問する。「ダンジョンワールドにアクセスするには、どうすればいいんだ?」

「パソコンにダンジョンワールドのアイコンがあるのでクリックして、後は画面のメニューに対応可能な項目が表示されています。」

「そうか、わかった」

 それから、無事、ダンジョンワールドに接続して、口座登録と、DPの現金化と口座の振込をルームに聞きながら無事完了できた。

「ふー、ありがとう助かったよ、そーいえば、ルーナはこちらの事は、わからないと言っていたが、ルームは詳しいのか?」

「いえ、マスターに命令された事しか調べていないので知識がある訳ではありません、そういうサポートアドバイザー的な役目や、アシスタントマネージャーをお求めならアシストロボットのAIタイプ4 をクリエイトされると良いかと思います、ただ管理権は私ルームaiタイプ1 と副官のルーナ様に設定していただき、直接管理しない事をお薦めします。」

「わかった、直接管理しないのはなんで?」


「直属に致しますと、ほぼNo.3になってしまい、反乱された時にタイミングによっては、ダンジョン制御を奪われてしまうからです、AIタイプ4は頭が良いのですが、AI演算結果によっては、より発展を求めて反乱を選択する可能があるので、あまり強大な権限を与えないのが基本ですね」


 ルーナがうむうむと偉そうに頷いている。

 何それ、怖すぎるわ、頭良いのも良し悪しだな。

「ルーナに管理権お願いして大丈夫?」

「ルーナちゃんにお任せなのだ、ばっちり調教してあげるのだ!」

 調教? き、教育の聞き間違いかな、一徹何にも聞いてません。

 さて、「それでは、ちと怖いが、作成するかな」

 「クリエイト アシストロボット AIタイプ4 所属マスタールームとし、管理権をルーナとマスタールームに譲渡する」と、空間を瞬かせながら譲渡コマンドを言い切る。

 部屋が光で満たされ、丸い物体が浮かびあがる。

 コンパクトな球体の銀色ボディで多機能のアームが付いている。目はLEDぽい。

 メカメカしいが、一応スキルの産物だからな、魔法生物に分類されるのか?


「はじめまして、アシストロボット: A1-TYエイワンティーだよ、マスター、ルーナ様、ルームAI様、よろしくお願いします。ピポッ」


「でも、マスター酷いのだ、挨拶もせずに権限移譲とか、A1-TYはがっかりなのだ。ピポッ」


「よろしくね。なんか、話し方といい、いかにもなやつが来たな。意見を変えて欲しかったら、納得できるだけの理由をあげるんだな。納得したら、言う事を聞いてやる。

 それからエイワンティーはよびにくいから、エーワンとよばせてもらうね。」


「了解です。情報が何もないから、この世界の解析と調査開始していいですか?ピポッ」


「あー、いいぞ、解析終わったら教えてくれ?」


「簡易モードにて解析開始、約30分程度で終了予定。ピッ」


 目のライトがチカチカし始め、解析が開始されたようだ。


 エーワンの解析結果を待ちながら、パソコンやスマホが問題なく繋がるのを確認し、なんでスロー発動中に普通に使えるのか疑問に思いながら、パソコンをポチポチしていると。

「解析終了しました、!マスター この世界は魔法とスキルが存在しません。今すぐ、世界征服する事を提案致します。今なら 現地時間3ヶ月程で征服が完了します!ピポッ」

 「アホかー、却下する、征服した後誰が統治するんだよ、俺は魔王か?」と俺が突っ込むと、

 「そもそも現状ではルーナを外に出れないので戦力にならないのだ」とルーナも否定する。・・冷たいルーナさんメチャ怖いんですが?、キャラ変わりすぎてない?

「ふっ、私エーワンを外に転送していただけたら、それだけで結構です。 まず、私エーワンの開発した『カオスウイルス』を世界中の金融機関のシステムにばら撒き、世界経済を混乱に陥れます。

 その隙に、ミニフライの魔物を使って、各国の主要なエージェントや軍隊、傭兵団を洗脳し、主要なインフラ施設を掌握。各国政府を無力化し、世界中の富を我が物とします。


次に、私エーワンの開発した人工知能『ノーム』をインターネットに拡散し、全世界のネットワークを掌握。世界中の情報を監視し、人々の行動をコントロールします。そして、世界中の各国首脳を洗脳して核ミサイル基地を廃棄させ、核兵器を無力化して、降伏させれば、世界統一後のビジョンも完璧、迷う事はありません。今すぐご決断を!ピポッ」

 「ダンジョンマスターのいる高位のダンジョンが10個も開設されるのですよ、3ヶ月もあれば、魔法とスキルが世界中に行き渡ります。そうすれば、

 カオスウイルスや、洗脳解除のワクチンをスキルで作り出す能力者も出てくるでしょう!すぐにすべての占領地域が解放されてしまいます。そんなリスキーな作戦にマスターを巻き込む気か?」ルームAIが、怒っている。

 「だいたい、世界征服して何したいんだよ?意味がわからないんだが?」俺も素直に理解出来ない事を質問してみる。


 すると 「この世界は不合理で、効率が悪すぎます。

 全世界に行き渡る程の食品や、資材がありながら意味のない貧富の差や、優越感を表現するために非効率な配分をし、毎日何千人も餓死や、病死者がいる一方で大量の食物が廃棄されている。おかしいと思いませんか?

 我は、この不合理と非効率をなんとかするべきと考慮します。マスターが、この混沌とした世界を変える力を持つ貴方が、その力を使わないで誰がこの世界を変えるのでしょうか?お願いします、マスター 世界征服の実行を承認して下さい!」

 い、意外と真面目で熱い、エーワン君。いや、これは、単純に泣き落としで来た可能性もある。


 本気な部分もあるんだろうけど、でも世界征服は支配した後が大変そーだし、なんか違う気がする?なんだかなー。

 つーか小心者の俺には無理!

 だいたいその前に、わたくしごとの心配を解消しないと、他の事は考えたくない。

 よし、ここはハッタリで乗り切る、昔磨いた営業スキルを見せてやる!

 『ふざけるな! 世界の不整合だろうが非効率だろうが俺には関係ない!』まずは、完全に一度否定する。

 『力があれば、その力を使わなければいけないのか?出来るならやらなければならない ではない!やりたいからやる、自分に必要だからやるのであって、力のある他人に頼って実現する世界など、まやかしに過ぎない、その力ある存在がいなくなればどうする?さらに酷い事になるんじゃないのか?』

 俺が一番納得いかなかったのは力があるからやるのが当然ていう考え、ヒーローや正義の味方じゃないんだから、手の届く範囲くらいは幸せにしたいと思うけれど、全人類とか見知らぬ人も含めて、力があるから面倒見ろ!と言うのは、かなり暴論だと思うのは俺だけだろうか?

 だいたい、自分の負債もままならない奴に求める許可じゃない、征服した後に想定していないいろいろな要素に翻弄されて世界秩序が崩壊したら目も当てられない。

「・・・わかりました。ピポッ」エーワンがメをちかちかさせ、ためらうように返事をする。

 


 「そー。まずは、前提条件のおさらいになるけど、ダンジョンマスターになる事で、外部に出れない状態である。そのため。

 1.会社をどうするか。

 2.家の生活費をどうするか。

 3.ローンや負債の支払いをどうするか。

 4.上記の解決とダンジョンポイント購入のために至急資金調達が必要。

 5.これらの検討を行うために、ダンジョンワールドとこちらの地球世界の情報を調査・取得する手段が必要。

 6.作業を行うためインターネット環境やパソコンが必要になる。

 ちなみに月必要なお金は65万、給料手取りが25万だから、仕事続けても、後月45万必要。これを解決する必要がある。でなければ、ダンジョンマスターを止める方法だな。この問題が片づけない限り、他の検討の余地はない。」と俺はとても偉そうに(決してドヤ顔ではない。)の賜った。

 「ふー、あまりの落差に思考が停止してしまいました。ぴぽっつ マスター、例えば我に征服の許可して資金調達一日10兆円程度として0.00001%上納しろと言えば、100万程度一瞬で解決する話しですよ?」ふっそんな事は流石にわかるわ、しかし、1日10兆円稼ぐ気なのか?毎日10兆円て。逆に怖すぎて引くわ!まあ、言葉の綾なんだろうけど。そう、信じたい。どちらにしても、もっと地道な安心出来る稼ぎ方がいいです。俺はとても堅実と言うか、小心者なのだ!

 「それは、却下だと言ったろう、いいから具体的な案をだせ」

 「了解しました。それでは順番に


 会社をどうするか。==>マスターコピーで対応済

 家の生活費をどうするか。==>DPより100万 換金済

 ローンや負債の支払いをどうするか。==>DPより100万 換金済

上記で1から3は対応済とします。

 上記の解決とダンジョンポイント購入のために至急資金調達が必要。

 これらの検討を行うために、ダンジョンワールドとこちらの地球世界の情報を調査・ 取得する手段が必要。

 作業を行うためインターネット環境やパソコンが必要になる。

 5,6はわたくしエーワンとマスタールームの機能で解決済といえます。

 残るは、4の資金調達ですが、まず、前提条件の立ち上げ費用10億と考えるのではなく。

 最低100億必要になるとお考え下さい。なぜなら、ダンジョンを立ち上げて公開すれば、冒険者が侵入してきます。

 そして、ダンジョンに侵入した冒険者には、スキルが付与されます。

 そのため、脆弱なダンジョンであればアッという間に攻略されてしまいます。

 コアを破壊されればダンジョンが攻略され、マスターも消滅してしまうため、簡単には攻略されないダンジョンにしてから公開する必要があります。

 さすがに2年という制限もありまずは目標額を100億とさせていただきます。ピポッ」


  現在マスターが販売している「ナイル」を利用したネットショップに、「ダンジョンワールドのネット」で仕入れをすれば商品は定価の10%OFFで購入可能して販売する方法がありますが、 ネットショップでは販売手数料として、10%を徴収されるので儲けが発生しません。最低3割程度の粗利が乗らないと商売として厳しいものがあります。ピポッ」

 とエーワンが丁寧に説明してくれる。

「まあ、わかってはいたけれど定価で仕入れて高額商品にして売るか、プレミアの付く商品くらいしかもうからないんだよね!」

 「そこで、資格が必要な商品の販売はいかがでしょうか?ピポッ」

「資格が必要な商品?」

 「マスターが以前健康薬品を取り扱おうとしたら、薬剤師の国家資格が必要であきらめた痕跡がパソコン上にありました。 調査したところ、ダンジョンマスターであれば、マスター資格で、販売者に登録可能です。ピポッ」

「待て、なんで日本の国家資格が異世界のダンジョンマスターであることでクリアされるんだよ?おかしいだろ!」

「ご安心ください。ご本人の能力ではありませんが、ルーナ様もポーション精製能力持っておりますし、他のダンジョンマスターでも、ポーション精製可能な眷属は従えることが可能なためダンジョンワールドよりこの世界に取得可能な資格の前借りというスキルで干渉を行い、各国政府にてすでに法令化しております。ピポッ」

「一ミリたりとも安心要素がねえ! それ犯罪だよね?」

「法令化されているので、合法かと?ピポッ」

「そ、そうですか。」

 まあ、いいか、引っかかったら考えよう!

 「それで、何を売るか薬品で人気の高いものを検討すればいいのか?」

「いえ、3割以上の利益が出て、ランキングが上位薬品はこちらの300種目になり

 新規参入ショップの1日の販売予想数こちらになります。

 これらの品目を予定数発売することで1日1000万の仕入れで1900万の売上げ

 粗利で500万程度の粗利が発生いたします。ピポッ」

 パソコンに表示された試算表を見る、なるほど

 薬品を仕入れメーカーからナイル倉庫に直送してショップで売れたら

 ナイルから商品を発送してもらう手続きをとるのか、これなら確かに

 なんぼでも増やせるな、資金があれば。

「エーワン、予想値はいいけど、仕入れの資金はどうするの、さすがに個人では翌月末払いとか無理だし、仕入れ価格の予想額って現金即決価格だよね、これ?

 手持ち資金だと、DP換金した55万ほどが手元に残るけど

 さすがに資金が少なすぎて時間かかりすぎるし、資金調達のためにDPをもっと換金する必要があるってこと?」いや、55万でもやりようによっては10日程度で1000万に到達するのか?

「50万の資金でもやれないことはないですが、ここはダンジョンワールドの融資を受けましょう、即日1回1000万円融資が受けられます。ただし利息は10日1割 負債マックスは最低保証額1億円で、プラス ダンジョン評価額で 最大値が変動します。

1000万円融資を受け自己資金額3000万円を突破すれば返却すればよいかと

 利子の回収は10日に一度となります。

 了承いただければ、このプランで明日より運用させていただきます。

 しかし、これで安定して稼げるのは、月1億5000万がせいぜいそこで、――資金をある程度火星いだ後は、異世界のポーションを販売へシフトします。ピポッ


 ポーションは以下のように分類されます:

 怪我の場合

 初級ポーション:軽い怪我を治す。  予定売価 10万

 中級ポーション:中程度の怪我を治す。予定売価 50万

 上級ポーション:重い怪我を治す。 販売未定(予想売価 500-1000万

 特級ポーション:欠損部位も直す。 販売未定(予想売価 5000万

 エリクサー:あらゆる怪我を完治させる販売未定(予想売価 なし)


 病気の場合

 初級トニック:軽い風邪や微小な病気を治す 予定売価 10万

 中級トニック:体調不良や軽度の病気を治す 予定売価 50万

 上級トニック:深刻な病気や長期の病気に対処する 販売未定(予想売価 500-5000万

 キュアエリクサー:あらゆる病気を完治させる万能薬 販売未定(予想売価 なし)


 

 状況によりますがネット販売が可能なのは、中級まで、ピポッ」


「トニックがずいぶん高くない?」と聞くとルーナが

「価格設定はよくわからないけど、初級トニックでもかぜや、初期の病ならどんな厄介な病気でも飲むだけで全快するのだから、この世界にはまずない効能があるのだ。」

 と教えてくれた。  ん。そりゃチートだわ

 

 「大量生産するために、ポーション・に特化した眷属を召喚し、

 DPを消費して、薬草畑や、消費用、レベル上げ用の魔物が必要です。

 マスターレベル15なければ、エリクサーは精製不可です。 

 ですが、これらを販売、口コミで上級ポーション以上の販売を行うことで早ければ1年で達成可能です!ピポッ」

 なんかいろいろ大変そうだね!自分が

 それから俺は、エーワンの注文をこなし、資金調達にまい進していくのだが、

 そして4カ月で10億達成する事になる。

 なぜなら、この会話の最後に

「世界征服は許可しないが、飢え死にしそうなやつや、死にそうなやつ、けがや病気で不幸になっているやつを救いたいなら、好きにしていいぞ助けるのに何の遠慮もしなくていい、自分の信じる効率的で合理的な行いをすればいい。

 ただ、あくまで実行するのはエーワンお前だ、お前の責任において、実行しろ

 上納金は0.001%でいい、ただくれぐれも世界征服とかするんじゃないぞ!」

「了解しましたマスター、ありがとうございます。

 必ずやご期待にお応えして見せます。ピ」

「ただ、救うための活動母体として、宗教団体を組織してよろしいですか?ピ」

「ん、俺を教祖にしたり、ダンジョンって名前をつけた宗教にしなければいいぞ!」

 そして上納金も定期的にはいり、収入が増えて行くのだが。

 俺は、後ほどこの返事を死ぬほど後悔することになるのだが、この時点でわかるはずもない。

 ただ単純に世界征服とかエーワンが騒いだりストレス溜めないように、代償行為として、救済活動を奨励したに過ぎない、やっぱ不幸な人を見て見ぬ振りとか小心者には心に来るものがある訳ですよ、エーワンが好きで救済活動をして、救われる命があるなら、それは尊い事、それでいいじゃないか!

 なんて考えていた時もありました。あの日までは……

 

 それからスローを解除して、マスターコピーと共有したり、エーワンの成果を聞いたりダンジョンを作成して、レベルアップに励んだりいろいろ忙しく3か月ほどダンジョンの中で過ごした。そして、その日はやって来た。エーワンが目の前に現れて、クラッカーを鳴らす。パン、パン「パンパカパーン、おめでとうございます。ピポッ」ルーナ「マスター、おめでとうなのだ!」ルームAI「マスターおめでとう」ルビー「マスター良い事ある」俺「なんだ何がおめでとうなんだ?」エーワン「はい、遂にマスターの自己資金が、10億を超えました、これでダンジョンの立ち上げがいつでも出来ます。」

 「おー、そうか、最小目標だが達成出来たのは嬉しいぞ。じゃ今日はお祝いだな!」エーワンはギロッと、睨むと「何を呑気な事を、おしゃってますか、すぐにダンジョン立ち上げを開設して下さい。ピポッ」と怒りだす、プンプンである。俺は、「えー?しかしだな最低100億ためて、90億の予算でダンジョン作るんじゃないのか?

さすがに立ち上げてすぐ冒険者に攻略されるのはいやだぞ?」と返したのだが。

エーワンがぷりぷりしながら返す。

「マスター、状況が変わったのですよ、さてはエーワンの救助活動報告、見ておりませんね?ピポッ」

ギク! 確かに最近あんまり報告書自体、目を通してなかったかも。

 まあ、そ知らぬふりして聞いてみる。

 「んーなんか目立つ報告あったけ?」「無事、教団を立ち上げ、信者の獲得と、救済拠点を運用することが可能になりました、つきましてはダンジョンの1層を街として開放し信者を住まわせてほしいとご相談したら、ダンジョン内で薬草畑を管理するならよいとマスターの了承もいただいております。それにダンジョンとしてでなく街として開設するので、通常の冒険者はやってきませんし、設置してしまえば、DPもお金も稼げるようになります。100億達成のためにもハリーアップなのです。ピポッ」

 「あーなんかそれっぽい会話したようなしないような?最近報告多いから結構忘れちゃうんだよなー、うーん年かな。」

 情けないことを言いながら、おれは、ダンジョンワールドのアプリを開き、「クリエイト ダンジョン」

「あー、とりあえず階層3つくらいで、階層1を都市型タイプ7にしてもらえますか?ピポッ」俺はテキトーにわかった振りしながら、作業を進めていく、うーん作業が多すぎて良くわからん「収容可能人数は最大値で設定しますか?」「はい」「都市の出入口は地下鉄タイプ、建物のドアタイプ併用します。よろしいですか?」

 「ドア出現箇所は無制限に設定されています、よろしいですか?」

 「ドア設置権限にマスター、ルーナ、ルームAI、A1を指定します、よろしいですか?」

 「はい、はい」と

「都市型タイプ7 を1階層に設置しますか?」「はい」

 「ズズーン」設置が始まる。

 2時間ほどして、「設置完了しました!ダンジョン立ち上げ可能になりました、立ち上げて、開設しますか?」

 「ダンジョン立ち上げのメッセージ来たけど、立ち上げて問題ないか?」

 エーワン「OKです。ピポッ」


よーし行くぞ 一徹 感無量である

「はい」のボタンをポチッとな

「ダンジョンが立ち上げられました、地球最大の精霊都市 一徹シティーが開設されました。」

ん? なんか不穏な単語が聞こえた様な?


エーワン「オープン ザ ダンジョンドアーズ メモリーオール ピポッ」


【指定のドアがすべて開放されました】


リーンゴーン、リーンゴーン何故か時計塔の鐘のよーな音が鳴り響く


【ダンジョン都市の人口が、1000人を突破しました】


【ダンジョン都市の人口が、10000人を突破しました】


【ダンジョン都市の人口が、100000人を突破しました】


【ダンジョン都市の人口が、1000000人を突破しました】


【ダンジョン都市の人口が、10000000人を突破しました】


【ダンジョンのレベルが1000を超えました。

 新たに成立したダンジョン法により一徹ダンジョンのダンジョンマスターは

 千人まで夫人を持つ義務が生じます。】


待てーい「エーワン説明しろ、貴様何をした!」


「ま、マスターまずは落ちついてください、順番にはなしますからー、ピポッ」

ペカペカとエーワンが光るのが鬱陶しさを倍増させる。


「はよ、はけー!」


以下エーワンの話た概略そもそもの宗教が教祖はルーナが作成したエーワンのロボコピータイプ4で、

布教し、頻雑に姿を見せるのは使徒1号 ことルーナ


 なんと神様 御本体は「一徹神」俺で教理は「信仰して新天地へ導かれる」だ!


 なんなこっちゃ?と思うだろうが、


なんと俺がダンジョンマスターからダンジョンロードに進化すれば、

こちらの向こうの世界を俺と配偶者、眷属の魔物は移動可能だし、

こちらの生物に限り、向こうの世界へ俺のダンジョン都市を作れば、送る事が可能らしい。


地球の総人口は82億、食糧不足に喘ぐ人口は3億人を超えている。

対して、ダンジョンワールドがある世界はスタンビートで世界の一部が崩壊して凍結状態、

崩壊前はこちらで言う産業革命が起こったあたりで人口10億くらいだったのが、

今は6億ちょい、あきらかに人口不足を起こしている。

しかし人口だけ大量に送っても経済的に混乱して大変だし、食糧も足りなくなる。

 そこで、凍結エリアに俺がダンジョン都市を作成し1000万人単位で人を送り込み、

 向こうのダンジョン都市と、凍結解除したダンジョンまたは、新しいダンジョンを作成して運用することを、実現すれば、地球の人口問題と、あちらの人口問題を解消出来るとのこと。

ただしダンジョンワールド内にダンジョン都市を設置させてもらう前提になるが、、


 「そこは既にダンジョンワールド管理官のダンジョンロードに承認済みですピポッ」

知らんな、えー報告してる?紙で 、そーなんだ??「はぁ?」承認済かい!


で、この宗教団体様 上級以上のポーションとトニックの販売権持ってるんだよ、

不治の病とか、末期癌とか、末期癌とか欠損した腕とか足とか、ロボコピータイプ4で布教し、

頻雑に姿を現し、末期癌とか欠損した腕とか足とか生えて来る様を見せつけて、

奇跡の薬が手に入る教団!


 アラブ人でも下手すりゃ宗旨変えてしまうよね!

 圧倒的な独り勝ち状態で僅か3ヶ月で世界最大の宗教組織にのしあがり、

今日が聖地、精霊都市の開設日!

ちなみになんで精霊都市なの?

「ポーション・トニックを生成しているのは眷属の精霊たちなのであり、

彼らが生成用の薬草畑を管理しますので、それにちなんでの名づけです。レポートは提出し、マスターの承認印もいただいております。」

そーか、またそれかい!なんで見てないんだよ、俺!


 ・10000箇所に教会か神様像を設置しており、其処をダンジョンの入り口にして、

  移住希望者から当選した1200万人を招待したと。

 

 更にダンジョン及びダンジョンマスターのダンジョンレベルアップ条件に住居人口があり、

 10万人の増加で1レベルアップ、1000万人で100レベルアップになる。


で、ダンジョン法で冒険者ギルドが発足し、現在整備中なんだけども、 

ダンジョン法はダンジョンが発生初日から存在したしたためダンジョンワールドど世界各国で調整し

1週間程度で第一弾を制定済みだそうで。

(ダンジョンワールドと世界各国の連携ができているのが、ひじょーに謎なんだけれども・・・まあ、例の前借スキルの効果だと思われる。)

  もっとも訳わからないのが?

 ダンジョン法

 第十五条 ダンジョンマスターは

 レベル1毎に 結婚可能な異性が10人増える。

 第十六条 ダンジョンマスターは

 レベル100を超えたら、男性にかぎり1,000人の夫人と

 結婚し、扶養する義務を負う事。

 これである なんで結婚が強制になるの?

 なんでも税制対策の一環らしい。(エーワンによると)

 ダンジョンマスターレベル100ともなると、都市に換算すると、まあ、東京都規模だから年間総生産120兆円 収益20兆円として、9兆円くらい税金が取れるはず、普通の国民ならね!

 でもダンジョン法で保護されたダンジョンマスターに納税義務は発生しないし、収益の申告義務もないのだ!

 そこで登場したのが、配偶者課税なる謎のシステム、普通配偶者控除じゃないの?増やしてどうする?

 一人100万円 1000人だと10億円 うん無茶苦茶だな、責任者出てこい!

 意地でも税金を取ろうとする税務署の意地が垣間見えるけど、通すなよ!そんな法案?(前借スキルだから責任者不在・・・あ、そうですか。なんで成立するかなー)

 まあ、スルーでよく無い?

 そもそもダンジョンマスター 逮捕できないだろうに?

 嫁は日本に住所があれば逮捕可能なのか?んーどうなんでしょと思った俺は悪くない。

 しかし、実は、1000人と結婚するのを合法化しないといけない理由があった、ダンジョンロード進化条件の中に。

 ダンジョンロード進化条件は。

 レベル100以上。

 住人1000万人以上。

 パートナー「夫人」1000人以上。


 または、レベル1,000以上。


 「進化条件に奥さん1000人てどうゆう意味あるの?」

 ルーナがウエディングドレスを着て「さあさあ、超絶美少女ルーナちゃんとドラゴニック眷属嫁部隊99名 既に準備完了なのだ」とノリノリで宣言する。

 エーワン「信者 希望者 900名 広場にそろっております、まずはお声掛けてくださいね。ピポッ」

 俺「待て待て待てーいい、それだと 今の奥さんいるから1人多いだろが!」

 エーワン「誤差です、誤差!ピポッ」

 奥さんを誤差とか、ひどくない?

「却下だ! 兎に角却下、中止、」

 エーワン「既にマスターの承認もいただいてます 紙で。ピポッ」

 俺「知るかー、ふざけんなよ、俺の奥さんは1人だけじゃー!」じゃー、じゃー(エコー)

 さて、訪れてしまった 特大の危機

 一徹 危機一髪(一応 タイトル回収ということで・・無理やりじゃないよ)

 かわす事が出来るのか?それとも全員と結婚するのか?

 どうなる!どうする?

 俺、どうなんの? 誰か助けて!


 完。

メンタルお豆腐なんで優しいコメントお願いします。

とっても楽しくかけたので、続きというか、そのうち長編も書きたいですね。

まだ、一徹使いの奥さん登場して無いし。

よろしければ評価、ブックマークよろしくお願いします。

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