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異世界チートはお手の物  作者: スライド
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第27話 宝くじ

 その後も様々な場所で情報収集をした俺だったが、結局ベイルに関する情報は何も得られないまま夕方になってしまった。

 仕方がないので今日のところは諦めて、集合場所である噴水へと向かうことにした。


 噴水へ着くとすでにエミリアとミーシャが到着していた。

 どうやらたくさん買い物をしたらしく、2人とも買った服やら食べ物やらで両手が完全に塞がっていた。


「お待たせ。随分とたくさん買ったんだな」


「まあね。でも、これでもセーブしたのよ? 本当はもっと欲しいものいっぱいあったし。ねえミーシャ」


「はい。まだまだたくさん買いたいものあるので、明日も買いものに行きたいです」


「そ、そうなのか……」


 これだけ買ってまだまだ買い足りないのか……。そんなに物欲がない俺としては全く信じられん。


「ユウトは何か買ったりしなかったの?」


「俺か? 買わなかったよ。あんまり金に余裕もないしな。それに俺はベイルの情報を探してたしさ。買いものは二の次だったわ」


「そう。で、ベイルさんについて何か分かったの?」


「いや、収穫なしだ。ただ、ちょっと面白いもんをゲットしたわ」


「面白いもの?」


「これだ」


 俺はしまっていた宝くじを出し、2人に見せた。


「これは何なんですかユウトさん?」


「宝くじらしい。なんか宝くじ売り場で働いてるっていう女の子を助けたらお礼に貰ったんだ」


「へえー、これって1等は5000万レードが貰えるっていうやつじゃなかった? 確か明日の新聞で当選番号が分かるのよね」


「おお、よく知ってるなエミリア。そうなんだよ。結構な大金だから当たったらウハウハだろ? まあどうせ当たんないだろうけど、万が一当たったら俺が2000万レード、2人は1500万レードずつの分け前にしようぜ」


「えっ!? いいの!?」


「ああ。独り占めも悪いからな」


「あんた太っ腹ねえ。ありがたいけど」


「ユウトさんありがとうございます! 凄くありがたいです!」


 目を輝かせて喜ぶ2人。まあ当たるわけないし、どうせそんなに持ってても俺だけじゃ持て余しそうだしな。これでいいのだ。


 その後は3人で夕食を食べ、そのまま宿へと向かった。エミリアとミーシャは同じ部屋で、当然俺は別の部屋だ。

 部屋に入るとすぐにベッドに倒れ込んだ。

 ふう……。今日はたくさん歩きまわって疲れたなあ。とにかく明日こそはベイルを見つけたいもんだ。そして今度こそ新聞社で事件についていろいろ聞きたいなあ。

 そんなこんな考えていると睡魔が襲ってきたので、俺は大人しく就寝した。




 翌日朝、俺はエミリア達の部屋へ向かっていた。そして到着する。


「おーい、入るぞー?」


 念のために入る前に声をかける。いきなり入って着替え中とかだったらエミリアに半殺しにされかねんからなあ。


「どうぞー」


 許可が出たので中に入る。


「おはよう2人とも! さっそくだけど宝くじの結果を見よう!!」


「め、めっちゃ元気ね。どんだけ結果楽しみにしてるのよ。ていうか新聞は持ってるわけ?」


「安心しろ。そこはぬかりはない。もちろん持ってるぜ」


 俺は右手に持った新聞をひらひらと見せる。

 実はこの宿の受付のところでガルロ新聞が売っていることを昨日の夜に確認してた俺は、朝一でそれを購入しに行き、そのあとでこの部屋に来たのだった。当たらないとは分かっていても、どうしても結果は気になっちゃうんだよなあ。


「準備万端ね。じゃあ見ましょう」


「うわあー、楽しみですねー」


「えーど、どれどれ……」


 新聞をめくり、抽選結果のページを探す。ちなみに俺の貰った宝くじの番号は80492である。


「お、あった。このページだ。結果は……」


 まず初めに1位の当選番号に目をやる。


「ん?」


「どうしたの?」


「い、いや……。ちょっと待ってくれ」


 俺は目をゴシゴシとこする。まさかな。


「ユウトさん? 何か汗かいてますけど、大丈夫ですか?」


「あ、ああ。大丈夫だ。多分……」


 やばい、これは……。


「何? もしかして当たった? そんなわけないか」


「当たった……」


「「へ?」」


 エミリアとミーシャが同時にまぬけな声を上げた。その気持ちは分かる。なんということだ。1位の当選番号は『80492』、俺の持ってる宝くじの番号そのものだった。


「当たってるんだよ、5000万が……!!」


「嘘でしょ!!?」


 エミリアが思わず叫び声を上げる。そして、くじの番号と新聞を見比べる。


「本当だわ……。当たってる……。 夢みたい……」


 ……夢? そうか! これは夢に違いない! そうに決まってる。

 俺は自分の頬を思い切りつねった。めっちゃ痛かった。夢じゃない!!


「うおおお!! 5000万ゲットおおおおお!!」


「やばいわね。どうしよう……」


「凄いです!! これでたくさん買い物できます!! 美味しいものもたくさん食べれます!!」


 俺達は3人で抱き合い喜びを爆発させた。


「やべー、これは流石の俺も買い物したくなるわ。実は昨日行った武器屋でいい剣を見つけたんだよなあ。それ買おうかな」


「私もこの機会にいろいろ装備整えようかしら」


「私も新しい杖とか買いたいです!!」


 みんな思い思いのことを口にして大喜びする。


「よし! さっそく支度してまずは換金しに行こうぜ。そんで派手に買い物といこう!」


「「はーい!!」」


 ベイルや事件のことなどすっかり頭から吹き飛んでしまった俺達は、ウキウキで換金に向かうのだった。

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