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プロローグ
突然だが、人が交通事故に合う確率をご存じだろうか。
日本のある機関の調査によると、1年間で交通事故に合う確率は約0.9%であり、生涯で交通事故に合う確率は約50%であるらしい。つまり、2人に1人は生きているうちに交通事故に合ってしまうのだ。
そして俺、秋月悠斗は今しがたその50%に当たってしまった。
学校帰りに交差点で信号待ちをしていたら、走ってきた大型トラックにはねられたのだ。
追突の衝撃で10メートル近く吹っ飛び、地面に全身を強く打ちつけた俺は、野次馬に囲まれながら現在動けないでいる。
体中が痛いを通り越して熱い。野次馬の誰かが救急車を呼んでくれているようだが、正直これは到着前に死にそうだ。
はあ……、16歳で死んじゃうとか短い人生だったなあ。まだいろいろとやりたいことあったってのに。
つーか、ただ事故に会う確率は50%なら、事故にあってかつ死んじゃう確率ってどんなもんなんだろう。
そんなくだらないことを考えていたところで、俺の意識はぷつりと途絶えた。