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第75話 ビビ・ショップ大繁盛 でも、ちょっと変

ラスボスは、やはり女性が嫌がります。ゾンビを切った剣って、絶対、臭いと思うのですが、腐ったお肉が付いているんですよ。

(7月30日です。)

  いよいよ、最下層だ。ここは、草原エリアだ。基本的に、最下層は、ボスキャラ以外の魔物は出ない筈だが、ここでは違うようだ。


  何かが飛んでいる。尻尾の長さまで入れると10m以上ありそうだ。


  ワイバーンだ。


  ただ、いままでのワイバーンと大きく違うのは、見た目だ。今、僕達の前を飛んでいるのは、ワイバーンの骨だ。骨が飛んでいるのだ。


  翼に翼膜が無いのに、どうやって飛んでいるのかなど疑問を持ってはいけない。兎に角飛んでいるのだ。


  シェルさんが、『身体強化』して、頭を射抜いたが、頭に矢を貫通したまま平気で飛んでいる。毒は吐かないが、急降下の攻撃がウザい。僕が、『翼の付け根。』と叫ぶ。シェルさんが、2本同時に矢を射る。


    ズババン!!


  流石に、翼を失っては飛んでいられない。急降下落下で地面に叩きつけられ、骨がバラバラになる。ノエルが、駆け付け『ヒール』を掛けて、灰にする。


  20匹位を始末したら、もう出て来なくなった。


  さあ、ボスキャラだ。


  ボスキャラも、ワイバーンだ。スケルトンでは無いが、身体が腐っている。飛び回ると、何か変な汁が飛び散る。


    「「「「「キャーーーーーッ」」」」」


  女性陣が100m位下がった。


  しょうがない。


    「ファイヤ」


  火魔法の炎を、ワイバーン・ゾンビの上下、前後・左右に出現させる。ワイバーン・ゾンビが逃げようとするが、逃がさない。ずーっと燃やし続けた。皮膚が乾燥してきた。それまで、腐った汁を撒き散らしていたのに、今は、剥がれて来た皮膚を粉のように撒き散らしている。しかし、僕は、まだ火を消さない。『ボーッ!』と音を立てて燃え続ける。


  ワイバーン・ゾンビは地面に落下した。でも、火は、その上で燃え続ける。


  戦闘は、終わった。ワイバーン・ゾンビはミイラになった。


  女性陣が、近づいて来た。


  魔石を回収する。ドロップ品は、ミスリルの右小手だった。なんだ、このダンジョンは!


  もう、階段は無かった。やはり、最下層だった。帰りは帰還石を使わず、徒歩で帰りながら、シェルさんが、マッピングを完成して行く。僕が、横からチョッと覗いたが、とても細かく、また綺麗な字で注意書きが書かれていた。


  やっと地上に出た。マップを書きながらだったので、思ったより時間が掛かったが、まだ、昼チョット過ぎだった。


  『ビビの店』で、昼食を取る事にした。結構、混んでいる。ふと奥を見ると、ミスリルの小手が並んでいる。


  両手だと、市内の販売相場価格の大銀貨3枚だが、左小手は、相場の3割高、大銀貨2枚で売っている。


  右小手の買取は、市内買取相場の半額、銀貨3枚だ。しかし、小手を片側だけ買う人は普通いないから、町の武器屋では、片側だけでは買ってくれない。


  ビビさん、いい商売をしていますね。僕達も、小手を全て売った。ビビさんが、ほんのチョッピリ、色を付けてくれた。食事は、カニピラフにした。普通に美味かった。市内に戻って、ギルドに完了報告に行った。マップを渡すと、非常に精巧な仕上がりに驚かれた。前回の例があるので、検証なしで買取となった。ダンジョン攻略報酬とともで、金貨6枚になった。僕達は、今日は豪華ディナーだと喜んで帰ることにした。






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  ゲール総督とギルマスのケンタさんが話し合っている。


  「いやー。あそこまでチートとは、思わなかったよ。」


  「そんなに、あのゴロタという少年は、凄かったのかい?」


  「いや、彼だけではない。彼女達も、凄いんだ。シェルってエルフの娘がいたろう。あの子の弓は、凍りついた2m以上あるキング・スライムを一発で粉砕するんだぜ。あんなアーチャー、帝国軍には絶対にいないぜ。」


  「それに、ほら、エロっぽい女性がいたろう。クレスタ。彼女の魔法の多彩なこと。サラマンダーを溺死なんて、聞いたことがあるか。絶対に、有り得ねえ。」


  「最後は、ゴロタ。あいつ、あのゾンビをミイラにしやがった。理由を聞いて驚くな。剣だと汁がついて嫌なんだと。魔法で焼くと匂いがするし、爆発はさせたく無いし、結局、カラカラに乾いたゾンビにして、魔石を取り出しやがった。」


  「ウチのイレーヌだって、優秀な方だが、キャーキャー言ってるだけで、全く役に立たなかったんだから、驚く他ないだろ。」


  そう言いながら、スライムに洋服を溶かされた、イレーヌさんの全裸を思い出すゲール総督でした。






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  8月3日、次の都市に向かって出発する事が決まった。


  出発の前日、『ビビの店』にお別れの挨拶に行った。


  お店には、また店員が増えていた。


  前は、猫人だったが、今度のは、兎人の女の子だった。二人ともミニスカ姿だったが、上着の肩の後ろに大きな四角い襟が垂れていて、前で大きなリボンを付けている。


  『せーらー服』というそうだ。


  白いシャツに紺色の襟が似合って刺激的だ。それよりも、彼女達の履いている紺色のプリーツスカート。絶対、歩く度にパンツが見えているんですけど。


  もう、何の店だか分からなくなってます。何か、冒険者以外も、彼女達目当てに、若い男の子が押し掛けているそうで、店の前に行列が出来ている。この暑い中、よく片道2時間も掛けて来ますね。僕達が、店の中に入って行くと、兎人二人がこちらを向いて、両手の甲を首の下にくっ付け、首を右に傾げて、


  「「お帰りなさいませ。ご主人様。」」


  いや、絶対違うから。「JK」は、言わないから。いうのは「メイドさん」だから。だめだ。このままでは、文化崩壊を起こしてしまう。彼女達のことはほっといて、ビビさんのところへ行く。


  ビビさん、正気ですか、その格好。


  白のカッターシャツを腕捲りして着ているんですけど、裾を胸の下で結んでいるので、胸の下からおへそまで丸出しです。それに、シャツの第2ボタンまで外していて、豊かなオッパイが溢れそうだし。さらにブラジャーしてください。胸のポッチが飛び出ているんですが。


  スカートは、右腰にスリットの入ったタイトミニスカートで、もう完全にパンツ出てます、スリットから。そして、後ろ側は、半ケツですか?


  もうダメ。真っ直ぐ、見られない。


  シェルさんがお別れの挨拶をすると、涙を流しながら、別れを悲しみ、皆とハグをしていた。僕は、嫌な予感がした。


  予感は、的中した。


  僕の番になったら、がっしりと両手を背中に回して、ディープなキスをして来た。しかも、片足の太腿を僕の股間に擦り付けながら。


  シェルさん達が、大声で叫びながら、引き剥がそうとしていた。


  「「「離れろ、この泥棒猫。雌豚。」」」








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  8月3日、朝7時、停車場に集合した。


  イレーヌさん、そのシャツ、どこで買いました?ブラジャーが、完全に透けているんですけど。しかも、そのブラジャー、面積狭いし。聞いたら、下着ではなく、水着だそうだ。でも、胸に三角形だけってのは。スカートだって、ビビさんに刺激を受けたのか、同じようなのを履いていた。あの日の夜、買いに行ったんですね。はい。


  シェルさん達は、いつものミニスカだった。


  今日は、朝からバイオレットさんが来ている。馬車に乗ってみたいそうだ。お願いです。馬達が怖がります。気配を消して下さい。


  バイオレットさんは、エーデルさんのミニスカを履いて、僕の向かい側に座った。


  僕をジッと見ながら、何回も脚を組み直す。ハッと気付いたシェルさんが、バイオレットさんの膝にバスタオルを掛けた。バイオレットさん、パンツ履いて下さい。バイオレットさんは、お昼を食べたら帰って行った。


  野営を1回挟んで隣のシライ村に到着した。旅館が一つしかなく、部屋も8個のベッドが並ぶ大部屋が1つしか無い。


  今日は、全員で一つの部屋となるため、夜のセレモニーもなく、共同のシャワー室から上がったら、木綿のパジャマを着た。イレーヌさん以外。イレーヌさんは、透け透けのネグリジェでブラジャー無しだ。僕は、見なかった事にして、すぐベッドに入った。僕とゲール総督は、端っこの方に寝た。


  深夜、ゲール総督のベッドから変な音が聞こえた。イレーヌさんの声も。僕は、眠かったので、構わず眠ってしまった。


  翌朝、僕以外は寝不足だったみたいだ。






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(8月15日です。)

  ゲート市に到着た。ゲート市は、中西部郡で2番目に大きい都市だ。人口4万人。主な産業は、南の鉱山で採掘出来る貴重金属だ。


  金、銀、白金そしてミスリル。ミスリルは、単体では、ほとんど存在せず、他の鉱石の中に混在しているので、精製が必要だ。


  この精製には、大量の水と熱が必要なので、かなり離れた川沿いの町に鉱石を運ばなければならない。そのため、大規模キャラバンで、鉱石を精製所まで運搬している。旅行者もこのキャラバンと一緒に移動することになるのだ。


  次のキャラバン出発は、4日後の8月19日だった。僕達は、市内の上等なホテルに泊まることにした。中級ホテル以下は炭鉱労働者とか、キャラバン従事者が多く泊まり、治安が余り良くないそうだ。


  いつものように、ダブルに追加ベッドとツインを頼んだ。ダブルが銀貨3枚半、ツインが銀貨2枚だった。


  ゲール総督らは、ダブルを1室取っていた。ゲール総督、もう、完全に諦めましたね。


  夕食は、ホテルのグリルで、本日のオススメを頼んだ。


  食事中、年配の裕福そうな商人がチラチラ、僕達の方を見ていた。その商人は、かなり若い女性と一緒だった。秘書か愛人のどちらだろうか。食事が、終わり掛けた頃、その男が僕達のテーブルに近づき、


  「失礼ですが、ゴロタ様とお見受けしましたが、違いますでしょうか。」


  「ええ、そうですが、何か、ご用でしょうか。」


  と、シェルが応えた。


  「おお、やはりそうでしたか。実は、折り入ってお願いがあるのですが。」


  その男は、ダンカンさんと言って、南の鉱山で買った鉱石を、所有している精錬所まで運ぶキャラバンを組んでいるのだが、最近、魔物の被害がひどく、前回は、馬を食べられてしまって、仕方なく、その現場に鉱石を放置しているそうだ。


  このままでは、精錬する鉱石も無くなってしまいかねない。


  そこで、王国やクイール市での活躍を聞いていた僕殿に、是非、警護を頼みたいとの事であった。


  「出没する魔物は、何ですか?」


  「ワイバーンの群れですが、数が異常で、30匹以上いるそうです。」

ビビさん、旦那さんを亡くした悲しみ、どこへ行ってしまったのですか。でも、まだ若いのですから、これからかも知れませんね。この世界では、16歳で母親になるのは、普通の事だそうです。

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