第44話 クレスタさん あなたはエロいです。
クレスタさん。とても色っぽいようです。
(5月2日の夕方です。)
洞窟では、クレスタさんの仲間たちが待っていた。昼間の恰好のままの服を着ている。
クレスタさんを降ろしたら、彼女たちもお姫様抱っこをして貰いたいと言ってきた。別に断る理由もないので、順番に抱っこをしてやった。3人目を抱っこした時、その子が、僕にキスをしてきた。急だったし、もともと顔が近かったので、避けきれなかった。
その子は、本当に瞬間的なキスだったが、段々、大胆になり、最後の方では、長くとても深いキスだった。全員を抱っこして、終わろうとしたら、クレスタさんがもう一度抱っこしてくれと言ってきた。理由はすぐに分かったが、クレスタさんだけ仲間はずれにすることもできないので、抱っこしてやったら、首にがっしりと腕を回され、本格的なキスをされてしまった。結局、彼女たちとは、お姫様抱っこではなくキスをもう一巡することになってしまった。
歓迎のセレモニー?が終わってから、夕食の準備だ。洞窟の外に簡易竈門を準備し、鹿肉と鶏肉のバーベキューを作った。クレスタさんから、フライパンを借りて、バーベキューソースを作った。持ってきた乳製品を混ぜて作った濃厚なソースだ。洞窟の中の食材倉庫にあった乾燥コーンとバターで、ポップコーンを作ったら大好評だった。
彼女達は、久し振りのご馳走という事で、倉庫からワインを出してきて飲み始めた。僕は、嫌な予感がしたが、最悪、走って逃げれば大丈夫と思っていたが、大きな間違いだった。僕は、クレスタさんの右隣りに座らされたが、右側には、次々に他の娘達が座って来た。最初は、ワインで乾杯したり、グラスに注いだりしているだけだったが、段々、乱れて来た。
クレスタさんは、僕の左腕をガッチリ掴んで、自分のオッパイに擦り付けている。僕の右側に座った娘さんは、キスをしたり、僕をさすったり、中には、無理矢理に口移しでワインを飲ませようとしたりする娘もいた。服装も乱れて来た。ほぼ全員がパンツが丸見えとなり、中には真ん中で踊ってスカートを履いたままパンツを脱ごうとしている。
流石に、僕は見ていられないので、下を向いていたら、後ろからくっ付いて来た娘が、僕の顔を上向きにしようとして来た。僕は、ギュッと目をつぶっていたが、誰かが膝の上に乗って来た。
誰かと思って目を開けたのが間違いだった。さっき、真ん中で踊っていた娘さんだった。勿論、パンツは脱いだ後で、脚を開いて跨っているので、大変な状況になってしまった。
僕は、一瞬目にしたモノを見なかった事にしたが、恥ずかしさで、目の前が真っ暗になり、気を失ってしまった。ハッと気が付くと、洞窟の中のベッドの中だった。服と下着は、脱がされてしまっている。何か、周りにいっぱい人が寝ていると思ったら、あの娘さん達だった。この状況は、まずい。とってもまずい。ベッドの上で、素っ裸の男女なんて、言い訳が効かない。
僕は、ふと気が付いた。何を誰に言い訳するのかと。僕は、眠る事にした。
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(5月3日早朝です。)
翌朝早く、僕は身支度を整えて、丘のてっぺんまで駆け上がる。そこは400m位の開けた原っぱになっていた。
いつもの通り、魔力、気力の操作と、明鏡止水流の型を一通りしてから、魔法を放つ訓練を始めた。ここなら、誰に気兼ねすることもない。
まずは、火魔法だ。ベルの剣を上空に向け、魔力を込めて行く。剣が、真っ赤に光っている。誰もいないので、大きな声で呪文を詠唱する。
「火の精霊の福音により、我の力は解き放たれる。古の地獄の眷属にして業火をつかさどる者よ。我が剣に宿りし者との契約により、その力を示せ。我は命ずる。炎よ。災厄の炎よ。今、放て。」
「ヘル・ファイヤー・テンペスト」
ズドドドドーーーーン!!!!!
上級魔法のうち災害級の威力を誇る最上級魔法だ。僕を中心に直径300mの火柱が上空に駆け上がって行く。あまりの熱量のため、火柱の中で雷鳴が轟いている。火柱は、遥か彼方へ駆け上って行く。はるか上空の雲が、すさまじい上昇気流により乱れ散っていった。
他の魔法も試したかったが、今の轟音で、下の女性たちが起きてしまったかも知れないと思い、中止して下に降りて行った。洞窟に着いてみると、女の子達は、お互いに肩を抱き合いながら震えている。中には、泣いている娘もいた。物凄い音と振動、それからの強い風、天変地異が一遍に来た気がしたそうだ。僕の魔法だと分かると、どんな魔法を使ったのか聞かれた。正直に話すと、皆、驚きの目で僕を見た。魔力と、魔法を操る技術、そして精霊の力を使うための資質が揃っていなければ、使えないレベルの魔法だった。しかも、音だけでも威力が分かる。丘の上までは、ここから300m以上も上だ。それで、あの轟音、はっきり言って怖い。皆に少し引かれた僕だった。
駅馬車の出発は早い。クレスタさんには悪いが、朝食抜きで走っていく。昨日の夜のことがあったので、今日は背中に背負って走ることにした。クレスタさんが、背中にくっ付いて、首に腕を回す。胸の膨らみが背中に直に当たる。しかし、気にしていられない。
皆に別れを告げて、可能な限り早く走る。背中のクレスタさんが必死にしがみついている。僕は、後ろに手を回して、クレスタさんのお尻を支える。段々、スピードを上げていく。クレスタさんの息も上がってきた。どんどん走る。クレスタさんが変な声で喘ぎ始めた。胸とお尻に刺激が加えられ続けているのだ。僕には、何故、クレスタさんが喘いでいるのか分からなかった。
村に着いたとき、クレスタさんは、立っていられずにしゃがみ込んでしまった。まだ、駅馬車は出発していなかった。良かった。間に合った。でも、朝帰りの僕をジト目で咎めるシェルさん達3人の顔を見るのが怖かった。
ノエルは、ダンテさんらと泣きながら別れを惜しんでいた。村長とクレスタさんは、村の人達から、色々と用事を聞いていた。買い物や手紙の配達などで、少しばかりのお礼が貰えるので、断ることは無かった。
いよいよ、出発だ。すでに、3人の乗客がいたので、馬車に乗れるのは5人だけだった。僕は、馬車の後ろから走って付いていくことにした。当然、馬車代が浮いた。とても、ケチ臭い。その後ろを警護の冒険者達を乗せた馬車が付いて来る。
リンダバーク村から、隣町のグルーまでは、馬車で8時間以上掛かる。リンダバークを朝7時に出たのだが、途中、昼食休憩等があるので、グルー町には午後5時位に到着した。
ここで、宿泊することになるのだが、明日、用事をするとなると、今日乗った駅馬車には乗れないことになる。次の駅馬車は、3日後となる。村長や、クレスタさんは、明後日、帰りの馬車があるので、それに乗る予定だ。明日、用事が全部済めばだが。
街には、ホテルがあった。村長さんは、知り合いの家に泊まると言うので、明日、代官様の屋敷の前で待ち合わせて、僕達は、ホテルを予約することにした。
僕達は、いつものように、ダブルに簡易ベッド追加で予約しようとしたが、クレスタさんも一緒の部屋に泊まりたいと言ってきた。仕方がないので、ツインに簡易ベッドを追加した。
夕食は、パスタと海老料理にしたが、クレスタさんが異様に喜んで食べていた。いろいろクレスタさんと話をしてみると、出身は、南のカーマン王国の田舎町で、この帝国へ来て、帝国騎士団の魔導士をしていたらしい。そこを18歳でやめてから、冒険者になったが、1年でやめて、今の連中と一緒に行動している。一緒になってからもう3年になるそうだ。え、そうするとクレスタさんって、今、22歳なんですか。あ、女性に年を聞いたら失礼になるから、聞かないけど。帝国騎士団も冒険者も、セクハラで辞めたそうだ。冒険者ランクは『B』だったそうだ。
食事を終えて、ホテルの部屋に戻った。さすがに5人では、部屋は狭く感じる。シェルさん達は、クレスタさんに遠慮して、いつもの行動はとらずにおとなしく、ソファに座ったり、ベッドに腰かけていた。ホテルには一人用の狭いお風呂があったが、洗い場は無いタイプだった。シャワー兼お風呂という感じだ。
クレスタさんに、先にシャワーを浴びるようにシェルさんが言ったら、その場で、ワンピースを脱ぎ始めた。皆が、呆気に取られていると、ブラジャーを外し、パンツまで脱ごうとしたので、シェルさんが慌てて止めた。
「何で駄目なの。洞窟では、皆、裸で寝たのに。」
クレスタさん、それは言わない約束だったでしょ。3人の視線が痛いんですけど。結局、クレスタさんは、パンツも脱いで、前も隠さずシャワーを浴びにいった。
僕は、シェルさんに正座をさせられ、何があったのかを問い詰められた。本当の事をいうと、同じ目に遭いそうだったので、ここはコミュ障の復活、だまって耐えていた。そのうち、シェルさんが服を脱ぎ始めた。いつものようにパンツ一つになって、正座している僕の膝に乗ってきた。腕を首の後ろに回し、じっとしている。シェルさん、胸の小さなポチが目の前なんですが。それから、深いキスをしてきた。もういいです。好きなようにしてください。
次は、エーデル姫、そしてノエルの番だった。特に、ノエルはリングバーク村では別居だったため、その恨みを晴らすかのように積極的だった。あの、あなたは13歳なんだから。もっと子供らしくしたらと思う僕だった。
クレスタさんが、上がってきた。バスタオルだけで、何も着ていない。正座している僕とシェルさん達の恰好を見て、すべてを察したようだった。クレスタさんは、僕の膝の上に跨り、濃厚なキスをしてきた。シェルさん達が怒っていたが、この前の続きだといったら、さらに怒って、クレスタさんを引き剥がそうとした。しかし、クレスタさんも僕の首に回した腕を放さないものだから、僕はクレスタさんの胸に顔を押し付けられ。うん、これもいいかも知れない。
寝るのは、僕とノエル、シェルさんとエーデル姫、簡易ベッドにクレスタさんだ。
僕は、ノエルを右腕で抱えながら眠った。ノエルは、何故かすすり泣きながら眠った。きっと、両親と別れたのが寂しくなったのだろう。まだ、13歳なんだから。
ドンカ男爵との交渉はうまく、行くのでしょうか。ちなみに、ドンカ男爵は、国王陛下から代官職としてキャッシュ伯爵に使えるよう命じられており、キャッシュ伯爵からの代官派遣料を貰っております。まあ、王国からの「派遣さん」みたいなものです。王都には、屋敷があるのですが、グルー町の代官屋敷は、官舎みたいなものです。