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9.復讐の相手は目の前に


 アルクレナ王国の夕暮れ時では、空は柔らかな橙色に染まる頃でも、様々なものを見ることが出来る。


 風に揺れる桜の木々。


 その木陰で戯れる野良猫と少年少女たち。


 通りでは学園の生徒たちが楽しそうに買い食いをし、ベンチには寄り添うように座る老夫婦が静かに語り合っている。


 そんな穏やかな情景を横目で見ながら、一人の少女が寮に向かって帰宅していた。


 「……平和だなあ」


 アルカナランクが平均より高めのB-、何故かユーマ・グレーシアに執着しているシムノ・アンチという変人に出会ってしまった少女。


 ユカネ・カトリーヌは小声でそう呟いた。


 「平和なはずなのに、昨日といい今日といい、私の隣人さんが変な人のせいで色々と疲れちゃうよ」


 思わずため息を吐いてしまう。


 脳裏に浮かぶのは何故か頬が紅潮しているシムノの顔。あの顔を見た時は、少し引いてしまった。


 「……私、普通にやっていけるのかな」


 ユカネ自身、特別な学園生活を送りたくてアルクレナ学園に入学したわけではない。


 勉学とアルカナ実技を両立しながら、時には友人と何気ない会話をして笑い合ったり、気晴らしにどこかに遊びにいったり、休日は部屋でだらだらと過ごす。


 そんな生活で良いのだ。何も特別なことを成すことはないし、成すつもりもない。


 誰もが少しは抱いたことがあるであろう、夢を抱くつもりもない。


 しかし……


 「……私が夢を抱く前に、まずは私の夢を叶えないと」


 当たり障りのない学園生活を送りたいのではないのかと、疑問を抱いてしまう少女による意味不明な発言。


 何故少女は、自ら矛盾を生み出しているのか。


 『夢を抱くために、夢を叶える。』


 夢は抱いてこそ叶えられるのであり、抱かないことには、叶えれるものも叶える事が出来ない。


 ユカネのこの発言は、種を蒔くために収穫する、と言っている事と同義である。


 種を蒔いてこそ作物は実を結ぶのであり、蒔かないことには、育つものも育てることができない。


 つまり、ユカネの夢は最初から空っぽに等しい。


 空っぽまでいかないにしても、側だけ取り繕った夢を持っている。


 だから、抱くことが出来ない。


 抱いたら壊れてしまうから、抱く資格が無い。


 「って、何考えてるんだろ、私」


 アルクレナ学園に入学してからまだ二日目。学園生活にも慣れていないからか少し不安に陥っていた様子だった。


 「早く帰って惰眠をむさぼりた……うん?」


 何気なく周りを見ていたユカネは、あるところに視線が留まる事になる。


 「……あそこの路地裏からいけば、寮までの距離を短縮することが出来る……」


 発見したのは、無料で寮までの道を短縮してくれるであろう裏道の存在。


 今日は色々なことがあって、少しだけ疲れていた。


 「行くしかないよね!」


 なので、路地裏を使わない手はない。少しだけ元気良く意気込みながら、さっそく路地裏へと向かう。


 「うーん、少し肌寒い……」


 少しだけ冷たい風が頬を刺すように突き抜ける。肩をすくめながら手を交差し、指先を擦り合わせ少しでも寒さを紛らわせることにする。


 「冬はもう終わってるのに……桜も咲いてるんだから、少しぐらい空気を読んでほしいよ」


 冬に対して愚痴がこぼれてしまう。それぐらい、この日は他の日と比べて気温が低かった。路地裏だからというのもあるのかもしれないが。


 早く寮にたどり着くため、少しだけ早足になる。


 この路地裏を抜けて少し歩いたら寮という名の城が待っているのだ。

 

 「……あっとすっこし、あっとすっこし」


 軽快な口ずさみをしながら路地裏の出口に向かう。


 出口まであと数歩……となったところで、前方から一つの黒い影が現れた。


 「……」


 こんな路地裏を通る人なんて居るんだなあ。


 自分も通っているのに、そんな的外れの事を内心思う。 

 

 本来は路地裏ですれ違う事がそもそも不気味だが、ユカネ本人はあまり気にしていない。


 『そんなこともあるか』と思うぐらいで、ユカネは自分の中で解決してしまう。


 それがいつものユカネ・カトリーヌ。


 ────しかし、この日は少し違った。 

 

 「……おい、そこの女」


 ユカネは早歩きしていた足を止め、壁に反響していた音が消えた。


 「……」


 「……おい女! 何故無視をする! こっちに向け!」


 ……今日は変人ばかりと会うなあ。


 ここでもシムノの姿を思い浮かべながら苦い顔をする。


 そもそもいきなり話しかけられてこっちに向けという方がおかしな話だ。一歩間違えれば不審者だ。不審者かもしれないが。


 聞かなかったことにして、ユカネは再び歩みを進める。


 後ろから着いてくる気配は無い。やはりただの不審者だったのか。そう考えた刹那────


 「──── お前、ユカネ・カトリーヌって言うんだろ?」


 口角を不気味に上げた不審者は爆弾を投下した。

歩みを止めると同時に、ユカネの目が大きく見開く。それにより、瞳孔までもが小さくなる。


 「……いや、知らない人ですね。人違いじゃないですか?」


 不審者に背を向けたままユカネはしらばっくれる。


 「腕をなぎ払っただけでアルカナランクB-を叩き出した女を、俺が間違えるはずがないだろ」


 「────ッ!?」


 ────知られている。


 ユカネ・カトリーヌという人物像はどんなものかを、後ろに居る男によって掌握されている。


 「……なんで、そこまで知っているんですか」


 ユカネは先程のようにしらばっくれ、のらりくらりと躱しながらこの不審者と距離をとろうとした。

しかし、当時の状況を的確に当ててくる不審者にここまで細かく説明されると、安心して帰ることは出来なかった。


 「……これ、話しても良いのか? いやまあ別に女一人だしどうとでもなるか……」


 不審者は小声で何かを言っていたが、それをユカネは聞き取ることが出来なかった。


 「()()()に偵察を任されたんだよ、アルクレナ学園のガキ共のな。今年は最高の世代が集結したらしいから、これ使ってアルカナランクを測定してこいってな」


 語りながらポケットを漁り、取り出したのは紫色の小さいクリスタル。今日のアルカナランクで測定したものとは異なるクリスタルだった。


 「……それをしたところで、何になるんですか?」

 

 「その前に、こいつが何か気にならないのか?」


 「よく分からないので、分からなくても良いんです」


 遠隔から測定できる便利な代物なんだがな……と、紫クリスタルを見つめながら不審者は呟く。


 「……で、アルカナランクを測定したとして、何になるんですか。どうして私をナンパしてまで留めたんですか?」


 「おいおい、お前ナンパされてると思ったのか? 自分は可愛いってか、自意識過剰だな」


 不審者はケラケラと笑う。


 ユカネは自分の容姿に自信があるわけではないが、他の人と比べると一回り可愛いんだろうなという自負だけはあった。


 「生憎と、俺は()()()()()()()()()という女には興味がない。俺はただ、()()という人間を勧誘したいだけだからな」


 「勧誘……?」


 それは詐欺師なのではないかと言いそうになったが、内容が気になるため無言で続きを催促した。


 「俺達と一緒に世界を変えないか?」


 「はっ?」


 典型的な誘い文句にユカネは思わず素っ頓狂な声が出てしまった。


 世界を……変える……?


 「宗教勧誘はお断りです」


 「宗教じゃねえよ財団だよ!」


 不審者がガチギレしながらそう叫んだ。よほど宗教勧誘と思われたくなかったのかもしれない。


 「財団……?」


 とはいえ、財団という単語に聞き覚えがない。ユカネは一度人生を振り返ってみる。


 今までに財団という単語を聞いたのか、もしかして既に財団に所属していたか、財団に所属した知人は居たか……少しずつ人生を振り返っても、記憶の片隅にも存在しなかった。


 8歳、7歳、6歳、5歳……そこまで振り返ったところで、ユカネは首を左右を振り、現実に意識を戻した。


 「思い出すことはないだろうぜ」


 「はい?」


 「世間には公表していない財団だからな。聞いたことはないはずだし考えるだけ無駄だぜ」


 「それを早く言ってくれませんか?」


 「考える姿が面白おかしくてな、ははっ!」


 ユカネはここで一瞬殺意が沸くが、もう15歳の立派な大人なので、怒るのは止めておくことにする。


 「はぁー笑った……ま、話を戻すけどな、お前を勧誘した明確な理由があるんだよ」


 「理由?」


 「おまえのアルカナランクだ」


 不審者はユカネに指を差し、話を続ける。


 「お前のアルカナランクはB-、今年の世代の平均ランクはD+、お前は他の奴らと比べて上位に位置してるということになる」


 ユカネは知らなかった。平均ランクがD+だということを。同時に、ユカネはそこまで()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 「……だから、どうしたんですか?」


 「単刀直入に言う。俺達の財団に入れ」


 やはり、ユカネは不審者に誘われていた。宗教勧誘と思ってもおかしくはなかったのだ。


 「……メリットがありません」


 「うちは財団と名乗っているけどな。本来個人に分配しない利益を配ってもいるんだ、成果を出せばその分利益が降ってくる。歩合制ってやつだな」


 「……ふむふむ」


 「しかも、だ。アルカナランクが高ければ高いほど一定の利益を貰えるんだ」


 「……ほうほう」


 「この仕組みにしているのは理由があってな。この世界の奴らが平和ボケしまくってるのが原因だ。昔は国同士で戦が勃発するのは当たり前、人が死ぬなんて日常のようにあったんだ。だから、アルカナの扱いに長けている人物が多かったんだが……今はどうだ。戦が無くなり、鼻水滴しながら生きている奴らのアルカナランクは悲惨だ。DだのEだの、弱いったらありゃしない。うちの財団に弱いやつらは要らないからな」


 「長々と説明ご苦労様です」


 「そんなもんだから、ランクが高ければ高いほど利益は高くなるってわけだ。俺のアルカナランクがCで、毎月の利益は成果を除いて15万ジェル……おまえの場合は、気に入られれば20万ジェルぐらいにはなるかもな」


 「……」


 ユカネの脳内は、金と善意で右往左往していた。


 「平穏な生活をしたい私にとって、これ以上に無い魅力的な条件……」


 ただ平和に暮らしていきたいユカネにとっては、破格の条件。アットホームな職場で働けるということ。


 ……しかし、上手い話には裏がある。ユカネは思考の世界から浮上し、不審者を見据える。


 「……仕事というのは、何をすれば良いんですか?」


 これだけは質問しておかないといけないと思い、不審者に疑問を投げ掛ける。


 「ま、そりゃ気になるわな」


 一拍置いて、仕事内容をユカネに告げる。


 「俺だったら、今回みたいな偵察だったり、アルカナ研究会とは別の研究をしたり、ここ、アルクレナ王国の資金援助をしたり、あとは……ターゲットを消す、とかな」


 上手い話には裏がある。やはり、ただの財団では無かったようだ。


 「……魅力的かもしれませんが、人を消す、というのは物騒すぎますね。私には、到底出来ると思いません。」


 「……人を消せば、100万は固いぞ?」


 「1000万でも1億でも、どんなジェルを掲げられても()()()()()()()()()()()()()なんて私には無理です」


 何の恨みも無い人をどうして意図も容易く殺そうと思えるのか。命令する人は恨みか何かあるのかもしれないが、人の手を使い、この世界から追放するなんて外道がやることだ。


 「……ユーマ・グレーシア、ロセリア・スミスは確実に無理だと判断してお前を狙ったが……ま、簡単には引き込めないか」


 「貴方は優秀な偵察員ですね」


 二人の実力、さらに性格までを把握しているなんて、一体どこまでストーカーまがいのことをしていたのか。


 「……まっ、これ以上は誘っても無駄か」


 ずっと手に持っていた紫クリスタルを眺めながら、諦めの言葉をこぼした。


 「随分と潔い良い諦めですね。宗教勧誘はもっと執着心があると思ってました」


 「別に一人増えようが増えまいがあまり変わらないしな。あと宗教勧誘じゃねえ」


 舌打ちをした後、ユカネから背を向け、おもむろに歩き出した。


 「もう帰っても良いんですか?」


 「好きにしろ。お前には興味が無くなったしな、他の奴を誘ってみた方が良い」 


 不審者はユカネには既に興味が無く、振り返ろうともせずにゆっくりと歩いていた。


 右手に持っていた紫クリスタルをポケットに入れ、ポケットから手を引き抜いた途端、何かが地面にカランと音を立てて落ちた。


 「あっ」


 ユカネが思わず声を漏らすも、不審者は気付いた様子はない。


 どうせもう会うことはないだろう。最後ぐらい別に良いか。


 そう思って落ちた物に近づき、手を伸ばして拾い上げようとした時だった。


 「──────」


 ユカネは目を見開いて、震えながらその場で固まってしまった。


 拾おうとしたものは、紋章だった。


 中央のシンボルには、裂けた盾の中心に、黒く荘厳なドラゴンが翼を広げており、爪で剣を掴んでおり、剣には血が滴っている。


 盾の背景は暗灰色で、血のように赤い裂け目がいくつも走っている。


 盾の形は鋭角的、周囲に荒れた金属の装飾が施され、盾の下部には崩れた王冠が置かれており、そこにドミニオンの文字が赤く血のように刻まれていた。


 口が震え、全身が震え出す。


 ────そんな、まさか、あいつが。


 ────あいつらが。


 「……ねえ」


 「あん?」


 不審者は振り返る。


 「あっそれ落としてたのか。わりいな、わざわざ拾ってもらって」


 不審者は近づきながら何かを喋っているが、ユカネの耳に届くことは無い。


 「……財団の名前は、『ドミニオン財団』ですか?」


 俯きながら質問するユカネ。


 それに違和感を覚えた不審者だったが、同時に驚いたこともあったので、思ったことを素直に喋ることにした。


 「お前、俺たちの財団を知っていたのか?」


 それを聞いたユカネは俯きながらおもむろに立ち上がり、拾った紋章を強く握り締める。


 「────たが」


 「はっ?」


 ユカネの全身が小刻みに震える。そして、右瞳が闇に染まり、不審者を見据える。


 「────あんたが、あんた達が、私の───!」


 刹那、ユカネは地面を蹴りだし、不審者に向けて接近していた。


 「うおっ!?」


 突然の殺意に驚いた不審者は、咄嗟にポケットから何かを取り出し、ユカネに向けて投擲していた。


 「きゃっ!」


 何かに被弾したユカネは、全身から力が抜け、膝から地面に崩れ落ちた。


 「っぶねえな、まさか俺を殺す勢いで突っ込んでくるなんてな……スタンバレットを持っていなかったら危なかったぜ」


 ポケットからスタンバレットと呼ばれる黄色の球体をもう一つ取り出し、ユカネに向けてそう言った。


 「……ぅぐ」


 ユカネは不審者に叫ぼうとするが、喉の器官が痺れているせいで、上手く声が出せない。


 「……俺に向けての……いや、俺達に向けての殺意」


 崩れ落ちているユカネに近づき、顔を覗き込むように座る不審者。


 「……お前、俺達に何かされたな?」


 「────ッ!」


 キッと睨むユカネ。それを見た不審者は、ため息を吐きながらめんどくさそうに頭を掻いた。


 「まじかよ……雰囲気からして何も被害を受けていないと思っていたのだが……失敗だったなこりゃ」


 また一つ、大きなため息を吐く。


 「もう勧誘しないと決めてたし、もう関わることは無いと思っていたんだがな……明確な恨みに明確な殺意を持っているとなるとな……」


 再び座り込み、ユカネの顎を掴んで、自分の方に向けたあと、不気味な笑いを浮かべながら言った。


 「……決めた。お前はここで殺す」


 「ッ!」


 ユカネの目が見開く。一筋の汗が、首に伝う。


 「そんな殺意をこっちに向けられたら、見逃すことは出来ない。敵とみなすことになるからな。しかも、それで財団に何か影響があれば怒られるのは当然俺になる。ゆえに、お前を生かすという選択肢はどこにも無いんだ」


 掴んでいた顎を離し、ユカネの顎は地面に強打する。鈍い音が周りの壁に反響した。


 「俺よりアルカナランクは高いかもしれんが……今のお前は、Gランクすら満たしていない状態になった」


 不審者はアルカナでナイフを作り出し、切先をユカネに向ける。


 「安心しろ。痛くないように昇天させてやる」


 「……ぅぐ!」


 身体を動かそうとするが、いうことが聞かない。


 全身が金縛りに遭ったかのように、1ミリも動けずに居た。


 『もしかして、ここで終わり?』


 ユカネはそう考える。 動けない、逃げられない、返り討ち一つ出来ない。


 「っ……だっ……けには……な」


 まだ、死ぬわけにはいかない。ユカネにはまだ死ねない理由があった。


 「じゃあな」


 ナイフを高く掲げる。あと少ししたら、命の灯火が消えてしまう。 まだ、火が消えてしまうわけには────


 カツン。


 「あ?」


 「……ぇ?」


 カツン。カツン。


 不審者の後ろから、一つの足音が聞こえてくる。


 「……誰だ?」


 こんなところを通ろうとするのは、まず一般人はありえない。せいぜい変わり者、変人ぐらいだろう。不審者がその証拠だ。ユカネは一般人だが。


 カツン。カツン。カツン。


 じゃあ誰だろう。防衛者? 先生? それとも他の誰か? 回らない頭で考えようとしても、麻痺しているせいですぐに現実に引き戻される。


 ────カツン。


 最後の足音が、路地裏の壁に反響した。


 「……ここは、お取り込み中だ。見なかったことにして、回れ右しな、クソガキ」


 不審者の声が、ユカネの耳に響く。


 『クソガキ……相手は子供なのかな?』


 「……」


 クソガキと呼ばれた存在は、一言も発することはなく、佇んでいた。


 「シカトとは良い度胸だ……丁度良い、こいつと一緒に昇天させてやるよ」


 「────っだ、め」


 相手は子供。そんな子がユカネと一緒に殺されるわけにはいかなかった。


 「────に、げ……」


 ユカネは顔を上げ、声を振り絞り、見知らぬ子供を逃がせようとしていた。


 ────ここまでは。


 「……お前もアルクレナ学園に居た奴じゃねえか」


 「────ぅ、そ」 

 

 信じられないといった声を漏らし、目を見開いた。 

 だって、そこには。


 「確か名前は……シムノ・アンチだったか?」


 変人が佇んでいたのだから。


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