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紅き剣と蒼き盾の物語(コミュ障魔王と残念エルフの救世サーガ)  作者: 困ったちゃん
第2部第2章 魔物が仲間になりました。
497/753

第2部第49話 サウス・インカン市ダンジョンその3

(6月27日です。)

  朝、冒険者ギルで昨日の回収品を売却した。


  ・トロールの魔石3個    大銀貨9枚

  ・ケルベロスの魔石2個    金貨1枚 

  ・ストーンゴーレムの魔石4個 金貨2枚

  ・サイクロプスの魔石     金貨2枚

  ・サイクロプスの義眼    大金貨1枚

  ・双頭の蛇の皮       大銀貨5枚

  ・双頭の蛇の魔石       金貨2枚

  ・ストーングリフォンの魔石  金貨5枚

  ・ダイヤのグリフォンフィギュア 時価(買取不能)


  やはり、ダイヤのグリフォンは、値段が付かなかった。これもゴロタ帝国の冒険者ギルドでオークションだ。いや、宮殿の貴賓室に飾っても良いかも知れない。他の冒険者たちは、カウンターの上に並べられた高額貨幣に目が奪われていた。唾を飲み込む音が聞こえてくる。これでも、ワイバーンの特殊個体とグリフォンの特殊個体を提出していないんですけど。今日は、昨日のメンバーの他にセレンちゃんを連れていく。セレンちゃん、今日はカーキ色の冒険者服を着ている。でも、上着だけをワンピースのように着ているのは、誰の趣味ですか?帯革を腰の所に巻いているが、小さなナイフのみ付いている。まあ、飾りですね。ミリアさんとビンセント君は、今日、ダンジョンに潜る『A』ランクパーティに加えて貰う。あ、そう言えば、二人とも飛び級で『C』ランクに昇格していた。


******************************************

【ユニーク情報】2030.05.31

名前:ビンセント・アレス・ゲシュタルト

種族:人間族

生年月日:王国歴2022年4月12日(16歳)

性別:男

父の種族:人間族

母の種族:人間族

職業:貴族 男爵 冒険者ランク C

******************************************

【能力】

レベル   14 (+6)

体力   100 (+30)

魔力    70 (+20)

スキル   35 (+10)

攻撃力   70 (+30)

防御力   65 (+10)

俊敏性   55 (+20)

魔法適性  土  火

固有スキル なし

習得魔術  『ファイア・ボム』 『アースブロック』

習得武技  【斬撃】

*******************************************


  たった1カ月間で驚異的に伸びている。特に体力は、3桁に届いている。通常人なら30程度が上限なのだが、毎日の早朝稽古特に千本素振りと魔物との戦いが効果をあげているのだろう。それにダンジョンでの戦い、十分過ぎる依頼達成度になるはずだ。次は、ミリアさんの番だ。


******************************************

【ユニーク情報】2030.05.23

名前:ミリア・バーミット

種族:人間族

生年月日:王国歴2012年10月8日(17歳)

性別:女

父の種族:人間族

母の種族:人間族

職業:貴族 冒険者ランク C

******************************************

【能力】

レベル   11  (+5)

体力    60 (+25)

魔力    80 (+30)

スキル   20  (+8)

攻撃力   35 (+15)

防御力   30  (+7)

俊敏性   40 (+18)

魔法適性  火 聖

固有スキル なし

習得魔術  『ファイア・ボール』『ヒール』

習得武技  なし

*******************************************


  ミリアさん、いよいよ『ヒール』を習得したみたい。そう言えば、シェルにやり方を聞いていたからね。でも『聖』魔法属性があるので、シェルよりも上位の治癒魔法を使えるはずだ。まあ、シェルはスキル『治癒』で根源的に治療しているんだけど。メリもついでに測っておく。メリは、王都で鍛冶の師匠に弟子入りする予定だから、冒険者スキルなど必要ないのだが、一応、どれだけ上昇したか見てみることにした。この国では、12歳から冒険者になれるけど、15歳の成人まで生き残ることが難しいらしい。まあ、当然だろう。


******************************************

【ユニーク情報】2030.05.28

名前:メリ

種族:コボルト族

生年月日:王国歴2017年2月7日(13歳)

性別:女

父の種族:コボルト族

母の種族:コボルト族

職業:冒険者ランク D

******************************************

【能力】

レベル    9  (+8)

体力    18  (+6)

魔力    65  (+5)

スキル   25 (+15)

攻撃力   18 (+13)

防御力   35 (+25)

俊敏性   38 (+18)

魔法適性  風 雷

固有スキル

【治癒×】【連射】

習得魔術  なし

習得武技  なし

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  まあ、こんなものだろう。魔物をMP7以外で殲滅したことは無いので、ほぼ『なんちゃってDランク』だ。あ、このワード、シェルには内緒だった。しかし、スキルに『連射』なんてついて来るところをみるとシェルに似てきている。そのうち『治癒』が使えるようになるだろう。セレンちゃんは、魔物なので測定器には掛けられない。ちょっと見てみたい気がするが、バレた時の大騒ぎがウザいのでやめておくことにした。


  さあ、これからダンジョン地下第8階層に潜ってみよう。今日でダンジョンボスを攻略する予定だ。本当は、今日が一番厳しい戦いになるので、セレンちゃんは連れて行きたくないのだが、朝、お留守番は嫌だと泣き疲れてしまい、仕方なく連れていく事にしたのだ。超絶美少女魔物に泣きつかれると断れなくなってしまう。


  ダンジョンまでは、馬車で移動する。イオイチ君もダンジョンに潜りたいらしいが、この国ではイオークは冒険者登録が出来ない。ダンジョンに潜ってもポーターとしての評価しか受けられないのだ。イオイチ君には、将来、冒険者になりたいのなら、ゴロタ帝国で冒険者になるという手もあると教えている。ゴロタ帝国では、憲法で種族による差別を禁じているのだ。まあ、イオラさん一家全員を移住させてもいいのだが。それは、王都に到着してから考えることにしよう。






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  ダンジョン地下第8階層に来た。今までの経験では、ここからとっても嫌なエリアが始まるはずだ。第8階層は、墓場エリアだった。延々と墓標が並んでいる。ところどころに廃屋が立っているが、絶対に入りたくない。身体が腐りかけているカラスが、墓標の上に止まっている。このゾンビカラス、腐液が垂れるほど完全に腐ってしまうと、羽根も抜け落ちて飛ぶことが出来ないのでまだましだが、それでも飛び回ると黒い羽とともにボタボタと何かが垂れてくるのでとても気持ちが悪い。シルフがM1014散弾銃を2丁出してきた。1丁は、メリちゃんの分だ。僕が、弾倉に手を当てて、聖なる魔力を散弾に込めてあげた。これで『聖なる散弾』7発が発射できるはずだ。


  メリちゃん、散弾の打ち方が上手くなっている。的確に2~3羽が重なっている所を撃っている。カラスの飛翔軌道の予測も的確だ。あっという間に、カラスはいなくなっていた。その間、セレンちゃんは僕の後ろで震えていた。散弾の発射音が怖いようだ。また、ゾンビカラスの気持ちの悪い死体をみないようにギュッと目を瞑っている。そんなに怖いのなら来なければ良いのに。


  お定まりのスケルトン・ソルジャーが出てきた。30体位のソルジャーの後ろに、長い杖を持って、魔法使いのローブを被っているスケルトンがいた。あれ、こいつ。普通じゃないぞ。『スケルトン・マジシャン』だ。遠い記憶に似たような姿を画像映写機で見たことがあるような気がした。たしか『オーバー・ロー●』とかいう名前だったような。いや、気のせいかも知れない。スケルトン系にも散弾は有効だが、『聖なる力』を込めた散弾は、残り少なくなっている。もう、補充している暇はない。僕は、一気に『聖なる力』を解放した。青白い光が放射状に拡散していく。スケルトンどもがボロボロと崩れ落ちていく。しかし、スケルトン・マジシャンは魔障シールドを張って跳ね返している。それができるんなら、仲間も守ってやれば良いのに、冷たい奴だ。あ、骨だから温かい訳ないか。


  そいつは、杖を真上に上げた。詠唱なしで、上空に黒雲が集まってくる。まずい。これは極大級のあれだ。準備する前に、雷が落ちて来た。それも半端な電圧ではない。半径50mは熱で溶けてしまい、電流が四方八方に流れていく。僕達は、『蒼き盾』のおかげで助かったが、シルフ達がもう少し離れていたら、危なかったろう。メリは、直ぐに僕の後ろに戻ってきた。シルフは、異次元空間に逃げ込んでいる。まあ、それが正解だろう。


  僕達が、そいつの攻撃を防いだので、そいつは少し驚いていたようだ。顔の表情は分からなかったが。


  『お前は誰だ。史上最強にして崇高なる我の攻撃を防ぐとは。』


  『念話』が飛んできた。さすがに声帯の無いスケルトンでは、普通に話すことは出来ないだろう。しかし、『史上最強』って、もしかして、このダンジョンの、この階層限定の話でしょうか。あなた、サキュバスとトカゲのような悪魔を従えていませんか?それからは魔法合戦だった。無詠唱で次々に張られる魔障シールドを破るのは至難の業だった。もう、『聖なるバースト』、『聖なるランス』、『聖なるエアカッター』などという訳の分からない攻撃を重ねていったが、なかなかにしぶとい。敵も、『バースト・フレア』、『アブソリュート・フリーズ』など、極大級の魔法を放ってくる。しかし、敵の攻撃が弱まったというか、最初の雷撃以上の攻撃が来ないのだ。ははあ、魔力切れだな。


  『ふふふ、なかなかだな。では、この辺で許してやろう。』


  へ?そいつは、何かのスクロールを広げて、どこかに転移していってしまった。あのスクロール、100枚位欲しいな。それからは、雑魚キャラオンパレードだ。スケルトンにゾンビ、死せる者や獣が寄せてくる。『聖なる力』を定期的に拡散して、地面から這い出てくる奴らを殲滅していく。しかし、『聖なる力』も地上部には有効でも、地下には染みて行かない。染みる。そうか!地面の中にしみこませればいいのだ。僕は、生る力を上空に展開してみる。空と言うか天井が白く光っている。そこに雲を生じさせ、雨を降らせていく。『聖なる力』を秘めた雨、あれ、それって『聖水』なの?まあ、どうでも良かったけど、『聖水』の雨を降らせる。集中豪雨のように土砂降りの雨だ。地面が、ぐずぐずにぬかるんでしまう。もう、死せる者の復活はなかった。


  階層ボスエリアは、廃墟となっている教会だった。いつもお定まりだ。しかし、だれも居なかった。いや、いたかも知れない。大きなスケルトン・ドラゴンだったらしい土くれが、元の形のままに床に積もっていた。大きな魔石が転がっていたので回収しておく。それとドロップ品として大金貨1枚が落ちていた。超ラッキー。


  あのう、セレンちゃん、ずっと背中の裾を持たれていると邪魔なんですけど。


  地下第9階層に潜っていく。ここは、いつもなら未成年禁止ゾーンだが、ここではどうだろう。エリアの雰囲気としては、普通の街のように建物が並んでいるが、当然、死の街だ。建物の屋根の上から飛来してくるのは、案の定、ハーピーだ。上半身が人間の女性だが、腕と下半身が鳥というハイブリッドだ。腕は、人間の腕に羽根が生えているような形だ。眼が真ん丸のトリの目のようでキモイ。それに鳥の下半身のくせして、局部だけは人間の女性そっくりなのだ。いつもは羽毛で覆われているのに、上空を飛んでいて、上手に羽毛を分けて見せつけてくる。真黒なそれを見ても、今日のメンバーは誘惑されるわけないのに、しきりに見せつけてくる。あれ、いつもなら、効果が無いと分かれば糞攻撃をしてくるはずなのに、今日は、攻撃をしてこないのだ。というか、局部から透明な液体が垂れている。あ、発情期か。と言う事は、対象は僕だけらしい。それに気が付いたシェルが、全てのハーピーに4本の矢を射ている。両腕の付け根と心臓と局部だ。容赦がない。あっという間に、ハーピーは全滅してしまった。


  次は、女性のゾンビ達だ。皮膚に青筋が張り巡らされているが、若くてナイスバディのゾンビだ。勿論、何も着ていない。こちらにゆっくり歩いてくる。あれ、脇で座っているゾンビさん、それってM字開脚ですか。とっても刺激的だ。ジッと見ていたら、シェルに後頭部をひっぱたかれた。それも『ヘラクレイスの弓』の真ん中、一番固い所で。セレンちゃん、子供は見てはいけませんよ。あれ、セレンちゃん、確か300歳以上だったけ。


  『聖なる力』で灰にして回って、完全殲滅し、一段落していると、『蒼き盾』が自動発動してパチパチと何かが当たっている。何かなと思って、前方を見ると、超絶美女がソファに座っている、薄いネグリジェというか腰巻のようなものを巻いているだけで、胸が露わになっている。こちらをみてニヤニヤしている。あいつは確か、サキュバスだ。あいつの誘惑に掛かってしまうと、死ぬまでナニをし続けなければならない。あいつが飽きて捨てられても、次々と女を求め襲い続けるという、男性にとってはとっても不幸な人生を送らなければいけなくなるのだ。当然、僕には無効だ。きっと『蒼き盾』で防がなくても、無効なのではないかと思うが、シェルが誘惑を受けるのを禁止しているので、お試しは諦めている。


  シェルとシフル、それにメリの3人からの集中攻撃を受けて瞬殺されてしまった。僕としてはもう少し見ていたかったのだが、女性陣の逆鱗に触れてしまったらしい。このエリアの階層ボスはどんなのか、僕一人だけ期待していた。サキュバスの魔石を回収する。あ、これは、あの貴族の間で超人気の魔石だ。確か『淫』の字がついていた魔石だ。

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