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第90話 ノエルの誕生日

いよいよ90話です。ゴロタは、世界を滅亡から救う設定だった筈ですが、滅ぼしてしまうんですね。

(まだ9月20日です。)

  この世が滅ぶ、恐ろしいことを言って、平然とお茶を飲むイフちゃん。見た目と、言っている事のギャップが凄まじい。


  「そ、それは、どういう意味ですか。」


  「知らなくて良い。知る必要も無い。だが、これだけは教えてやろう。僕は、『力ある言葉』を、まだ制御出来ぬのじゃ。」


  教皇様は、ゼフィルス様を信奉しているが、ゼフィルス様の恐ろしさも知っている。宇宙の森羅万象を司る力、その力は、星の定めさえ変えてしまうという。


  この『イフちゃん』と言う、人外の存在が危険と言うのならば、本当に危険なのであろう。


  教皇様は、もうゴロタに何も聞かなくなった。間も無く、楽しい食事になった。その筈だった。


  帝国で一番の教会の、トップであらせらる教皇様が招待した会食だから、つい期待した。しかし、結果的には、この教会には、もう絶対に来ないと、皆、思ってしまったのだ。その理由は、料理の質にあった。


  料理は、肉と魚を使わず、麦と大豆と、新鮮な野菜と、乳製品のみで作られていた。味は、悪くない。手間もかかっている。しかし、量が少なく、ガツンと来るものがない。聞けば、今日は、特別に豪華だそうだ。いつもは、黒パンとチーズと一杯のワインのみだそうだ。


  教皇様を始め、皆、痩せているのは、そのためだと思った。でも、生活を質素にして、浮いたお金を、孤児院や救護院の運営費に回しているそうだ。僕は、寄付してあげようかと思ったが、孤児院に寄付したばかりなので、思いとどまった。


  その日の夜、皆はお腹が減っていたから、夜のセレモニーは無いのかと思ったら、それは別腹だそうだ。何か、意味が違うんですけど。







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(9月21日です。)

  今日は、皆であの武器屋に行ってみた。例のアダマンタイト鋼の鎧を見るためだ。


  やはり、見た目、とても強そうだ。黒鋼とは違う黒さだ。何より、全く艶がなく、黒光りとは違う漆黒の闇の黒さだ。


  エーデル姫が、試着してみる。丈はピッタリだが、胸がきつそうだった。店員が、胸周りを調整したら、ピッタリになった。今まで、ミスリルの眩い銀色から、つや消しの黒になって、雰囲気が変わった気がする。


  シェルさんが、この鎧と、アダマンタイトのガントレット、すね当てにワイバーンの皮を貼るといくら掛かるのか聞いた。勿論、素材は持ち込みだ。


  店員が、『マスターに聞いてみる。』と言って奥に入っていった。暫くすると、がっしりした体格の店長が出てきて、手間賃は、この鎧を買えばサービスすると言った。作業期間は、10日は欲しいと言った。シェルさんは、躊躇わずに、注文した。チーン。


  鎧が出来上がるまでの間、着る防具がないので、取り敢えず、何か買おうとしたら、エーデル姫が、黒い革製の防具を買っていた。これから試着をするそうだ。普通は、試着してから買うのだが、逆は珍しい。


  理由は、直ぐ分かった。この防具は、下着のように直接、肌に着るのだ。そのため、試着お断りだそうだ。


  胸は、隠れているが、肩は、むき出しだ。肩紐も無い。そのまま、下半身まで繋がっているが、太腿から腰骨のところまで大きくえぐれており、足が物凄く長く見えるデザインだ。


  セットで、網タイツと、ウサ耳、ウサ尻尾が付いている。エーデル姫は、その上からミニスカを履いていたが、絶対に違う仕事の服だ。


  この服は、ボンデ●●とか、バニー●●●とかと言う名称で、一部のマニアに人気の商品だそうだ。エーデルさんは、人気というワードに反応して、即購入をしてしまったようだ。あの、エーデル姫、それを着たら、街では離れて歩きましょうね。


  次に、僕もアダマンタイト鋼鎧の男性用を試着したら、ブカブカだった。聞くと、この鎧は、LLサイズで、身長180センチ以上の者に合わせて作られているそうだ。


  本来、アダマンタイト鋼の防具は、注文生産で、採寸してから半年は製作期間を貰わないと作れないそうだ。この鎧も、そういう風に作られたが、出来上がる前に注文者が死んでしまったので、格安、大金貨2枚半で売っているそうだ。


  僕は、今のミスリル製の軽鎧で十分と思ったが、シェルさんは、即金で買った。え、サイズが大きくて着れないんですけど。この鎧にも、ワイバーンの皮を張って貰うことにした。どうやら、シェルさんは、将来、僕が180センチ以上になる事に賭けたようだ。


  確かに、この1年で8センチ以上伸びたが、これからも伸びる保証は無い。でも、無駄になったら、大金貨3枚以上で売ってしまえば、損は無い。


  結局、男性用のアダマンタイト鎧も買ってしまった。この鎧は、軽鎧といっても、僕が今、付けているものとは違い、両脇が大きく空いており、そこに水竜の皮が貼られている。其処もワイバーンの革に交換して貰う事にした。ついでに今、付けてる軽鎧と小手とすね当ても預けてしまったので、僕は、どう見ても学生にしか見えなかった。


  武器屋を出ると、エーデル姫とは、少し離れて歩く事にした。流石にウサ耳セットは付けていないが、ミニスカートの下から、防具の股の間のV字が見えてますよ。


  僕達は、帝国軍本部へ行って、ゲール総督と会う事にした。呼び出してみると、キチッと軍服を着ていて、イケメン将校そのものだった。


  近くのお茶屋さんで、お茶を飲みながら話した所、もう僕達と一緒に行かなくて良くなったようだ。僕達の本当の意図も分かったし、能力もある程度は、分かったので、ゲール総督のやる事が無くなったそうだ。


  それに、もっと大切な事があるらしい。それは、イレーヌさんが妊娠しているらしいのだ。この世界では、結婚式を挙げずに子供を産むのは普通の事で、なんか、今回の旅はイレーヌさんの思った通りになったみたいだ。良かったね。イレーヌさん。


  昼食をゲール総督と一緒に食べる事にした。今日は、カレーの日だそうだ。軍隊では、毎週1回、カレーを食べる風習があるそうだ。


  午後、シェルさんは、帝国軍の練兵場で弓の稽古をしていた。そういえば、『威射』ってスキル、何だろうと思ったら、敵を狙っているときに、相手が全く動けなくなるそうで、距離は関係無いそうだ。それって、ずるい気がするんですが。


  エーデル姫は、レイピア使いと模擬戦をしていた。エーデル姫の新しいスキル『熱刺し』は、なんとなく分かった。エーデル姫が試したら、かなりの厚さの鉄板も熱で溶けてブシュッと刺し通したみたいです。エーデル姫、人間に使うのは、止めましょうね。


  僕は、クレスタさんとノエルの二人を連れて、魔法道具屋に行った。消耗品の魔道具や料理の魔法素材を買っていた。お湯を注ぐだけで食べられるパスタとか、ファイヤで温めるだけのカレーとかだ。


  クレスタさんは、久しぶりのデートなので、僕と腕を組もうとしたが、身長差が有って、うまく行かないようなので、僕がクレスタさんの腕を取って組んであげた。ノエルは、普通に腕を組んできた。


    今年1年で8センチ伸びた。


    来年は、 159センチ


    次の年は、167センチ


    3年後は、175センチ


  になっているかも知れない。何となく嬉しくなる僕だった。





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(9月30日です。)

  今日は、ノエルの14歳の誕生日だ。皆で、誕生祝いをする。ワイちゃん一家も呼んであげた。ホテルの部屋で、ドアに向かって立ち、ワイちゃんを呼ぶ。


  ワイちゃん達が来たら、僕は直ぐにドアの外に出る事にしている。ワイちゃん達に服を着せるのは、女性陣の仕事だ。手慣れて来たのだが、何か寂しい気がする。


  最近、僕の髪が背中まで伸びて来たので、後ろで一纏めに結んでいる。所謂、ポニーテールと言う髪型だが、そのせいか一人でいると、良く声を掛けられるようになった。以前の様に怯えることも無く、無言で『威嚇』を放って追っ払っている。


  今回も、3人程の男性が、声を掛けてきたが、いつもの様に、『威嚇』により撃退した。


  ノエル達が降りてきた。総勢9名の大所帯がVIPテーブルに付く。今日は、特上牛肉をメインにしたコースにした。発泡酒で乾杯をした後、誕生プレゼントを上げたら、泣いて喜んでキスをしてきた。


  最初は、ニコニコ見ていたシェルさん達も、あまりにもキスの時間が長いので、全員で引き剥がした。皆で、ノエルへのプレゼント品のサファイアの輝きを見てうっとりしていた。


  シェルさん達が買ったプレゼントは、お化粧セットだった。ノエルには、まだ早いかと思ったが、正式のパーティー等もあるので、買ってあげたそうだ。LV社の化粧バッグも買ったそうだが、値段を聞くのが怖い。


  バイオレットさんが、サファイアを見て目が煌めいていた。龍の嗜好品は、光る物であり、その巣には黄金と宝石がうず高く積まれていると言う。


  「ゴロタよ。私の誕生日を知っている?」


  え、もう300年以上生きていると噂されている龍が、まだ誕生祝いですか?それに、誕生日って、卵が生まれた日ですか?卵から孵化した日ですか?だが、スルーも出来ないので、


  「そういえば、聞いてなかったです。何時なんですか?」


  「ふふ、女性に年を聞くものではないわよ。」


  いや、聞いてないから。誕生日の話で、誕生年の話ではないから。


  「王国歴1992年4月1日よ。覚えておいて。」


  いや、絶対、嘘でしょ。もしかして、永遠の28歳を狙ってます?それに、4月の誕生石って?


  「私、龍でいる時に飾る、宝石が欲しいわ。」


  ありませんから。全長100mを超す龍に釣り合う大きさの宝石って、この世界にはありませんから。


  料理のコースは、豪華だった。特に、牛肉は、縦と横を間違えているのではないかと思う位厚かったが、ナイフが要らない位に柔らかかった。


  ブラックさんは、大量に飲んでいたので、最後は、安い酒精をロックで飲ませてた。バイオレットさんが、常に料理のお代わりを貰っていたが、お肉の時は2回、お代わりをしていた。


  食事が終わって、デザートの時がやって来た。ここで、サプライズ。前に準備した、丸いケーキに、火の付いた14本のローソクを立ててウエイトレスさんが入場してきた。ノエルは、涙を浮かべながら、火を消した。


  その日の夜は、ノエルと二人っきりで寝た。ノエルに対するセレモニーは、15歳未満の女の子に対して法律違反にならない程度のものだったが、ノエルはとても不満そうだった。

ノエルとの激しいシーンは、ありません。ノエルは、まだ未成年ですから(笑)

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