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異世界チートはお手の物  作者: スライド
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第5話 彼女の名はエミリア

「あ、あいつ、ガイを倒しやがったああああ!!」


 俺とガイの勝負が決した直後の事だった。

 ギルド内に大歓声が巻き起こった。

 俺がガイを倒したという事実は、冒険者たちにとって相当な衝撃だったようだ。


「あいつ何者だ!? あのガイに勝っちまうなんて!!」


「しかも一撃だぞ一撃! マジですげーよ。凄まじい奴が現れたな」


「いやー、ガイのやつ最近調子に乗ってたから、正直スカッとしたぜ」


 みんな思い思いの感想を述べ合い、盛り上がっている。

 あんまりすごいすごい言われるとさすがにちょっと照れるな。


「おう、やるじゃねえか兄ちゃん、俺ぁびっくりしちまったよ」


 バッツが俺の肩に腕を回しそう言ってきた。


「私も驚きました。ユウトさんがまさかこんなにお強いなんて」


 気付けばエマも近くに来ていた。


「いやいや、俺もまさかこんなにあっさり勝てるとは思ってなかったよ」


 正直内心ちょっとビビってはいたのだ。なんせ自分の実力を把握してない状態での初戦闘だったからな。上手いこといって本当に良かったぜ。


「おい兄ちゃん、名前ユウトって言うのか。そういやさっき名前を聞きそびれちまってたな。なかなかいい名前じゃねえか。しっかり覚えとくぜ。お前さん、大物になりそうだからな。この俺が言うんだから間違いねえ。ガハハハ」


 そう言って俺の肩をバンバン叩くバッツ。期待してくれるのはありがたいが、ちょっと痛い。


「ふーん、あんたユウトって言うのね」


 声がしたので振り返ると、例の美少女冒険者がすぐ後ろにいた。

 近くで見てもやっぱり美人だった。

 非常に整った顔立ちに長くて綺麗な茶色の髪。そして出るところは出ていて引っ込むところは引っ込んでいるスタイル。パーフェクトだ。


「ああ、ユウト・アキヅキだ」


「あたしはエミリア・ウィルフォード。エミリアって呼んでくれて構わないわ」


「そ、そうか。じゃあ俺もユウトでいいぞ。……で? 俺に何か?」


「ええ。助けてもらった訳だし、お礼を言わなきゃと思って。ありがとう、ユウト。本当に助かったわ」


 そう言って、頭を下げるエミリア。しっかりしてる娘だな。


「おう、どういたしまして。まあヤバそうな感じだったしな。助けられてよかったわ」


「ええ、本当にまずい状況だったわ。そこらの冒険者だったらからまれても自分で何とかするんだけど、さすがにB級上位相手だとC級のあたしじゃあ、ちょっと手に負えなかったのよね」


 へー、C級あるのか。かなり若そうなのにC級ってことは、エミリアもそれなりの実力者ではあるのかもな。


「あ、そうだ。言葉だけのお礼ってのもあれだし、よかったらこれから一緒にご飯でもどう? そろそろ夕食時だし。おごるわよ?」


「えっ? ホントか? ぜひ頼むよ。割と腹ペコだったし」


 やったぜ。こっちの世界に来たばっかで金なんて持って無いから、今日の食事どうしようと思ってたが、助かったー。

 女の子と一緒にご飯とか人生初だよ、俺。嬉しいが、ちょっと緊張だわ。


「決まりね。じゃあ早速行きましょ」


「ああ」


 俺とエミリアは、まだ興奮冷めやらぬギルドを後にするのだった。


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