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1.

「アルファポリス」様、「カクヨム」様でも投稿してます。

王宮でのパーティー中、二人の男女が寄り添って、一番目立つ場所に立った。そして、宣言を始める。


「リリィ・プラチナム公爵令嬢! 私、王太子ことマグーマ・ツインローズ第一王子との婚約を破棄させてもらう! それと同時に、貴様をアノマ・メアナイト男爵令嬢をいじめた罪で訴える!」


貴族のパーティー中に高らかに婚約破棄を宣言するのは、ツインローズ王国第一王子にして王太子マグーマ・ツインローズだ。その隣には婚約者ではなく、安物のドレスを着たアノマ・メアナイト男爵令嬢だった。


「はあ……婚約破棄ですか。なにゆえそのような話を、いまここで? このパーティーのあとではいけませんの?」


呆れ果てた様子で質問するのは、王太子の婚約者のはずの公爵令嬢リリィ・プラチナム。彼女は婚約破棄と宣言されたのにもかかわらず、余裕を通り越して面倒くさそうにしている。


「フン! しらじらしい! 素直に認めたらどうだ、この可愛く可憐なアノマをいじめた罪を!」


「いじめた罪?」


そう、一番分からないのはそこである。いじめた罪で訴えるって、いったいなんなのだ。


そう思ったリリィは、思い当たる節など一切ないため、マグーマの言い分を聞いて答えることにした。


それから王太子と公爵令嬢の問答が始まった。


……………………。


……………………。


……………………。


……………………。


……………………。


「……言いたいことはそれだけですか?」


「「…………え~と」」


リリィは水の流れるように反論を返し続けると王太子マグーマは顔を青褪めて顔を下に向けて俯いた。そして、そのままの姿勢で答えた。


「…………さっき言ったことは取り消してくれ。わ、悪かった、言いすぎた。こ、これからは、もっと仲良くしていこうじゃないか…………」


先ほどと違ってあまりにも力がこもっていない言葉だった。マグーマの方から反論する材料が無いことに気付き、今度は自分の方が危うくなったことに気付いたからだ。


「マ、マグーマ様…………」


さっきまでマグーマに縋るように抱き着いていたアノマはいつの間にか離れていて、マグーマと同じように顔を青褪めていた。


「もういいみたいですね」


それに対してリリィは笑顔でやり返した。


「では、今度は私から婚約破棄させていただきますわ」


「な、何ーっ!?」


王太子マグーマは目を丸くして顔を上げた。


「理由はもちろん、貴方の浮気と国のお金を勝手に使い続けた罪が原因ですよ。お隣の可愛く可憐なご令嬢も逃れられると思わないでくださいね」


「「そ、そんなあああああぁぁぁぁぁ!」」


この後、マグーマとアノマの叫びが響いたという。


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