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第51話 クレスタさんは冒険者に戻りました

クレスタさんは、冒険者に戻ることになりましたが、あの鬼畜パーティーは、どうなったでしょうか?


(5月15日です。)

  メリルさんが、驚きの事実を明かしてくれた。


  クレスタさんが所属していた冒険者パーティー『欲望の谷』の連中は、それからも同様の事件を繰り返し、ギルドに目を付けられてしまったようで、最後はダンジョンの中で、強姦未遂の現行犯で捕まってしまったとの事だった。


 どうやら、ギルドが囮捜査を仕掛けたらしい。リーダーは、資格剥奪は勿論の事、犯罪奴隷として、鉱山に売られ、他の2人は、やはり犯罪奴隷として南の王国へ売られていったそうだ。


  と言うことは、クレスタさんは、直ぐにでも資格復権が出来た筈だった。でも、クレスタさんは、決して後悔していないそうだ。あの洞窟の仲間達と出会えたのだから。



*********************************

【ユニーク情報】

名前:クレスタ・ガーリック

種族:人間

生年月日:王国歴1998年11月3日生(22歳)

性別:女

父の種族:人間族

母の種族:人間族

職業:貴族、冒険者:ランクB

******************************************

【能力】

レベル    35

体力    230

魔力    380

スキル   260

攻撃力   120

防御力    75

俊敏性   360

魔法適性  風 水 土

固有スキル

【防御】【探知】【料理】

習得魔術  ウインド・カッター

      アイス・ランス

      アース・ガード

習得武技  なし


********************


  かなりのレベルだ。皆の中でもトップクラスだ。冒険者カードを再交付して貰う。これから、領都や、ヘンデル帝国に入る際には、必ず必要になる筈だ。クレスタさんは、カードを見ながら涙を浮かべていた。それを見ていたシェルさん達も泣いていた。


  それにしても、クレスタさんの情報には驚かされる。まず、貴族であること。これは、男爵家の5女と言うことで、気にしなくて良いそうだ。


  次に、魔法属性を3つも持っていること。一つしか持たないのが普通で、二つ持つのも珍しいそうだ。最後に、『料理』スキルだ。どおりで、女子力が高い筈だ。あと『防御』スキルだ。このスキルがあれば、魔力を使わなくてもシールドを張ることができるそうだ。


  それから、皆で依頼ボードを確認したら、このギルドではダンジョンが近いだけに、素材収集が多かった。


  その中で、『水竜の皮の採集』というのがあった。何でも、ダンジョン第7階層は、海辺モードで、水竜が出現するらしい。


  僕達は、この依頼を受けてみることにした。依頼書を持って、受注したが、ゴロタの冒険者ランクを見て、受付の人は、吃驚していた。この町では、最高ランクでも『B』ランクだったのだ。しかもミニスカ姿で、全く冒険者に見えない女性達に『B』ランクが二人もいるなんて、初めてだった。


  ダンジョンは、町のそばにあった。だから、余り、魔物が沸きすぎないように、大量の冒険者を投入しているのだ。ダンジョンに入ると、僕だけが、ドンドン下に潜って行かされた。シェルさん達は、イフちゃんと一緒に、ゆっくり潜っていく。また、あの手を使う気だ。狡いと思うが、黙っていた。


  僕は、地下第7階層に着いたので、イフちゃんを呼んだ。当然、シェルさん達も繋がって転移してきた。第7階層は、海辺モードだったので、ノエルが、初めての海を見て喜んでいる。


  波が打ち寄せ、海風が心地よい。砂も極細かく、ゴミ一つ落ちていない。沖合いに、あの水竜の背ビレが見え隠れしている。前回のように、船と銛を準備していないが、考えがある。


  「イフちゃん、お願いします。」


  イフちゃんは、炎の塊になり、水竜の方に飛んでいった。驚いた水竜が、海岸の方に逃げてきた。焦った水竜が、波打ち際に打ち上げられ、僕が『斬撃』で、3枚におろしてしまう。


  シェルさん達が、素材を回収する。


  お昼までに、そのようにして10匹を討伐した。大量に余った水竜の肉を、バーベキューにして食べたが、少し癖があるが、まあまあ食べられた。皮とヒレ、それに魔石だけをイフちゃんに預かって貰った。


  次いでだから、もう少し下の階層に潜ってみようかと言ったら、皆が、海で遊びたいと言ってきた。イフちゃんに、袋を出してもらい、前に買った水着を着て泳ぐことにした。しかし、クレスタさんとノエルは水着を持っていなかったので、下着姿になって泳いだ。勿論、ゴロタは泳がない。こんなところで泳いだら、何をされるか分からないからだ。


  その内、ノエルは、ブラジャーを外して泳ぎ始めた。どうやらブラジャーが水の抵抗になって、上手く泳げないらしい。ちっパイだから、まあいいか。


  海から上がったら、魔火石とウインド魔法で乾かしてから、きちんと装備をし直して、ダンジョンの上層階に向かった。


  ギルドには、午後3時頃に戻った。受付の子は、ゴロタ達の帰りがあまりにも早いので、今日は失敗したのかなと思っていたら、素材を並べ始めたので吃驚していた。


  素材の内、ゴロタ達の防具用に必要な分以外は全て売った。この町での滞在費用以上の収穫だった。






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  翌日の駅馬車は、ダンベル辺境伯の騎士団が来てくれた。10騎の騎士さん達に、食料や燃料を積んだ1台の輜重車で編成されていた。


  辺境伯領の領都サン・ダンベル市まで、村が二つ、野宿が3回の予定だ。


  いつものように、僕以外は、ミニスカ姿なので、騎士団の人や、他の旅行者に変な目で見られていた。特に、シェルさんは、日傘まで差して来たので、絶対に残念な子と思われただろう。


  僕は、彼女達が馬車のステップを昇る時に、スカートの中が見えないように、隠すのに必死だった。


  最初の日は、野宿だったが、何も持っていなかった筈なのに、豪華宿泊設備一式と豊富な食材が準備されているのに、またまた吃驚していた。シェルさんが、魔法を使っていると説明したが、収納魔法など見たことも聞いたこともないので、騎士団の人達は不思議そうだった。


  今日の夕飯は、クレスタさんが作ってくれる事になった。ノエルも手伝うので、暇になった僕は、森の方に行って、ワイちゃんを呼び出した。


  「出でよ『ワイ』、その姿を現わせ。」


  『呼んだ。』


  今日は、お土産はないが、一つの提案があった。ワイちゃんに、人間の姿に変身して貰う。素っ裸のワイちゃんに、街で買っておいた洋服セットを渡した。ワイちゃんはその場で、着始めた。白いパンツと靴下から着始めたが、パンツの履き方がわからないらしい。僕もよく知らないが、赤いリボンが付いている方が前らしい。


  白地にピンクの花柄シャツに、肩紐付きの赤いプリーツスカート。水色のチロリアンベストを羽織ってから赤いパンプスを履いて出来上がりであった。肌の色が薄い褐色なので、赤がよく似合う。選んだのは、シェルさんだった。


  『似合う?』


  「うん、とても似合うよ。その姿のまま、召喚出来るか、試してみていいかな?」


  『良いわよ。じゃあ僕、一旦帰るね。そしたら、もう一度呼んでみて。』


  ワイちゃんが消えた。僕は、もう一度、召喚してみる。女の子姿のワイちゃんが現れた。洋服は、着たままだった。実験は成功だ。しかし、問題があった。ワイちゃんの棲みかは火山のため、とても暑く、服をが燃え上がってしまうそうだ。だから、人間の姿になっていったら、裸のになってしまうようだ。


  しょうがないので、ワイちゃんの洋服は僕が預かっておくことにした。実質は、イフちゃんが預かっているのだが。今日は、戻ってもらう事にした。急に6歳位の女の子が現れたら、誰でも驚いてしまうし、色々追求されても面倒だ。


  その日の夕方、インリン村に到着した。本当に田舎の村と言う感じで、旅館も、8人部屋が4つあるだけで、お客が多いときは相部屋になるような旅館だった。一人、大銅貨3枚だった。かなり安い。


  ゴロタ達は、5人連れということで、一部屋に泊まった。相部屋にはならなかった。でも、薄い壁1枚向こうは、騎士さん達が寝ているので、僕達はおとなしく寝ることにした。


  しかし、僕の隣に寝る権利は、絶対に譲らない彼女達だった。お休みのキスが終わった僕はすぐに眠ってしまった。







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  翌朝、村から外れた岩山の上で、剣の型の練習をした。大自然の息吹を感じながら、気と魔法の両方を上手にコントロールする練習をするのだ。大分、うまくなってきた。要は、自然な気持ちで、あるがままに身を任せることがポイントのようだ。無我の境地、これができれば、きっとうまくできるようになるだろう。もっと鍛錬をしなければいけないと思うゴロタだった。


  野営で1泊した後、ジェイク村に着いた。いよいよ辺境伯まであと少しと思っていた。しかし、村に近づくに連れ、僕は嗅ぎ慣れた匂いに気づいた。血と腐敗した肉と穢れた魔力の残滓の匂い。魔物がいる。しかも、この匂いの強さ。一体何人の人が死んでしまったのだろう。


  僕は、シェルさんにその事を伝えた。


  「すみません、止まってください。」


  シェルさんが、馬車の御者さんに伝えた。馬車は急停車してくれた。後ろから、護衛の騎士さん達が近づいて来る。騎士さんは、馬に乗っているので、馬車に座っているシェルさんと、顔の高さがほぼ同じだった。


  「何かあったのかね?」


  「この先のジェイク村から死臭がします。それもかなり強い匂いで。もしかすると、村で何かがあったかも知れません。」


  「え、何も匂わないが。よし、分かった。2名ほど、斥候に出そう。戻るまで、待機だ。」


  ゴロタ達の不思議な能力に気が付いている騎士さんは、素直に斥候を出してくれた。その間に、馬車から降りた僕達は、馬車の陰で、装備を整えた。え、どこからと思ったが、いつもキャンプ道具一式をどこからか出すのだ。装備など、簡単に出すのだろうと、無理やり納得する騎士さん達だった。


  1時間ほどして、斥候が帰って来た。村には、人の気配がなく、食い散らかされた死体が散乱している。低級なデーモンがあちこちにいて、死肉を食らっているが、上級な魔物はいなかったそうだ。


  斥候さんの情報は、こんなものだった。おそらく、若い娘とか子供は、餌として連れ去られ、残されたのは年寄りと、男の死体だけなのだろう。低級デーモンは、10匹位しかいないとの事だった。


  ジェイク村は、サン・ダンベル市に最も近い村だ。人口も3000名近くいると聞いている。本当に、全員、死んでしまったのだろうか。


  駅馬車は、暫くこの場で待機してもらい、僕達と騎士さん達で、村に向かう事にした。


  騎士さん達は、最初、僕達にも残っているように言われたが、冒険者証を見せたら、何も言わなくなった。


  ジェイク村に近づき、いよいよ村の中に入ることになった。

次回のボス戦も無双になりそうな予感がします。

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